プラグマ2 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

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55話 一致団結

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翌日、スミからFAXが届いた。
シュンは全てのリストを手にして覚悟を決めると由希の実家に向かった。
チャイムを鳴らすと由希が出て来た。


「シ…シュン!ど…どうしたの⁈」

「会長いる?」

「お父様?いるけど」

「会わせてくれないか?」

「どうして⁈」

「ちょっと仕事の件で話があるから」

「ちょっと待ってて。聞いて来るから」


数分後、由希の父親の許可がおりシュンは部屋に案内された。


「失礼します」

「久しぶりだな」

「ご無沙汰してます」 

「君が私に何の用だ?」


シュンは柳本グループの過去の取引先リストを渡した。


「これは…?」

「ある会社の取引先だった企業です」

「それが…?」

「SS社から全て奪われました」

「うち…が?」

「今の副社長…岡田裕二がやったんです」

「岡田君が?君は岡田君と知り合いか?」

「…はい」

「じゃあ…岡田君のおかげでこんなに取引先が増えたって事か」

「え…」

「あいつ…なかなかやるな」

「会長!元々他社の取引先だったんですよ」

「だから何だ?会社の為だろ」

「でも…こういうやり方はあんまりです。奪われた方の会社の身にもなって下さい」

「私は会社の為なら手段を選ばない主義でね」

「嘘でしょ…」

「いやー、岡田君を見直した。近いうちに本社長にさせてもいいな」

「じゃあ…自分の会社の為なら他社を潰してもいいって事ですか?」

「もちろん」

「、、、、」

「君の話とはこんな事か?」

「いえ、もう結構です。よくわかりました。失礼します」


シュンはスミから届いたリストを取り返しその場を後にした。


こんな会社にうちが助けられてたなんて…
これじゃ会長とあいつは同じじゃないか…
こんな会社がトップだなんて有り得ないし許されない‼︎


シュンは悔しさを噛み締めながら会社に戻った。


「社長、どちらに行かれてたんですか?」

「ちょっとね…」


社長…顔つきが普通じゃない…


「岸田秘書っ」

「はい」

「決めた。俺もう福岡には行かないから」

「えっ…本当ですか?」

「うん。今から役職者集めて。会議する」

「今からですか。はっ…はい!わかりました」


20分後、会議が始まった。

シュンはみんなに今後の事を伝えた。


「えっ?1ヶ月で各部署を増やすんですか?」

「うん。そして最低でも200名社員を増やす」

「200名も…ですか」

「そうだ。ホテルは東京だけじゃなくチェーン展開しよう。最終的には全国に出して他の施設も増やして行く」

「社長!どうしたんですか」

「地曽田グループは世間では大手だけど、トップか?」

「…いいえ」

「現在のトップはSS社だろ。うちはその下だ」

「そうですね」

「トップになりたいんだ。SS社より上に」


全員がしばらく悩んだ末に、部長が口を開いた。


「わかりました。トップになりましょう」

「私も同感です」

「トップになりたいです」


その場にいた全員が賛同した。


「ありがとう。それともう1つ…みんな柳本グループって知ってるよね?」

「はい。知ってます」

「ある会社から姑息なやり方されて今…倒産寸前なんだ」

「えっ…そうなんですか⁈」

「うん。だからうちと取引きして少しでも助けになればと思ってるけど、いいかな?」

「もちろんです。助けましょう」

「協力します」


シュンの発言を否定する人は1人もいなかった。


会議が終わり、シュンと専務が残った。


「社長、柳本グループが倒産寸前って…もしかして」

「あいつのせいだ」

「またですか⁈何て奴だ!」

「SS社の会長とも話したけど考え方はあいつと変わらなかった」

「ほ…本当ですか⁈」

「だから俺はそんな会社より下になりたくない。本当はあいつがいるから潰したいくらいだけど、あいつみたいなやり方はしたくない。SS社の会長はプライドが高いから、業界トップを奪われたらダメージ喰らうはずだ」

「だからうちがトップを狙うんですね」

「それと…あいつが社長になるのも時間の問題だから。あいつを引きずり下ろす為にもトップになる」

「わかりました。頑張りましょう。柳本グループと取引き始めるなら私が行って来ましょうか」

「柳本グループへは自分が行く。専務には新たな社員の面接と採用を任せる」

「わかりました」

「じゃ、柳本グループに行って来るよ」

「社長…ここまでするって事はもう福岡には行きませんよね?」

「うん、今はそれどころじゃない。じゃ行って来るね」

「はい。お気をつけて」


シュンの言葉を聞いて専務は安心した。





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