異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

文字の大きさ
692 / 1,264
プレイン共和国、絶えた希望の妄執編

 友情*

しおりを挟む
 
 
 夜も更け、辺りは星の明かりすら遠くなるほどの闇に包まれている。
 大地から溢れ出る生命の光は見えず、荒涼こうりょうとした夜は数十年前から少しも変わってはいなかった。

 以前この国に来た時は、気の付加術が使えない面倒な国だと思ったものだったが、今は少しも面倒とは思わない。むしろ、目の前で安らかに眠っている愛しい少年が、光にさいなまれず深く休めると思えば感謝したいくらいだった。

 闇が深く、この場に焚火たきびの揺らめく曖昧な炎しかないお蔭で……目の前の少年を使って、思う存分欲望を晴らす事が出来るのだから。

「……ふぅ。ツカサ君たら、相変わらず寝つきが良いんだからなあ……。一回ぐらい起きてくれても良いんだけど」

 呆れたような声で言いながら、ブラックは溜息を吐いた。
 しかし、今現在のブラックは、他人を非難出来るような格好ではない。なにせ……下半身を露出させて、眠っているツカサの手を使い自慰をしていたのだから。

「っ……ぅ……」

 焚火だけが仄明るく照らす洞穴ほらあなの中で、寝袋で寝ていたツカサを引き摺り出して、力の入っていない手をいきり立った陰茎に当てている。
 それだけでも異常な光景だが、ブラックは心底快楽に浸り、目を細めながら荒い息を漏らして口をだらしなく半開きに緩めていた。

 最早、気付かれるかもしれないなどと言う考えはない。むしろブラックとしては、「起きてくれればいいのに」とすら思っていた。

(だ、だって……ツカサ君が起きてくれたら……か、可愛い顔、見れるもんね……)

 今起きたら、間違いなくツカサは赤面して言葉を失くすだろう。もしかしたら、何が起こっているか解らずに、怯えて泣くかもしれない。
 だが、それでも、ツカサが自分に冷たい目を向ける事は無いと解っている。
 解っているからこそ、ブラックはこの醜い行為をやめる事が出来なかった。

「はっ……は……はぁ、は……ツカサく……ツカサ君……っ」

 一心不乱に、愛らしい幼い手に自分の陰茎を擦りつける。
 ツカサの柔らかい手を動かし、強引に自分の猛った剛直に触れさせて、欲望のままに擦り上げるのは相変わらず気持ちが良かった。

 ……ツカサは知らないだろうが、ブラックは持て余した性欲を発散する為に、このような淫らで人の気持ちを考えない行為を、だいぶ前から続けている。

 一度二度の性交だけではとても治まらない、異常とも思える性欲を持つブラックにとっては、日常茶飯事の下劣な行為だった。
 しかし、ブラックはこの自慰行為を悪い事とは思っていない。むしろ、愛しい恋人であるツカサを壊さないための抑止力だと考えている。
 つまり、この「ツカサの体を使った自慰行為」を正当化しているのだ。

 ――――普通に考えれば、眠っている間に勝手に自慰行為を手伝わされたツカサが怒るであろうことは容易に想像できるのだが、ブラックにとってはバレた時の事など些細ささいな問題だった。
 何故なら、この行為すらもツカサは許してくれると確信しているからだ。

「ツカサ君……起きてくれたっていいんだけどなぁ……っ、く……」

 極まって我慢が出来なくなり、ブラックはツカサの体へと陰茎を向ける。
 そうして、素肌を曝した腹の上にねっとりとした濃厚な白濁を吐き出した。

「っ、ふ……はぁ、あぁ……」

 ツカサの腹の上には、もう何度出したのか解らない程の白濁が乗っている。
 薄ら寒い空気に触れた素肌は鳥肌を立てていたが、しかしそれでも零れそうな程に注がれている白濁には気付きもせず、ツカサはただ眉根を寄せてむにゃむにゃと口を動かすだけだった。

「寝つきが良過ぎるんだよなぁ……ツカサ君……。ちょっとくらい起きてくれたっていいのにさぁ。えいえい」

 子供っぽく言いながら、萎えた陰茎でツカサの腹をつつく。
 けれども、ツカサは「うぅ……」と不機嫌そうに唸っただけで目を開けなかった。
 寝つきが良いのも考え物である。
 しかし、考え物だと言いながらも、ブラックの顔はだらしなく緩んでいた。

(でも……安眠しちゃうのは……僕が絶対に守ってくれるって信じてるからだもんね……? ふ、ふふふ……ほんと可愛いなあ……ツカサ君は……)

 後処理はいつも虚しい物だが、ツカサの全幅の信頼を思えば苦ではない。
 ツカサの可愛い寝顔を見ながら、逸物を拭った懐紙を焚き火の中に放り込む。本当は、ツカサの腹の上にたっぷりと吐き出した精液を残しておきたいのだが(起きた時の反応を見たいがために)、腹を壊されるのは困るので、これも綺麗に拭き取って、汲んで来た水を布に掛けて拭いてやる。

 面倒な作業ではあるが、ブラックはこの行為がとても好きだった。

「ツカサ君、僕が触れる度にどんどん柔らかい肌になってくね……。女だってこんな触り心地の良い肌の奴はそうはいないよ……」

 ……今まで抱いてきた男や女に、こんな事を思った事は無かった。
 そもそも、ツカサ以外の誰かに、ここまで甲斐甲斐しく世話をしてやったことなど無い。性行為が終われば、相手の事などもうどうでも良かった。

 睦言むつごとを囁かれる事すらも鬱陶うっとうしく思った事もあったかもしれない。だが、それすらもう忘れてしまった。姿形は覚えていても、名前も思い出せない。
 昔のブラックは、それくらい他人に興味が無かった。

 「穴が有って喘げば犯す」だの「寄ってくる者ならば誰でも良い」だのと相手の姿に頓着せず、自分の欲が満たせればそれで満足していたのだ。
 何故なら、誰もブラックの事を理解出来ると思っていなかったから。

 ……けれど、ツカサは違う。
 初めて出会った時から、自分の「すべて」を受け入れてくれた。受け入れてなお、失望する事など無く自分の欲も我儘も全部呑み込んで、ただ純粋に自分を愛してくれているのだ。……一切の邪悪な感情など無く。

 だから、ブラックはツカサの全てに触れたかった。
 自分を全身全霊で愛してくれるこの幼く小さな体に触れ、自分の行った浅ましい行為を悔いて無垢な姿に戻るように綺麗にし、そして、また……自分だけの特権である「ツカサを犯す」という行為をもって、無垢な相手を滅茶苦茶にして自分の色に染め上げてしまいたかった。

 ツカサが離れて行かないように、誰かに心を奪われないように……身も心も、自分のいる“暗い場所”まで堕としたかったから。

「……ツカサ君……」

 綺麗にふき取った腹を、性的な意図をもってゆっくりと撫でる。
 すると、ツカサは眠っていると言うのにひくりと反応した。

「ん……ぅ……」

 甘い、鼻にかかったような声。少年特有の、可愛らしく幼い喘ぎ。
 あれだけ良いように使われていたと言うのに、ブラックが触ると、ツカサは簡単に反応を返してくるのだ。それも、ブラックにとっては愛しくてたまらなかった。

「ツカサ君……あぁ……何度出しても足りないよ……」

 恋人だと、好きだと言ってくれた日から、ツカサはもっと敏感になった。
 好きだと思えば思うほど自分に溺れて行くツカサを見る度、ブラックは暗い欲望が満たされたような気がして、生きて来て初めての感覚に酔いしれてしまう。

 誰かを見て、こんなに「何度も犯したい」と思った事は無い。
 これこそが愛なのだと思えば、ブラックは胸が透くような思いがした。

「…………なんだ、またツカサで自慰をしていたのか」

 そんな感覚に浸っていた所に、無粋な声が聞こえてくる。
 声の主などもう解り切った事で、ブラックは酔いを無理に覚まされた事を不快に思いながらも、ちゃんと役目を果たして帰って来た相手に振り向いた。

「周囲はどうだった」

 問いかけると、声の主は闇の中からのそりとその姿を見せる。
 洞穴に入って来たのは――巨大な熊だった。

「問題ない。脅威はゼロだ」

 ブラックの問いに簡潔に応えると、熊――クロウは、ゆっくりと足を動かし焚火の傍に寄ると、音をたてないようにして体を伏せた。
 毛むくじゃらの巨体はうっすらと濡れており、水を浴びて来た事を示している。
 濡れた獣の臭いと言うものは不快極まりないが、それでも“より不快な悪臭”よりはマシかと考えて、ブラックは肩を竦めた。

「その様子だと、何体食った?」
「……四五体くらいだ。オークに似たようなモンスターだったが、名前は解らん。まあ、食い散らかせば一晩は余裕で逃げるからな。獣よりよほど扱い易かった」
「げぇ……。あーやだやだ……ほんとツカサ君が寝てる間に始末できてよかったよ。人型のモンスターなんて、犯すし小賢しいし出遭っても良い事無いからねえ」

 肩を竦めたブラックに、熊は鼻を鳴らすと耳を動かした。

「それに、殺せばツカサが怯える。肉もマズいし百害あって一利なしだ。……まあ、臭いはお前の精液とどっこいどっこいだが」
「クソ熊調子に乗んなよ」
「お前こそ調子に乗るな。ツカサが知らないのを良いことに、ほとんど毎日ツカサを精液塗れにして。ツカサにお前の邪悪な臭いが移ったらどうしてくれる」
「ツカサ君は僕の恋人だからいいんだよ!!」

 それにしてもほぼ毎日だと知っていると言う事は、やはり嗅覚でツカサに残った精液の臭いをかぎ分けていると言う事だろうか。
 それとも、獣の耳で猥雑な音を聞いているとでも言うのか。
 何にせよいけ好かない熊である。

 旅をしている時は、大体こうしてツカサを守るために、夜中に周囲のモンスターを殺して「近寄るな」と牽制しているのだが、この駄熊は自分の番になると、こうして妙に居丈高になるのが頂けない。

 確かに獣の姿で殺し回った方が血を気にしなくていいし、水を浴びれば血や悪臭はすぐに流れてツカサに気取られる事も無い。
 故に、殺す量は確実にこの駄熊の方が多いのだが……それで偉ぶられるのは、途轍もなく気に入らない。ブラックとて血を気にしなければそれくらい殺せるのに。

 つくづく始末したくなる熊だ、とブラックは歯噛みをする。
 だがしかし、この間男がいるおかげで自分もいい思いをしている部分が有るので、最近のブラックは本気で殺したいとは思わなくなってしまっていた。

 そんなブラックの思いを知ってか知らずか、地面に伏せる熊は急に口を開いた。

「……お前、またツカサを犯さなかったのか」
「ん?」
「何のつもりだ? 不能になった訳でもあるまいに、ここ最近はツカサを犯さず尻を弄ってるだけではないか。恋人とはそういうものなのか?」

 忌憚ない意見に驚いてしまったが、隠す事でもないかと思い素直に答えた。

「まあ、犯せない訳じゃないよ。僕だって、本当は思う存分ツカサ君のお尻を使って気持ちよくなりたいさ。……でもこれには意味が有るんだ」
「意味?」
「ツカサ君が僕から完全に離れられなくなるまで、もう少し……もう少しなんだよ。だからこそ、僕はもう一言ツカサ君に言わせたいんだ。“僕の物が欲しい”って」
「…………それだけか?」

 訝しげな顔をしてそう問いかけられて、頷いた。
 何故なら、本当にそれ以上の意味は無かったからだ。

「それだけさ。……僕は、ツカサ君を完全に捕まえておきたいんだ。体だけじゃなく、心も意識も全部ね……。だから、次の段階に進むために焦らしてるんだよ」
「……それをオレに話すとは思わなかった」

 幾分か驚いたかのような声に、ブラックは一瞬目を丸くして――それから、何の気もなしに、自分の隣で安らかに眠っているツカサの顔を見た。

(……確かに……今までなら考えられなかったな。恋敵にこんな事を話すなんて)

 目の前の熊は、ツカサを奪おうとする憎き敵だ。
 しかし、それと同時に共犯者でもあり、ブラックを長と認める存在でも有る。
 この男は、ブラックとツカサの関係を尊重し、この関係を絶対に裏切らない。誰が何と言おうが、二人が恋人同士であると認め、引き裂かないと誓ったのだ。

 …………だからだろうか。
 いつの間にか、ブラックはこの男にある種の特異な感情を覚えていた。

 決して恋慕などではなく、かと言って親愛でも無い。裏切れば四肢を裂いて殺すと素直に言えるが、しかし、それでも相手を共犯だと思える程度の感覚はある。
 誰にも言えない事であろう、こんな下衆な話まで語れるほどには。

(…………これは……何て言う感情なんだろうか……)

 解らない。だが、一つだけ思い当たる感情が有る。
 それは、両手で数えられるほどの存在にしか抱かなかった感情。
 今までずっと忘れていた、古い記憶。

 その、記憶の中の感情は…………友情という、胡散臭い名前だった。

(僕は、このクソ熊に友情を感じているとでも言うんだろうか)

 ――思い出したくも無かった、若い頃の記憶が蘇る。
 今はもう存在しない仲間に、友情がどうかと語られた事が有った。

 あの頃は良く解らず、ただ、ほんの少しだけ沸き上がった温かい気持ちに従って、彼等とずっと旅を共にしていた。
 彼らはそれを「友情」だと言ったが、あの頃は解らなかったのだ。
 だけど、もしこれが、その時のほんの少しだけ生まれた気持ちと同じと言うのなら――――なんと滑稽で面白いのだろうかと、ブラックは苦笑してしまった。

「なんだ、何を笑っている」
「……いや……何でもない。……はぁ、僕も結構甘くなったみたいだね」
「不味い臭いの人族が甘くなることなんぞあるのか」
「うるさいな、殺すぞ」

 そうは言っても、殺気が無い事くらいお互いに解っている。
 ツカサを中央に置いて、気持ちのない無い牽制をしている自分達が滑稽に思えて、気付けばブラックとクロウは同時に噴き出して笑ってしまっていた。

「フッ……どうでもいいが、欲求不満になったツカサがオレの所に来ても恨むなよ」
「冗談言うな。ツカサ君がお前みたいな租チンになびく訳ないだろ。もしそんな事したら遠慮なく殺すからな」
「そうなればオレも気兼ねなくお前を始末できる。ああ、今後が楽しみだな」

 言って、二人である一点を見やる。

 そこには当然、お互いが唯一の愛しい物と思える存在が眠っていて。

「……どんな時でも可愛いな、ツカサは」
「そう言う所だけは気が合うのが嫌んなるよ」
「オレもだ」

 熊の舌が、ざらりとツカサの頬を舐める。
 それに負けじと、ブラックもツカサの髪を撫でた。
 恋人は自分だとでも言うように。

 すると、ツカサは何を感じ取ったのか、幸せそうに笑って――――その可愛らしい表情に、思わず二人でのけぞったのだった。










 
しおりを挟む
感想 1,346

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

少年探偵は恥部を徹底的に調べあげられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

処理中です...