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5話 反対する2人の母
しおりを挟むシュンが席に戻るとその場は静まり返っていた。
「シュン…お母様は行ったのか?」
「うん…」
「何か…すみません」
「よっぽど大事な用事だったんだろう…またお母様とは改めて会おう。まぁ食べようじゃないか」
「は…はい。お母様もすみません」
「えっ…えぇ」
シュンは継母を見て怪しく思った。
「それにしてもスミさんのお母様とは気が合いそうだよ。2ヶ月後には親戚になるんだからな。いい人でよかった」
「スミさんのお父様はいつ亡くなられたの?」
「4年前です」
「ご病気で?」
「…はい。ガンでした…」
「そう…」
あの人…亡くなったのね…
そういえばスミさんの苗字は柳本…
まさかあの人の娘だったなんて…
じゃ…あの時の子供がスミさんなの…
会食を始めてから1時間経った。
「じゃ…そろそろ帰ろうか」
「うん」
「じゃ私たちも…」
「あなた…もう少し飲まない?」
「そうか?お前は途中から来たからな。それなら私たちはもう少しここに居よう」
「じゃ、俺たちは行くよ」
「ああ。気をつけて」
「お先に失礼します」
「またな、スミさん」
シュンとスミはレストランを後にした。
「また近いうちにスミさんのお母様と食事しないとな。もっと話したかったのに…」
「よっぽど楽しかったのね」
「お前も気が合うんじゃないか?今度家に呼ぼう」
「あなた…私…」
「何だ?」
「私…スミさんはシュンとは合わないと思うの」
「え?何だ今さら…お前もスミさんのこと気に入ってたじゃないか‼︎」
「それは…」
「どうしてそんな事を言うんだ⁈」
「何か…スミさんに裏がありそうで…それにスミさんの母親だって、あんな帰り方はないんじゃない?」
「急用だったみたいだから仕方ないだろ。それにスミさんはいい子じゃないか‼︎由希さんとは大違いだ」
継母は何も言えなかった。
マンションに帰り着いたシュンとスミは飲み直すことにした。
「でも、お父様とうちの母…気が合ってよかった」
「そうだね」
「お母さん、何の用事思い出したんだろ…シュン追って行ってくれてたけど、何か言ってた?」
「いいや特には…」
「そっか。明日にでも私、実家に行って来るね」
「うん」
翌日、シュンが会社に行った後しばらくしてスミは実家に行った。
「スミ!どうしたの?」
「ちょっと昨日の事が気になって…」
「あ…ごめんね…お父様怒ってなかった?」
「ううん…大丈夫だけど、そんなに大事な用事だったの?」
「えっ…えぇ」
「何の用事?」
「…会社の用事よ」
「ふーん…」
「あちらのお母様…何か言ってた?」
「お母様?特には…」
「そう…」
「ただ…お父さんのことは聞かれた。いつ亡くなったのか、とか…」
あの女…
私のこと覚えてたのね…
「お母さん?」
「スミ、地曽田さんとの結婚…考え直してくれない?」
「え?考え直すって?」
「それは…ほらっ…ご両親厳しそうだし、うちとは合わないわよ」
「何言ってるの?お父様と仲良く話してたじゃない‼︎お母様とは話してないからわからないだろうけど2人とも優しくていい人よ」
「でも…そう感じるのよ」
「お母さん、どうしちゃったの?」
「スミ…」
「それに私たち2人の問題よ。結婚はするから」
「地曽田さんはいい人よ。だけど…」
「だけど何?」
「とにかく賛成できない」
「結婚に反対だって言うの⁈」
「そうよ」
「何で急にそうなるの⁈意味わかんない‼︎」
頭に血が上ったスミは実家を出て行った。
スミ…ごめんなさい…
お父さんの愛人で私たちを苦しめてきたあの女がスミの姑になるなんて…
あり得ないのよ…
母親はシュンに電話をかけて家の住所を教えてもらい、地曽田家に向かった。
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