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第1章
3話 招待状
しおりを挟む裕二がシャワーを終え、寝室に入るとスミは起きて待っていた。
「まだ起きてたの?」
「これ、裕二にって」
受付の人から預かった封筒を裕二に渡した。
「何これ…」
封筒の中から取り出した物は招待状だった。
「今日、会社に届いてたみたい」
「地曽田グループから、創立記念パーティーの招待状…」
「地曽田グループって、裕二の会社のライバル会社じゃないの?」
「…うん。何で俺に…」
「ちょっと見せて」
スミが手に取って見てみると、明後日の土曜日と記されていた。
「明後日ってまた急だね。行くの?」
「…そうだな。一緒に行くぞ」
「え?私も?」
「是非、ご夫婦でって書いてある」
「本当だ」
「明日パーティー用の服買って、当日は美容室に行って来て。見せつけてやる‼︎」
「買わなくても持ってるのでいいけど」
「ダメだ」
「…わかった。裕二は地曽田グループの社長には会ったことあるの?」
「社長はない。会長は1度見かけたことはあるけど」
「そうなんだ…また何で裕二に招待状なんか…」
「さぁ…何か企みでもあるんだろ…」
「企みって…」
「まぁ、当日スミは常に俺の隣に付いて一緒に挨拶するだけでいいから」
「…わかった」
地曽田グループの創立記念パーティーか…
裕二の会社と同業者…
裕二はライバル会社って言ってるけど、地曽田グループの方が遥かに上…
企みなんかあるはずない…
スミは心の中でそう思っていた。
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