君で変われた

赤城光城(あかぎみつしろ)

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アスター(桃)

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638番室に着くとそこには長塚さんはいなかった。6階のフロアを探しては見たがいないようだった。看護師さんにどこに行ったか聞くと嬉しそうな感じで「今は下のカフェにいると思いますよ」と何かを勘違いしているような感じだった。エレベーターを待ってると後ろの6階の窓口からさっきの看護師さんと他の看護師さんの会話が聞こえた。さっき聞いた看護師をAさんとするとこんな感じだ。看護師Bさん「あの子がこの前話してた男の子?」看護師Aさん「そうそう!結衣ちゃんがこの前楽しそうに話してた子だと思うよ。」と長塚さんが自分の事を看護師さんに話したのだと分かった。一つだけ気になる事があった。それは看護師さんと話をした時嬉しそうな感じだったのが気になる。なぜあんなにも嬉しそうな顔だったのか分からないから後で長塚さんに聞いてみようと思った。エレベーターが来てカフェのある2階のボタンを押し降りていった。2階に着くと長塚さんがエレベーター前に立っていた。長塚さんは嬉しさが顔に書いてあるようなそんな顔をしていた。エレベーターを降りて長塚さんに「長塚さん何か嬉しい事あった?」と声をかけると長塚さんは笑顔で「うん嬉しい事あったよ。今日は本当にいい日だな」長塚さんは今ニヤつきを止めているが今にでもニヤつきが止まらなそうな感じに思えた。長塚さんの顔を見ているとエレベーターが2階に着き6階に行った。エレベーターを降りると窓口にさっきの看護師さんがいた。看護師さんの目が何かいいものを見て今にでも誰かに言いたいような表情をしていた。看護師さん達から見てどう見られているのかは分からないが少なくとも自分が考えている事とはちがうのは分かった。看護師さんは何か勘違いしていると思ったがどんな勘違いをしているのかが分からなかった。「長塚さん聞きたいことあるんだけどいい?」と聞くと長塚さんは「どんな事かな?」と少し緊張したような感じで答えた。「看護師から何か勘違いされているような感じなんだけど分かる?勘違いかもしれないんだけどね」と分からないことを承知で聞くと長塚さんは考えてくれた。少し経つと長塚さんが「思い当たる事はあるけど言えない…」と言ってから少し下を見るようにして黙り込んでしまった。しばらくすると長塚さんが顔を上げて「話を変えよう。今日来て欲しかったのはさっきも話したけど写真以外の話をしたくて」と言ってはいるが少し顔が赤いように見えた。「じゃあ何から話をしようか?」と聞くと「今まであった覚えている出来事がいいな。話したくない事は話さなくて大丈夫だからね」と言っている長塚さんの瞳は優しいかった。そんな優しい瞳をされたら隠したい事も隠さずはなしをしてしまいそうだった。「じゃあ昔の話をしようか。」自分は今から何年も前の話をし始めた。
「自分の家系は写真を仕事にした親の元で産まれて父親は写真家で世界中を旅しながら生活しているんだよね。母親の仕事はカメラマンで母親も仕事の依頼があると全国を行ったり来たりしているから基本家は1人で過ごしてた。もう慣れたけどね」と話をしていると長塚さんが「だから写真が撮るのが上手いのか」と納得したようだった。気がつくと5時30分を過ぎていて夕日が病室の窓から見え始めた。休憩も挟まずにずっと話していたのに長塚さんは1度も嫌な顔はしずにむしろ話せば話すほど楽しくなるように見えた。自分が「少し休憩していい?」と聞くと長塚さんは「じゃあ次は私の話をするね」と話をし始めた。
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