25 / 141
入学編
第24話 上級魔法師
しおりを挟む
◇ ◇ ◇
グレッグたちと別れて一人で行動し、逃走した反魔法主義者を探っていた魔法師は、目の前の光景に唖然としていた。
「これはいったい……?」
アビーとビルが反魔法主義者と交戦していた現場から、一キロメートルほど離れた中心地と比べると閑散としている高層な建築物が減った場所には、複数の人間が倒れていた。
地面にうつ伏せで倒れ伏している者、壁にめり込んで気を失っている者、氷漬けにされている者など様々いる。
「――おや? これはちょうどいいところに」
彼は一帯を見回していると、突然後方から声を掛けられた。
「――!?」
突然のことに驚きながらも彼は瞬時に振返ると後方に飛び、声の主から距離を取って臨戦態勢の構えを取る。
「いい判断ですが、私は敵ではありませんよ」
彼の視線の先には、女性としては長身で、主張の激しい肉体をスカートタイプのレディスーツに身を包んでいる美女が立っていた。
白い肌で、緑がかった明るく薄い青色の髪をショートレイヤーにしており、黄色の瞳が典麗な印象を深めている。
その姿を確認して敵ではないと判断したイヴァンは、臨戦態勢を解いて女性に声を掛ける。
「あなたは……?」
女性の胸元を注視すると、そこには魔法技能師ライセンスの階級を示す胸章が無視できない存在感を放っていた。
「――!!」
胸章が示す階級を確認した彼は一層驚いたが、慌てて敬礼をする。
魔法師は軍隊ではないので、正式には軍隊的な格式は存在しない。だが、上位の階級の者には敬意を込め、礼節を持った態度で接する暗黙のルールが存在する。
「楽にして頂いて構いませんよ」
「はっ!」
女性の言葉に彼は敬礼を解く。
「自分はイヴァンと申します。中級四等魔法師です」
イヴァンは自分の階級を示す腕章を見せると、先程から疑問に思っていたことを辺り一帯を見回しながら尋ねる。
「あの、これはいったい何があったのでしょうか?」
「私がやりました」
複数の人間が倒れ伏している状況を作り出したのは、目の前の女性の仕業であった。その事実を事も無げに自白する。
「あなたはアウグスティンソン隊の方ですよね?」
「は、はい」
周囲の状態について尋ねていたにも拘わらず、突然話題を変えられてしまう。
だが、幸いにもイヴァンはなんとか反応することができた。
「アウグスティンソン隊が連日各地を賑わせている、反魔法主義者について調査しているのは存じておりました」
女性はそこまで口にすると、自分の目的を告げ始める。
「私も上司の命令で調査をしていたのですが、そうしたらちょうど件の者たちに遭遇したので、こうして対処をさせて頂いた次第なのですよ」
「なるほど。自分は――」
話を聞いて納得したイヴァンは、自分がここに来た理由を説明する。
「――では、イヴァン殿はこの者たちを追って来たのですね」
「ええ。そうなります」
「それは尚のこと好都合です」
「と、申しますと?」
「昏倒させたはいいものの、この人数ですからどうしたものかと途方に暮れていたのですよ。よろしければ連行するのを手伝っては頂けませんか? もちろん、この人たちの扱いはアウグスティンソン隊に一任しますので。ただ、尋問には同席させて頂きますが」
周囲には八人の人間が気を失って倒れ伏している。さすがに一人でこの人数を連行するのは現実的ではない。
「わかりました。隊長に確認するので念話を飛ばします」
「よろしくお願いしますね」
イヴァンがマイルズに念話で連絡を取っている間、女性は侮ることなく周囲を警戒していた。
「――隊長から許可が出ました。隊員を数人寄越すそうなので、待機していてほしいそうです」
「そうですか。助かります。では、このまま待ちましょうか」
「はい」
イヴァンがいるとはいえ、さすがに二人で八人を連行するのは厳しい。そこでイヴァンはマイルズに人員を出すように要請していた。
「――そういえば申し遅れていましたね」
女性はすっかり忘れていたと申し訳なさそうに居住まいを正し、改めて自己紹介をする。
「私はレイチェル・コンスタンティノスと申します。階級は見た通り上級二等魔法師です」
「――!!」
レイチェルの自己紹介を聞いたイヴァンは改めて驚愕をあらわにする。なんとか表に出さずに胸中で驚くことに成功し、醜態を晒さずに済んだ自分のことを褒めてやりたい気分になっていた。
イヴァンが驚いたのはレイチェルの階級にではない。
「コンスタンティノス殿でありましたか」
「レイチェルで構いませんよ。コンスタンティノスだと、どのコンスタンティノスのことを言っているのかややこしいですからね」
名前呼びを許すレイチェルは苦笑を浮かべる。
「確かにそうですね。では失礼してレイチェル殿と呼ばせて頂きます」
魔法師界だけに留まらず、この国ではコンスタンティノスの姓は有名だ。知らぬ者はいないと言っても過言ではない。
「以前、聖女様にはお世話になりました」
「そうでしたか」
「イヴァンが感謝していたと代わりにお伝えして頂けませんでしょうか」
「構いませんよ。母には責任を持って伝えておきますね」
「ありがとうございます」
イヴァンは頭を下げ、誠意を込めて感謝を示す。
レイチェルの母は特級魔法師であり、『聖女』の異名を与えられている。
治癒魔法や支援魔法を得意にしている為、普段はあまり壁外に赴くことはなく、壁内で活動していることが多い特級魔法師だ。
おそらくイヴァンも治癒してもらったことがあるのだろう。
そして『聖女』には五人の娘がいる。
何よりも凄いのは、五人の娘が全員国内でも指折りの魔法師であるということだ。
レイチェルも『疾風』という異名を与えられている。しかも他の姉妹も全員、異名持ちだ。
異名は偉大な魔法師に敬意や畏怖を込めて与えられる名誉である。
異名を与えられている人物というのは、それだけ特別な存在という証だ。
レイチェルの母は魔法師としても偉大なら、母としても偉大な聖女であった。
「レイチェル殿は上司の命令で動いていると仰っておりましたが、やはり反魔法主義者のことは上層部も懸念しておられるのでしょうか?」
レイチェルの上司は他の姉妹と異なり公になっていない。
彼女は普段一人で行動することが多く、魔法師界では不思議なことの一つになっている。
元々部隊などに所属することはなく、魔法師としては単独で活動しているのではないかという噂もあるが、こうして本人の口から上司という単語が出た以上は、何かしらの組織に所属していえることが証明された。
とはいえ、イヴァンがレイチェルの上司について直接尋ねることはない。
何事も知らない方がいいことはあるものだ。
「そうですね。魔法師と非魔法師の共存はこの国が抱える至上命題ですから」
魔法師と非魔法師の溝は国の根幹に関わる問題だ。
この国は魔法師と非魔法師が共存しているからこそ成り立っている。
しかし、非魔法師を見下す魔法師が一定数おり、魔法師を否定する非魔法師も存在するのが現実だ。
魔法選民主義者と反魔法主義者の存在が、魔法師と非魔法師の対立構造を深刻化させている最大の要因であり、上層部が頭を痛めている原因でもある。
「難しい問題ですね」
「ええ。繊細な要素を抱えているので軽率なことはできませんし」
難しい顔で相槌を打つイヴァンに、レイチェルは肩を竦めて言葉を返す。
軽率な行動で国内に大混乱を招くわけにはいかない。
最悪、暴動や現体制への反乱などが起こった場合は、大混乱どころでは済まない事態になる。
「今回は少しでも有益な情報を得られるといいのですが……」
レイチェルは周辺で気を失っている反魔法主義者を見回しながら呟く。
彼女は反魔法主義者について連日探っていた。
その結果、有益、無益問わず多様な情報を得ることができている。だが、核心的な情報はまだ得られていない。故に、今回こそは核心を突き決定打となり得る情報を求めていた。
「そろそろ到着するそうです」
「わかりました」
仲間からの念話を受け取ったイヴァンが端的に伝える。
その後、アウグスティンソン隊の協力のもと、何事もなく反魔法主義者を連行した。
グレッグたちと別れて一人で行動し、逃走した反魔法主義者を探っていた魔法師は、目の前の光景に唖然としていた。
「これはいったい……?」
アビーとビルが反魔法主義者と交戦していた現場から、一キロメートルほど離れた中心地と比べると閑散としている高層な建築物が減った場所には、複数の人間が倒れていた。
地面にうつ伏せで倒れ伏している者、壁にめり込んで気を失っている者、氷漬けにされている者など様々いる。
「――おや? これはちょうどいいところに」
彼は一帯を見回していると、突然後方から声を掛けられた。
「――!?」
突然のことに驚きながらも彼は瞬時に振返ると後方に飛び、声の主から距離を取って臨戦態勢の構えを取る。
「いい判断ですが、私は敵ではありませんよ」
彼の視線の先には、女性としては長身で、主張の激しい肉体をスカートタイプのレディスーツに身を包んでいる美女が立っていた。
白い肌で、緑がかった明るく薄い青色の髪をショートレイヤーにしており、黄色の瞳が典麗な印象を深めている。
その姿を確認して敵ではないと判断したイヴァンは、臨戦態勢を解いて女性に声を掛ける。
「あなたは……?」
女性の胸元を注視すると、そこには魔法技能師ライセンスの階級を示す胸章が無視できない存在感を放っていた。
「――!!」
胸章が示す階級を確認した彼は一層驚いたが、慌てて敬礼をする。
魔法師は軍隊ではないので、正式には軍隊的な格式は存在しない。だが、上位の階級の者には敬意を込め、礼節を持った態度で接する暗黙のルールが存在する。
「楽にして頂いて構いませんよ」
「はっ!」
女性の言葉に彼は敬礼を解く。
「自分はイヴァンと申します。中級四等魔法師です」
イヴァンは自分の階級を示す腕章を見せると、先程から疑問に思っていたことを辺り一帯を見回しながら尋ねる。
「あの、これはいったい何があったのでしょうか?」
「私がやりました」
複数の人間が倒れ伏している状況を作り出したのは、目の前の女性の仕業であった。その事実を事も無げに自白する。
「あなたはアウグスティンソン隊の方ですよね?」
「は、はい」
周囲の状態について尋ねていたにも拘わらず、突然話題を変えられてしまう。
だが、幸いにもイヴァンはなんとか反応することができた。
「アウグスティンソン隊が連日各地を賑わせている、反魔法主義者について調査しているのは存じておりました」
女性はそこまで口にすると、自分の目的を告げ始める。
「私も上司の命令で調査をしていたのですが、そうしたらちょうど件の者たちに遭遇したので、こうして対処をさせて頂いた次第なのですよ」
「なるほど。自分は――」
話を聞いて納得したイヴァンは、自分がここに来た理由を説明する。
「――では、イヴァン殿はこの者たちを追って来たのですね」
「ええ。そうなります」
「それは尚のこと好都合です」
「と、申しますと?」
「昏倒させたはいいものの、この人数ですからどうしたものかと途方に暮れていたのですよ。よろしければ連行するのを手伝っては頂けませんか? もちろん、この人たちの扱いはアウグスティンソン隊に一任しますので。ただ、尋問には同席させて頂きますが」
周囲には八人の人間が気を失って倒れ伏している。さすがに一人でこの人数を連行するのは現実的ではない。
「わかりました。隊長に確認するので念話を飛ばします」
「よろしくお願いしますね」
イヴァンがマイルズに念話で連絡を取っている間、女性は侮ることなく周囲を警戒していた。
「――隊長から許可が出ました。隊員を数人寄越すそうなので、待機していてほしいそうです」
「そうですか。助かります。では、このまま待ちましょうか」
「はい」
イヴァンがいるとはいえ、さすがに二人で八人を連行するのは厳しい。そこでイヴァンはマイルズに人員を出すように要請していた。
「――そういえば申し遅れていましたね」
女性はすっかり忘れていたと申し訳なさそうに居住まいを正し、改めて自己紹介をする。
「私はレイチェル・コンスタンティノスと申します。階級は見た通り上級二等魔法師です」
「――!!」
レイチェルの自己紹介を聞いたイヴァンは改めて驚愕をあらわにする。なんとか表に出さずに胸中で驚くことに成功し、醜態を晒さずに済んだ自分のことを褒めてやりたい気分になっていた。
イヴァンが驚いたのはレイチェルの階級にではない。
「コンスタンティノス殿でありましたか」
「レイチェルで構いませんよ。コンスタンティノスだと、どのコンスタンティノスのことを言っているのかややこしいですからね」
名前呼びを許すレイチェルは苦笑を浮かべる。
「確かにそうですね。では失礼してレイチェル殿と呼ばせて頂きます」
魔法師界だけに留まらず、この国ではコンスタンティノスの姓は有名だ。知らぬ者はいないと言っても過言ではない。
「以前、聖女様にはお世話になりました」
「そうでしたか」
「イヴァンが感謝していたと代わりにお伝えして頂けませんでしょうか」
「構いませんよ。母には責任を持って伝えておきますね」
「ありがとうございます」
イヴァンは頭を下げ、誠意を込めて感謝を示す。
レイチェルの母は特級魔法師であり、『聖女』の異名を与えられている。
治癒魔法や支援魔法を得意にしている為、普段はあまり壁外に赴くことはなく、壁内で活動していることが多い特級魔法師だ。
おそらくイヴァンも治癒してもらったことがあるのだろう。
そして『聖女』には五人の娘がいる。
何よりも凄いのは、五人の娘が全員国内でも指折りの魔法師であるということだ。
レイチェルも『疾風』という異名を与えられている。しかも他の姉妹も全員、異名持ちだ。
異名は偉大な魔法師に敬意や畏怖を込めて与えられる名誉である。
異名を与えられている人物というのは、それだけ特別な存在という証だ。
レイチェルの母は魔法師としても偉大なら、母としても偉大な聖女であった。
「レイチェル殿は上司の命令で動いていると仰っておりましたが、やはり反魔法主義者のことは上層部も懸念しておられるのでしょうか?」
レイチェルの上司は他の姉妹と異なり公になっていない。
彼女は普段一人で行動することが多く、魔法師界では不思議なことの一つになっている。
元々部隊などに所属することはなく、魔法師としては単独で活動しているのではないかという噂もあるが、こうして本人の口から上司という単語が出た以上は、何かしらの組織に所属していえることが証明された。
とはいえ、イヴァンがレイチェルの上司について直接尋ねることはない。
何事も知らない方がいいことはあるものだ。
「そうですね。魔法師と非魔法師の共存はこの国が抱える至上命題ですから」
魔法師と非魔法師の溝は国の根幹に関わる問題だ。
この国は魔法師と非魔法師が共存しているからこそ成り立っている。
しかし、非魔法師を見下す魔法師が一定数おり、魔法師を否定する非魔法師も存在するのが現実だ。
魔法選民主義者と反魔法主義者の存在が、魔法師と非魔法師の対立構造を深刻化させている最大の要因であり、上層部が頭を痛めている原因でもある。
「難しい問題ですね」
「ええ。繊細な要素を抱えているので軽率なことはできませんし」
難しい顔で相槌を打つイヴァンに、レイチェルは肩を竦めて言葉を返す。
軽率な行動で国内に大混乱を招くわけにはいかない。
最悪、暴動や現体制への反乱などが起こった場合は、大混乱どころでは済まない事態になる。
「今回は少しでも有益な情報を得られるといいのですが……」
レイチェルは周辺で気を失っている反魔法主義者を見回しながら呟く。
彼女は反魔法主義者について連日探っていた。
その結果、有益、無益問わず多様な情報を得ることができている。だが、核心的な情報はまだ得られていない。故に、今回こそは核心を突き決定打となり得る情報を求めていた。
「そろそろ到着するそうです」
「わかりました」
仲間からの念話を受け取ったイヴァンが端的に伝える。
その後、アウグスティンソン隊の協力のもと、何事もなく反魔法主義者を連行した。
0
あなたにおすすめの小説
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
湖畔の賢者
そらまめ
ファンタジー
秋山透はソロキャンプに向かう途中で突然目の前に現れた次元の裂け目に呑まれ、歪んでゆく視界、そして自分の体までもが波打つように歪み、彼は自然と目を閉じた。目蓋に明るさを感じ、ゆっくりと目を開けると大樹の横で車はエンジンを止めて停まっていた。
ゆっくりと彼は車から降りて側にある大樹に触れた。そのまま上着のポケット中からスマホ取り出し確認すると圏外表示。縋るようにマップアプリで場所を確認するも……位置情報取得出来ずに不明と。
彼は大きく落胆し、大樹にもたれ掛かるように背を預け、そのまま力なく崩れ落ちた。
「あははは、まいったな。どこなんだ、ここは」
そう力なく呟き苦笑いしながら、不安から両手で顔を覆った。
楽しみにしていたキャンプから一転し、ほぼ絶望に近い状況に見舞われた。
目にしたことも聞いたこともない。空間の裂け目に呑まれ、知らない場所へ。
そんな突然の不幸に見舞われた秋山透の物語。
主人公に殺されるゲームの中ボスに転生した僕は主人公とは関わらず、自身の闇落ちフラグは叩き折って平穏に勝ち組貴族ライフを満喫したいと思います
リヒト
ファンタジー
不幸な事故の結果、死んでしまった少年、秋谷和人が転生したのは闇落ちし、ゲームの中ボスとして主人公の前に立ちふさがる貴族の子であるアレス・フォーエンス!?
「いや、本来あるべき未来のために死ぬとかごめんだから」
ゲームの中ボスであり、最終的には主人公によって殺されてしまうキャラに生まれ変わった彼であるが、ゲームのストーリーにおける闇落ちの運命を受け入れず、たとえ本来あるべき未来を捻じ曲げてても自身の未来を変えることを決意する。
何の対策もしなければ闇落ちし、主人公に殺されるという未来が待ち受けているようなキャラではあるが、それさえなければ生まれながらの勝ち組たる権力者にして金持ちたる貴族の子である。
生まれながらにして自分の人生が苦労なく楽しく暮らせることが確定している転生先である。なんとしてでも自身の闇落ちをフラグを折るしかないだろう。
果たしてアレスは自身の闇落ちフラグを折り、自身の未来を変えることが出来るのか!?
「欲張らず、謙虚に……だが、平穏で楽しい最高の暮らしを!」
そして、アレスは自身の望む平穏ライフを手にすることが出来るのか!?
自身の未来を変えようと奮起する少年の異世界転生譚が今始まる!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる