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サクラソウ
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いつも朝は枕の隣に目覚まし時計を置き7時になると共にタイマーがなり嫌々起きる。起きたあとは顔を洗い朝食を食べ髪のセットと歯を磨いて家を出る。髪のセットとは言っても寝癖を直す程度の事しかしない。毎日学校まで自転車で登校しているが本当はもっと楽に通学したいものだ。通っている学校は夜月学校と言い科目は普通科目でこれといって特徴がある訳でもないが、教室の窓から見える海は雲一つない日は空と海の境目が分からなくなるほどに青く綺麗な海と空が見えるのが特徴だと思っている。学校に着いたらいつもどうりに授業の準備をして一時間目の授業が始まり何も代わり映えもしない授業を過ごすと気がつけば今は3時過ぎの放課後になっていた。自分は小さい頃から写真を撮るのが趣味でよく学校帰りや暇があればどこにでも撮りに行くほどになっている。学校には写真部はあるのだが、写真の事になると周りを見れなくなるのと1人で撮るのが好きな事に気づき写真部を入ってから3ヶ月でやめてしまった。今日の予定は写真を撮りに行くと決めていて、すぐに掃除を終わらせ目的地に向かった。学校を出てから30分ほど自転車で走ると綺麗な花が咲いている公園についた。ここは雛桜公園。この雛桜公園は珍しい公園で世界中のありとあらゆる花があるのだ。どの時期に行っても素晴らしい花ばかりだ。今日きた目的は何も無く、ただむしょうに撮りたくなったから来ただけだった。少し歩きながら「今年は去年より咲いてるな…やはり今年は去年より暖かい時期が早まっているからか」なんて事を考えながら写真を撮っていると、花を眺めている女性がいた。眺めている花はサクラソウだった。咲いている色は紫色とピンク色で道沿いに長く咲いているのをしゃがみながら見ていた。女性の後ろ姿は何かあるような、話した事あるような感じだった。違和感はあったが声をかけられず気づかれないように後ろを歩きながら次に撮る場所を探しそうとした時、何かが倒れる音がした。振り向いた先にはサクラソウを眺めている女性が倒れ込んでいた。違和感が確信に変わったのは一瞬の事で目の前で倒れているのは分かっても体が動かなかった。体が動いた瞬間すぐにかけより声をかけると、とても小さな声で「救急車は大丈夫ですから近くのベンチに運んでくれませんか?」と言われ自分は返事をしたのかは分からないが女性をベンチまで移動させた。自分はあまり人と関わるのが得意ではなくなるべく避けれるならやっかいなことをしないからこの状況は人の命をまじかに感じたと思った瞬間だった。女性を移動させた時に思った事は、これが普通かも知れないが自分から見て女性は軽く少し痩せているように感じたのだった。ベンチに移動してから10分程経つと女性の顔色も良くなってきた頃にやっと自分に何が起こったのかを整理出来た。少し戸惑っていると「この度はありがとうございます」とさっきより声は出ているがそれでも小さい声だったが透き通るような綺麗な声だった。「いえいえ、気分は大丈夫ですか?」と質問すると女性は「大丈夫です。たまに倒れる事があるんです。」と答えた。そのあと少しの間沈黙の時間だったがとても長く感じた。横目で女性を見ると、肌は白く綺麗な黒い艶やかな髪が肩の下辺りまであり見とれてしまいそうだった。何か話をと話題を話す寸前に女性に電話が鳴った。電話に出ると少し話してから女性が慌てた様子で電話を切った。すぐに女性は「本当にありがとうございました。急用ができたので失礼します。」と西出口に向かっていった。名前を聞き忘れてしまった。慌てたが大丈夫だろうか…
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