君で変われた

赤城光城(あかぎみつしろ)

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アネモネ(赤)

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余命宣告の話を聞いた次の日から毎日学校が終わると写真を見せに行きその時の思い出を話した。長塚さんはいつも話を楽しそうに聞いていて呆れた様子になった事は1度もなかった。長塚さんと話せば話す程時間が足りなくなっていく気がした。そんな日常を初めてからあっとゆう間に梅雨の時期は過ぎて暑い日差しとセミが鳴き始めた7月半ばになっていた。「今日は何を持って行こうか」と昼ごはんを食べながら考えているとふと思う事があった。余命宣告の話を聞いてから今まで考えた事もなかったがあとどのくらい長塚さんとあって話が出来るのだろうか。そう思うと急に背筋が凍るように寒気が襲ってきた。すると自分の血の気が引いていくのが少し分かった気がした。長塚さんが言っていた余命宣告はあと何日後なんだろうか。あと何時間一緒に話せるのか…そんな考えが頭の中に目まぐるしいほど駆け回った。嫌な考えた事が頭の中でまとまりそうな時に昼終わりのチャイムが鳴り集中が切れた。5、6時間目はどこかさっきの考えが頭の中によぎって授業の内容が頭に入って来なかった。授業が終わるとすぐに自転車に乗り家に帰る途中である物が見えた。街の人たちが雛桜公園先にある道路を挟んで山上の神社に向かっているのが見えた。多分あれはお祭りで屋台を出したりする人だろう。病院に貼っていた祭りの見たチラシを見てからもう何日過ぎたのだろうか。何日過ぎたのか分からないけど分かることはもの凄いスピードで日々が過ぎていった事だった。1日1日が楽しく聞いてくれてこんなに人と話したことは今までになかった。そう思うとふともし行けるなら一緒にお祭りに行って最後の思い出を作ったあげたいと思いついた。思いつくと何をするか考える前に体が自転車をこいで家まで帰っていた。家に帰るとすぐに見せる用意を持って病院に向かった。いつも病院に向かう道をいつも通りのように向かっている習慣は長塚さんと出会ってなかったら絶対に無かった習慣だと確信できる。向かいながら昼間に思った「あと何日何時間一緒に話せるか」を考えていた。色々考えたが多分あっとゆう間に時間だけが過ぎていって別れの時が来るのでは無いのかと考えがまとまった。今までの事を考えると時間が足りなく感じるのが何回もあったりあっとゆう間に過ぎていた事も何度もあったことから考えつくのはやはり時間が過ぎていく事だと納得出来た。気がつくと病院が見えてきた。病院につくといつも通りに東館に向かいながら行くと病院内である祭りの話をしているのを聞いた。「今年も祭りが楽しみですね」「そうですね。祭りには行けなくても毎年病院の屋上から見る花火がこの時期の1番の楽しみなんですよね」と本当に楽しそうに話していた。この病院に1ヶ月以上来ているが屋上には行ったことは無かった。最近は長塚さんと話すために写真を撮りに行くことは無かった。他に話している人もいて聞いているとだんだん屋上の事が分かってきた。普段は自由には行き来が出来なくて夏祭りの時期だけ開けるそうだ。病院からの景色は街を一望しながら花火が見える見たいで写真を撮ってみたいと思った。花火と街が一緒に見えるのは想像するまでもなく絶対に綺麗だと感覚で分かった。写真を撮るならどう撮るかエレベーターを待ちながら考えていたら後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。振り向くと声をかけてきたのは長塚さんだった。「今日も来てくれたんだね。ありがとう」「長塚さんと話すのが1番の楽しみになってるからね」と話せるまでにはなったから仲良くなったと思う。するとエレベーターが来た。エレベーターに乗りいつもの病室に向かった。病室につくといつも座っている椅子に座って「でさぁ何してたの?」「カフェでおやつ食べてから中庭に散歩しに行ってたんだ。楽しかった」長塚さんは笑顔になってた。長塚さんが「今日はどんな話をしてくれるの?」と目を光らせるようにこちらを見てきている。「そうだな今日はどんな話をしようかな?この時期だからやっぱりひまわりかな?」「ひまわりあるの!私の1番好きな花なんだ」と今日は一段と勢いがすごかった。今まで見た中で1番食いついてくれるのは分かったのだがその元気はどこからか来るのかは分からなかった。見せた写真には周りに建物や人は無く空には雲一つなくひまわりがずっと続いてる写真を見した。長塚さんの表情は今までの中で1番嬉しそうで見せてよかったと思った。
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