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45話 謎の保釈
しおりを挟む「久しぶり!」
刑務所に居るはずの裕二だった。
スミは驚きのあまり声が出なかった。
「社長?」
「あっ…うん…」
中田秘書は裕二に頭を下げた。
「俺、こいつの元旦那。悪いけど席外してくれない?」
えっ…社長の元旦那さん…?
「聞いてる?」
「あっ…はっ…はい。失礼します」
中田秘書は部屋を出て行った。
「どっ…どうして⁈」
スミは頭が混乱して震えが止まらなかった。
「何だよ。久しぶりに会えて嬉しいだろ」
「もしかして脱獄したんじゃ…」
「脱獄?んな訳ないだろ」
「じゃあ何で」
「それはまた今度教えてやるよ。それよりまさかお前が社長になってるとは驚いたよ。あいつとはまだ結婚してないのか?」
「シュンとは別れたし、もうシュンとは関係ないから…だから余計な事しないで‼︎」
「え⁈別れた⁈マジかよ‼︎あいつもその程度だったんだな。へぇ…そっか…別れたのかお前たち…ウケるんですけど」
「戻るべき所に戻って!」
スミが警察に電話をしようとすると裕二が電話を取り上げた。
「何するの!」
「警察呼んでも無駄だよ」
「どうしてよ!」
「釈放されたからさ」
「えっ…ど…どうして…15年のはずでしょ…」
「本当だよ。お前たちのせいで俺は15年出て来られないはずだったんだよ」
「じゃあどうして…」
「保釈金払ったんだよ」
「え…保釈金って…そんなお金どうやって…」
「それ以上はまだ教えな~い。また今度ね」
「そ…そんな…」
「じゃ、今日の所は帰るよ。俺も暇じゃないからさ」
「もう2度と来ないで」
「そんな寂しいこと言うなよ~スミちゃんよぉ~昔愛し合った仲だろ~」
「出て行って‼︎」
スミは裕二を部屋から追い出した。
「また来るからなー‼︎」
クソッ!スミの奴‼︎
裕二は思い切りドアを蹴って出て行った。
どうしたらいいの…
裕二が保釈されたなんて…
あんな酷い事してきたのに…
反省するどころかまた何かしでかして来るはず…
裕二…許せない‼︎
スミはこの日、仕事どころじゃなかった。
家に帰るとスミは母親に裕二のことを話した。
「うっ…嘘でしょ⁈保釈されたの⁈それ本当⁈」
「保釈金払ったって…」
「どこからそんなお金…許せないわ。よくもぬけぬけと顔が出せたわね‼︎信じられない」
「保釈金払ったらこんなに早く出て来れるもんなの?」
「よくわからないけど…裕二さんの背後によっぽど強い人が付いているのかも知れないわね」
「そんな人、裕二の周りにいたとは思えない」
「わからないわよ。裏では何してるかわからない人だったでしょ。それにしてもあんなに酷い事をしておいて、もう出て来たなんて悔し過ぎるわ」
「裕二も私たちのことが憎いはず。また何かして来るかも知れないから気をつけていてね」
「さすがに1度捕まってるし…何もして来ないでしょ」
「そうだけど、一応ね」
「そうね。会社の警備も厳しくするわ。スミ…明日から中田秘書は居ないのよね…運転手つけようか?」
「大丈夫だよ。自分で運転して行くから」
「そう?気を付けてよ」
自分の部屋に入ったスミは内心、裕二のことが不安だった。
いくら私がシュンと別れたと言っても、裕二はシュンを恨んでいるはず…
もしシュンが福岡で児童施設やってるって事を知ったら…また邪魔するかも…
あの人ならやりかねない…
スミはシュンが子供たちと遊んでいる姿を思い出し、絶対裕二にシュンの居場所を知られてはいけないと思っていた。
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