もう同じ事は繰り返さない！

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物心ついた頃から、たまに不思議な感覚に襲われる事があった。

これ、前にもあったな。という感覚だ。

それは部屋から出た瞬間に見たリビングの様子であったり、出かけた先での親との会話であったり、日常の中の小さな出来事だった。

また、その感覚より頻度は少ないが正夢を見ることもあった。

この場合も、家族で外食に行くとか、学校の授業中に起こる事だとか、日常での一場面だった。

私はそれらを不思議に思いながらも、些細な事だったので、特に気には留めず、過ごしてきた。

そして中学校の入学式の今日、久しぶりに見た夢は、夢というより走馬灯のようで、1人の人間の人生を体験しているような気分だった。

夢の始まりは、私が今日から着るのと同じデザインのセーラー服と学ランが最初に見えたので中学生からだろう。内容を大まかに追っていくと、

小学校から付き合っていた彼氏に別れを告げられ
──
部活で何故か避けられるようになり、気不味くてそのうち行かなくなり
──
成績が良くなかった為、高校受験では第1希望を不合格になり、滑り止めの私立高校に進学
──
新しく彼氏ができるも堂々と浮気され、破局
──
ここでも成績は奮わず、クラスの底辺を行ったり来たりし
──
大学受験では上手くいかず、二浪の末に県内の大学に進学──
サークルには入らず、バイトをしながら、趣味のゲームに没頭
──
なんとか進級して就活に励むが、落ちまくり、ギリギリで就職
──
そこはブラックで、残業&休日出勤は当たり前
──
ストレスと疲労で身体はボロボロ


最後に見たのは鏡越しに見えた顔。肌はかっさかさで、唇は皮がむけている。それらはなんとか化粧で誤魔化せても、目の下にはコンシーラーでは隠しきれない濃い隈が存在を主張している。


こんな夢を見たのは初めてだ。今までと同じように、これも正夢なのだろうか？でもそれにしては詳細すぎる。自分に何が起こっているんだろうか。

もしかして、人生やり直しとか？そんなことある？

自分の発想に驚くが、それだったら今まで感じた既視感や正夢にも納得が行く。前に1度経験したことがあるからだったのかと。
そして、これがやり直しだというのならば、前とは違った行動を取らなければいけない。自分が後悔しないために。