異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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首都ラッタディア、変人達のから騒ぎ編

9.古代遺跡・地下水道―2日目・戦闘―

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 二日目、俺達は昼過ぎ辺りに地下水道の中程までやって来た。
 幾つも入り組んだ水路の迷宮も、コータスさんが案内してくれたおかげで一度も迷わずに進めた。だが、ここから先はそう簡単に行かない。
 なにせ、コータスさん達すら未だに把握しきれていない地下迷宮の未踏区域だ。
 罠とか変な仕掛けとか罠とかあるかもしれない。やだこわい。

「ここから先は、私が計算した予測方位まで糸を張りつつ行きますよ。はぐれると私にも探しようがないので、絶対にはぐれないで下さい」
「は、はい」
「今日は順調にここまでたどり着けましたが、この先はもしかしたらモンスターが出るかもしれないので、索敵頼みますね」
「おっし、了解」

 コータスさんの言葉に俺達は頷いて、ゆっくりと歩き出した。
 査術さじゅつによる【索敵さくてき】は、普通の人が使う場合、こうして速度を落として歩かないと敵を探知しにくくなる。ブラックがラクシズの街でやってた索敵は、実際とんでもないレベルだったらしい。範囲の広さからして普通じゃないとは思ってたけど、コイツ本当にハイレベルなんだな……そういや、ブラックって曜術師としては等級は幾らぐらいなんだろう。二級は行ってそうだが。

「ん? どうしたのツカサ君」
「い、いや……お前は索敵しないのかと思って」
「僕がやらなくても、周囲に“生きてるなにか”が居ればロクショウ君が気付いてくれるだろうしね。まあでも、それは内緒にしておこう。色々聞かれるのは面倒だし……。僕達はいつでも術が使えるようにしておこうね」

 囁くように言われて、俺は頷いた。
 確かにロクの事は言わない方が良い。感応能力の事がヘタに広まって森のダハが狩り尽くされたら可哀想だし、何よりセインさん達に油断を生むだろうしな。
 それに、ロクはあくまでもモンスターとして周囲を見ているから、もし魔導機械みたいな生きてるのか死んでるのか解らない物が来たら、混乱するかもしれない。重要な機械を敵と間違えちゃう可能性もあるし。

 ……っていうか、そうか。曜具があるなら、曜術で動く機械人形とかいるのかも知れないよな……。やべえ、そんなんだったらどうしよう。
 機械に弓って、効かないよな。

「あの、ブラック」
「どうしたんだい?」
「この世界って、もしかして……自動で動く人形とかのモンスターいる?」

 俺の耳打ちに、ブラックは暫し考えたが――首を振った。
 ほっ、良かった。いないんだな。

「自分で動く人形はいないはずだけど……なんでそんな事訊くの?」
「いや、弓とか絶対効かなさそうだと思って」
「ははは、大丈夫だよ。そういうのが出てきても僕の敵じゃないから」
「そ、そう……?」

 何か自信アリアリだな。
 秘策でもあるのかな。まあ、この中年は桁違いの曜術ぶっぱなすんだから、場所さえ考えればザコは敵じゃないか……ってここそう言えば、ブラックの曜術的には不利な場所じゃね……?

「うわ……地下水道ぶっ壊したら大変なことになるし……」

 万が一天井に穴でもあけたら、汚水路が破損して降り注いでくる可能性もある。うわ、やばい。それは最悪すぎてちょっと想像したくない。
 ここはやはりセインさん達に近接攻撃をして貰って、俺達は後方支援に……。

「敵だ!!」
「先生後ろに!」

 ウワー!! 言ってる側からああああ!!

「坊主達は先生らを守って援護を頼む! フェイは背後を警戒してくれ!」
「了解!」

 金属を擦る音と共に、セインさんとエリーさんの腰の鞘から刃が引き抜かれる。その刃の切っ先が向けられた場所から、何か素早いものが飛び出した。

「くそっ! で、出たぞ、ミーレスラットだ!!」
「ちっくしょう、三体もいやがるッ」

 叫びながら、セインさんが飛び出してきたものを剣で弾き飛ばす。
 ラット。ラットだって!?

 思わず凝視した前方には、俺達の膝下ぐらいはあろうかという大きさのネズミがびたびたと地面でのたうっていた。
 灰色の毛に覆われた腹と手足は、ネズミそのもの。だが、その手足には鋭い爪があり、すぐに起き上った体と顔にはなにやら鎧のような物が付いていた。額から顎を守るように、甲虫の外殻のような銀色のプレートが引っ付いている。背にも小さなプレートが左右に三つ広がっており、まるで鎧のようになっていた。
 な、なんだあれ……鎧ネズミ……?
 そうだ、携帯百科事典には図鑑があったはず。雑草の袋の中に満ちる木の曜気を使って、俺は即座にミーレスラットの頁を開いた。


【ミーレスラット】
 別名「鎧ネズミ」、または「下水ネズミ」。
 ラッタディア地下水道、およびハーモニック共和国の洞窟に主に生息する。
 他国の山岳部の洞窟でも見られるが、目撃例は少ない。
 額から顎の部分と背部に銀の甲殻部を持つ巨大なネズミ。防御力は高い。
 獰猛な性格で、人間を見るや否や襲ってくる。肉食性で歯は鋭い。
 生息地が局地的であり南部に多くみられるも、その鎧を持つように進化した
 理由が解らない為、未だに研究が続けられている謎多きネズミである。
 甲殻部は鎧の材料になるため、素材として売ればそこそこの価値がある。
 肉は筋張って固いが食べられない事は無い。
 だが、多量に摂取すれば腹を下すので注意が必要。

 弱点は背部の鎧の隙間など。


「隙間など……って完全に近接人間へのアドバイスじゃん!! 俺にそんな隙間打てるわけねーよ!!」
「どっ、どうしたのツカサ君」
「あっ、いや、今図鑑見てたんだけど、弱点が鎧の隙間って書いてあってさ……でも、そんなこときっとセインさん達も知ってるよな」

 図鑑に気を取られている隙にも、セインさん達は三匹のミーレスラット相手に必死で戦っている。後方の俺達に攻撃が行かないようにしてるけど、流石に三匹となると上手く相手の弱点がつけないようで苦戦していた。
 どうしよう、どうにかして支援したいけど、俺の命中率の低い弓じゃあの素早いネズミは狙えない。

 何もできずに歯噛みする俺に、コータスさんとマグナを背後にして安閑あんかんと様子を見ていたブラックが、にっこりと笑ってアドバイスしてきた。

「そうだ、ツカサ君折角だから新しい技を使ってみよう」
「はぁ!? いきなりナニ!?」
「良いから良いから」

 そう言いながら俺の耳にこしょこしょ耳打ちしてくるブラック。
 話を聞くまでは何言ってるんだコイツと思っていたが、説明を聞くうちにやってみようという気になった。
 ダメでもともと、どうせならトライするのも悪くは無い。

 俺は雑草の種の袋から一掴みの種を取り出して、袋の中に残った種の曜気でグロウを発動させた。袋の中の種は幾つかが枯れてしまうが仕方がない。
 今は後ろに人がいるし、黒曜の使者の【創造】の力は使えないからな。

 種の僅かな曜気でも、スキルアップした俺のグロウは充分に発揮される。手の中で無数の草が発芽し、すぐさまその形を鋭い刃へと変えた。手に握っていられなくなったそれらを【フロート】で空中へバラバラに巻き上げると、俺は間髪入れずに補助呪文を唱え始める。

「葉の刃、全てを包み、三匹のネズミの腹を抉るように……」

 俺の周囲に【フロート】によって浮き上がった刃の切っ先が、一斉に標的の方を向く。人差し指で必死にネズミ達に照準を合わせようとする俺の横で、ブラックが鋭い声を放った。

「セインさん、エリーさん、ツカサ君が叫んだらすぐにしゃがんで下さい!」

 それが合図だ。
 振り返ったセインさんとエリーさんに声が聞こえたと見取って、俺は術を発動させる言葉を叫んだ。

「行けッ、【メッサー・ブラット】!!」

 叫んだ俺の声に屈む二人。
 その向こう側で一瞬怯んだネズミたちに向かって、一気に刃を射出する――!

「ギイッ!!」
「ギイッギィッ!!」

 直線でどっと流れ込んできた無数の刃に、ミーレスラットが泡を食って避けようとする。だが俺はそれを許さず、目標に突き付けた人差し指を逃げ惑うネズミ達に再び差し向けた。
 刹那、無数の刃が真っ直線から急なカーブで曲がり一匹のラットに降り注ぐ。

「ギィイイイ!!」

 鋭い刃はミーレスラットの体に勢い良く飛びこんで行く。
 何枚かの刃は鎧に弾き返されたが、それでも無数の葉の刃は防ぎきれない。
 ラットの背部の鎧の隙間に深く突き刺さり、敵はあっけなく絶命した。

「すっ、すげえ……! あの固いネズミを一発で……」
「ギッ! ギギッ!」
「ギャーッ、ギャーッ!!」

 残ったミーレスラット二匹は俺の技に物凄くビビッたのか、妙な声を上げて逃げ出してしまった。なんか一匹サイレンみたいな悲鳴あげてたけど、なにあれ怖い。
 屈んでいたセインさん達はすぐに逃走したネズミを追いかけたが、しかし深追いが出来なかったのか悔しそうな顔で戻ってきた。

「畜生、逃がした!」
「この場所じゃ追いかけて潰すってのも無理だね……離れたらアタシらが危ない」

 血を振り払い剣を収める二人に、ようやく戦闘が終わったんだと感じて俺はホッとした。なんとか無事に済んだみたいだな。
 でも、前衛で戦っていたセインさんとエリーさんは、ラットの攻撃を受けて所々に傷を作っている。前衛だから仕方ないけど、でも俺達を守る為に戦ってくれたんだから申し訳ない。
 二人に回復薬を二瓶ずつ渡すと、すぐに飲んで回復してくれた。
 もちろん傷も全快。やっぱり俺の回復薬は効きが違うらしい。
 ふふふ、解ってたけどニヤっとするぜ。

「それにしても坊主、さっきのメッサー・ブラットって技は凄かったな」
「そ、そう? 本当はあの技、無数の刃を使う場合は無差別全体攻撃になってたんだけど、ブラックに『フロートの技術も上がってるはず、術で射出した後も操ってみろ』って言われてやって見たんだ。そしたらあんな風に」

 そう。さっき俺が耳打ちされたのは、フロートを持続させて刃を自分の望む方向へ押し出す方法。つまるところ追尾機能のイメージを付加したメッサー・ブラットを使って見てはどうかという提案だった。

 出来るかどうかは不安だったけど、グロウがあんなにスキルアップしてたんだし、出来ない事は無いと信じてやって見たら一発で出来ちまったよ。
 あれ、俺ってばやっぱり凄くね? これってもしかしてチートって奴?
 うーむでもしかし、一体しか攻撃出来なかったしなあ……。

 悶々と悩むが、そんな事はエリーさん達には関係なかったらしい。
 二人は快活な笑顔で笑うと、俺の肩をがっしりと掴んで来た。

「教えてもらって一発で出来たのかいっ、この回復薬と言いアンタ本当凄いよ! これなら、師匠のブラックさんも相当強いんだろうね。中枢部にまで到達するってのにも希望が持てて来たよ」
「おう、そうだそうだ! 坊主、これからもよろしく頼むぜ」

 ひ、ひぃ。筋骨隆々の腕に肩を組まれると怖いけど、頼りにされて嬉しいです。
 周囲を見ると、ブラックもコータスさんもフェイさんも、みんな俺を見て微笑んでいた。やだ、俺ってば人気者? 照れるからそんなに微笑まないで下さい。
 思わず浮かれちゃうけど、気は引き締めて行かないとな……。

「とりあえず……あのネズミは焼却処分しておこうか。血の臭いを他のモンスターが嗅ぎつけて来たら厄介だし」

 そう言いつつミーレスラットに近付くブラックに、俺は慌てて待ったをかける。

「ちょっ、ちょい待ち! そいつの甲殻部、そこそこ良い値段で売れるんだよ! 剥いでからッ、素材を剥いでから!」
「えー。ツカサ君、戦闘慣れしてきたらえらく守銭奴になって来たね。まあそこも可愛いけど……」
「守銭奴なんとちゃうわい! 薬を作るにも金が要るの!」

 そう言いつつ、ナイフで少し肉との浮きを作って、思いっきり甲殻部を剥がす。
 モンスターから部位を剥ぐって結構エグいけど、何度も戦闘してその内の何度かはモンスターを食料にしてるんだ。今更なので吐き気は無い。

 自己満足だけど、戦闘で殺した以上は、出来るだけ自分の糧にして殺した意味ってのを作ってやりたいしな。
 バキバキ剥いで、背部を覆っていた銀の甲殻プレート六枚と、顔の部分のプレート二枚を手に入れる。血と皮を取って良く洗うと、俺は戦利品をスクナビ・ナッツへと収納した。
 プレートはかなり軽かったけど、持ち歩くとなると嵩張るからな。

 後はブラックにフレイムを使って貰い、残らず焼却して頂く。それを手を合わせて眺めていると、後ろから不意に声を掛けられた。

「お前……その道具」
「え?」

 振り返った先に居たのは、ちょっと耳の尖ったいけ好かない美青年。
 何事かと白い顔を見上げると、相手は一瞬間を置いたが、何でもないと顔を逸らしてそれ以降黙りこくってしまった。なにこいつ。
 道具って言ってたけど、スクナビ・ナッツの事かな。まあスクナビ・ナッツを作ったのは金の曜術師だし、マグナがナッツをみて反応するのも不思議はないか。

「みんなもういいかい? じゃあ、探索を続けようか」

 再びコータスさんが糸を持って戦闘へ戻る。
 色々と思う所は有ったが、俺達は元の隊列に戻って探索を再開した。

 また静かな地下水道を延々と歩く作業になる。
 先程の戦闘で興奮しきっていた戦闘要員の俺達も、数時間静かな時が続くと段々と興奮も薄れて行った。
 数時間つっても体感での事だから、本当は数分とかなのかもしれないけど。
 でも、それを確かめるすべはない。

 地下にずっといると、時間の感覚が無くなっていくんだ。
 なんたってここは、照明だけが周囲を照らす光源が変わらない世界。太陽も月もない、もっと言えば大地の命である気の光すら現れないこの場所では、いつが夜でいつが朝なのかもう半ば解らなくなっていた。

 このままずっとここにいるとなったら、気が狂いそうだな……。
 今回は専門家が居るから迷う心配はないけど……でも、不安は消えない。

「なあブラック」
「なに、ツカサ君」
「帰る時に糸が途中で誰かに切られてたりしたらどうする?」
「そりゃ、まあ、水路の流れる方向に行くしかないんじゃないかい? 歩いている内に絶対にどこかの出口に辿り着くとは思うけど」
「あ、そっか……ここ別に完全に外の世界と隔絶された場所じゃないもんな」

 いざとなったら天井をぶっこわして脱出も可能か。
 じゃあ遭難を怖がる必要はないか。これが普通の冒険者とかだったら絶望モノだが、俺にはロクがついてるし何より忌々しいが役に立つ能力が有る。
 それにまあ、ブラックがいてくれたら……どうにかなりそうだし。

 なんて事を思いつつ、気付かれないようにちらりとブラックの横顔を見る。
 緊張感の欠片もない安穏とした表情は、普段はムカツク顔だけど、今となっては頼もしく見えた。悔しいけど、やっぱこいつは凄い。
 こんな風な場所でなら、素直にそう思えるんだけどな……はあ。

「キュッ」
「ん? どうした、ロク」
「キュゥウ……キュー? キュー……」

 何だろう。前方を見て、首を傾げつつ慄いている。
 正体不明でなんだか気味の悪いものがある……ってことかな?

 何が有るんだろう、と、前方を見て――――俺は、思いっきり鳥肌を立てた。

「クソッ、また敵かよ!!」
「先生達はまた下がって!」

 先程と同じようにコータスさん達が俺達の後ろへとやってくる。
 だが、俺はその二人を隠すように動く事は出来なかった。
 だって、だって、今度の敵があまりにも関わりたくないものだったんだもの。
 俺とロクが慄く先にいた、二匹の蠢くそれは。

「あれ、は……」
「す、す……スライムだああ……!」

 不定形で定まりのない、にちゃにちゃとした音を立てながら近づいて来る半透明の不思議な生物。ゲームではもうお馴染みの、アレ。
 だけど、スライムってのは実物を見るとめちゃくちゃ気持ち悪い。
 この世界のスライムは、半透明のゼリーの中に赤い光る球体があるだけのもの。そんな生物がぐねぐねと動いてる。だけど赤い球体は眼球の様にこちらを凝視していて、モンスターと言うよりも奇怪な宇宙生物のようだった。
 スライムがこんな気味が悪い物だったなんて……。

 つーか、あいつと戦うってかなりハードル高くない!?
 は? 世の中の主人公アレと普通に戦えるって強すぎない?!

 誰だよ、スライムを序盤の低レベルな敵に設定した奴はー!!












※スライムといえば異種姦。次回は微エロなので20時ごろ更新です。
 あと二日目まだ終わってないので道具確認は後程
  
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