真実【完結】

真凛 桃

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73話 プレゼント

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「え⁈お2人揃ってどうしたんですか⁈」

「赤ちゃん見に来たの!」

「そうなんですね!どうぞ」


ホンユはさっさとリビングに入って行った。


「あっ、お姉ちゃん!」

「ジスン!久しぶり~。ジスンもとうとうお姉ちゃんになったね~」

「うん!」

「うっわぁ~可愛い‼︎名前は?」

「ミスンです」

「ミスン~♡パパにそっくりだねぇ~」

「でしょ~?」

「あのっ、まさか来てくれるとは思わなかったので何もないんですが、コーヒーでいいですか?」
  
「うん、大丈夫よ」

「店長、後で買い物行ってくれますか?俺、子供たち見とくから」

「そうですね。ジスン、今夜何が食べたい?あっ、クミちゃん後でキッチン貸りるね!」

「え?」

「ジスンとミスンは俺たちが見とくから、久美さんはチスンと2人でデートしておいで」

「え⁈」

「チスンから頼まれたんだよ。18時に着くようにタクシー呼んでるみたい。場所は運転手に伝えてるみたいだから」

「そ、そうなんですか⁈」

「うん。何なら今夜、帰って来なくてもいいよ!その時は泊まらせてもらうから。ねっ、店長」

「はい!その時はジスンと一緒に寝ようね~」

「うん‼︎」

「あっ‼︎そうだった!チスンの部屋に箱が置いてあるみたいだから、それを着て行ってね」

「え?」


久美子がチスンの部屋に入ると大きな箱があった。
箱を開けてみると、久美子が好きな水色のワンピースと白いヒール。バックも入っている。


チスン…いつの間にこんな…


久美子は早速着替えてチスンの部屋を出た。


「うわっ」

「クミちゃん‼︎すごく似合ってる‼︎」

「ママ、きれーい!!」

「あっ、ありがとうございます。ワンピースなんて滅多に着ないから…何だか恥ずかしいですっ」

「こりゃ、チスン…惚れ直すな。じゃ、こっちのことは安心して行っておいで!タクシーはもう来てると思うから」
     
「はい、分かりました。あ、ミスンのミルクはそこの棚にあります。オムツはここです」

「OK!大丈夫。任せて」

「じゃ、店長、ホンユさん、よろしくお願いします」
   


久美子はタクシーに乗った。


いったいどこへ行くんだろ…


30分程走り、到着した。


「お客様、着きました」

「あっ…は、はい」


タクシーを降りた所は、大きな湖の前にあるお洒落なレストランの前だった。


恐る恐る中へ入ると、支配人が来て案内してくれた。


そこにはたくさんのテーブルと椅子が並ぶ中、チスンだけがポツンと座っていた。


久美子が近づいて行くと、チスンは立ち上がって椅子を引き、久美子を座らせた。


「ありがとう…」


お客さんが1人もいないことに久美子は違和感を感じていた。








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