真実【完結】

真凛 桃

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72話 新しい家族

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久美子は安心して眠りについた。

チスンは1秒足りとも久美子から離れず、そばにいた。

病室のドアをノックする音が聞こえると、看護師が赤ちゃんを抱いて入って来た。


「お母さん、眠ってらっしゃいますね。赤ちゃん抱っこされますか?」


赤ちゃんを見たチスンは、あまりの可愛さに目が釘付けになっていた。


「チスンさん?」

「え?」

「フフ…抱っこされますか?」

「はいっ」

「はい、頭をしっかり支えてあげて下さいね」


チスンは初めて赤ちゃんを抱っこした。


「目鼻立ちハッキリして本当に可愛いですよね」

「…はい」


手も足も小さく、あまりの可愛さにチスンは感動した。


「名前は決めてありますか?」

「はい。ミスンです」


前に久美子と、女の子だったらスンミで男の子だったらミスンにしようと決めたことを思い出した。


「ミスンくん…いいお名前ですね!あっ、それと、サインとか…お願い出来たりしますか…?」

「アハハ、いいですよ」

「やった~!では後ほど色紙とペンを持って来ますっ」



翌朝、久美子が目を覚ますと久美子の手を握りしめたままチスンが寝ていた。

安心した様子でチスンの頭を撫でると目を覚ました。


「あっ、ごめん。起こしちゃった?」

「ううん。いつの間に寝ちゃったんだろ…」

「ねぇ、テーブルの上にある大量の色紙は何なの?」

「あ、サイン頼まれて…」

「で?全部書いたの?」

「うん」

「フフ…あんなに?」



久美子の退院の日になり、2人はミスンと一緒にホンユとジスンが待つマンションへ帰った。


「ただいまー」


玄関を開けた瞬間、ジスンが駆け寄って来た。


「パパ、ママ、おかえりー!わぁー、赤ちゃんだぁ‼︎」

「おかえり」 
 
「ホンユさん、ジスン見てくれくれてありがとうございます」

「全然!それにしても赤ちゃん小さいな~」

「手もすごく小さいねっ」

「よく見ると、チスンに似てるな~。目元がそっくり。よかったね、ジスン」

「うん!」

「ホンユ、まだゆっくりして行くだろ?」

「いや、昼から仕事が入ってるからもう行くよ」

「そっか…」
 
「チスンは仕事どうするの?復帰するんだろ?」

「うん。少し休んで来月から復帰するつもり」

「そっか。お互い頑張ろうな」

「うん。ありがとう!」


ホンユは帰って行った。


「クミ、俺ちょっと着替えて来るよ」

「うん」


あ…

久美子はチスンの物を処分したことを思い出した。


チスンは引きつった顔をして部屋から出て来た。


「俺、ちょっと買い物行って来るねっ」

「チスン、ごめん。整理したの忘れてた」

「ううん、いいんだ。他に処分したのは?」

「…歯ブラシ、靴下、下着、それと…」

「わかった…もういいよ。じゃ、ちょっと行って来るね」

「パパ、ちゃんと帰って来てね」

「すぐ帰って来るよ」


それから2時間後、チスンは大量の紙袋を抱えて帰って来た。


「チ、チスン…何をこんなに買って来たの⁈」

「これとこれは俺ので…こっちはジスンの服、こっちはミスンの服」


紙袋の中には、服の他にも靴やおもちゃがたくさん入っていた。


「かっわいい~!パパー、ありがとう‼︎」

「ジスン、気に入った?」

「うん!」

「よかった。ミスンの分はもうちょっと大きくなってからだな」

「ありがとう。ジスン、よかったねー」

「うん。パパ大好き!」


久美子の分も買っていたが、敢えてまだ渡さなかった。


「ミスンは寝てるのか…可愛いなー」

「可愛いよね」


3人はしばらくミスンに見惚れていた。



それから3日後。
チスンは、ちょっとマネージャーに用があるからと言って朝から出かけた。


夕方前、チャイムが鳴り久美子が玄関を開けると、ホンユと店長が立っていた。









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