プラグマ2 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

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34話 知ってしまった別れの理由

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「スミ、おかえり」

「ただいま…お母さん」


スミは足早に自分の部屋に行った。


スミ…どうしたのかしら…


シュン…私に秘書のことを勧めてるけど…
シュンは平気なのかな…
相手が誰であれ付き合う事はこの先ずっとない…
もうシュンと会う事もないんだね…


スミはシュンからもらった指輪を取り出して見つめていた。


その頃シュンは家に帰り、新事業の事を父親に伝えに行った。


「おい、それで福岡に行くのか⁈」

「はい」

「確かに児童施設はいいかも知れんが何も福岡に作らなくても…」

「色々考えて決めたんだ」

「いつまで福岡にいるつもりなの?」

「…わかりません」

「誰かに任せておけばいいんだよ。お前はすぐに帰って来い」

「しばらくは自分でやりたいんです」

「会社はどうする?」

「専務が戻って来るので専務に任せるつもりです」

「専務が?お前はそれでいいのか?」

「…それに…しばらく東京離れたい…」

「…シュン、お前」

「来週から行って来るよ。とりあえずそういう事ですから」


シュンは会長の部屋を出て家に戻ろうとした。


あの女の子…
福岡に連れて行くまでここに居させた方がいいか…
父さんに話しておいた方がいいな…


そう思ったシュンは再び父親の部屋に向かった。
ドアを開けようとすると父親の怒鳴り声が聞こえ、シュンはドアの前で立ち止まった。


「お前のせいだろ‼︎」

「でも、それと今回の事は別でしょ」

「あの2人が別れてなかったらシュンは福岡には行かず誰かに任せていたはずだ。シュンはきっとスミさんを忘れる為に行くんだ」

「それは…」

「この話は封印してたがずっとモヤモヤしていたんだ。あの2人が別れる事になったのは自分のせいだと自覚してるのか⁈」

「…わかってます」


するとシュンがドアを開けた。


「シ…シュン」

「え…」

「どういう事だよ‼︎この人のせいで俺とスミが別れることになったって何だよ!」

「そ…それは…」

「あんた何したんだよ」

「シュン、落ち着きなさい」

「あなた…私から話すわ」

「ダメだ」

「教えてくれないのなら、この家出て行く」

「シュン…」

「シュン…座って」


シュンがソファーに座ると、父親が頭を下げた。


「すまないシュン。私が口止めしてたんだ。お前と母さんの仲がまた酷くなりそうで…」

「…どういう事?」

「実は…私…昔…」

「もう隠してもムダだ。全部言いなさい」

「…スミさんのお父様の愛人だったの」

「え…」

「スミさんがまだ幼い時だったらしいからスミさんは知らないみたいだけど、お母様が覚えてて…それで…」

「…だから顔合わせの時、スミのお母さん…」

「ごめんなさいっ…シュン。まさかあの人の子供がスミさんだったなんて…」

「…嘘だろ…信じられない…」

「スミさんのお母さんはお前のことが嫌で反対したんじゃないんだ。仕方がなかったんだ…」

「スミは…?スミはそのこと知って…それであんな嘘ついて別れを告げて…」

「本当にごめんなさい…」

「何だよ…愛人って…結局父さんとも…」

「シュン…」

「シュンに話していたら親子の縁を切ってでもスミさんと別れなかっただろ…?」

「…そうだね。この人とは縁切ってた」

「だから話せなかった…」

「父さん…ごめん。俺もうこの人とは無理だから」

「シュン…そんなこと言わないでっ」

「スミがどんな思いで別れを決断したか…わかってるのかよ‼︎」

「本当に申し訳ないと思ってる。でも、こんな事ってあるか?2人は結ばれちゃいけない運命だったんだよ。もう終わった事だ。母さんを憎まないでくれ」

「何だよそれ!俺はこの人とは…もう無理だ」

「シュン!」

「シュン…許して…」

「もう顔も見たくない」

「え…」

「父さん、ごめん」


シュンは部屋を出た後も継母に対する怒りが収まらなかった。


スミはもっと辛かったはずだ…
何も知らずに俺は…
俺に対する気持ちがなくなったとばかり思ってた…







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