異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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パルティア島、表裏一体寸歩不離編

18.シーポート炭鉱窟―巣窟―*

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 とにかくまずは兵士達の警戒を解く所からだな。
 いくら俺をバカにしてるとは言え、相手は兵士なんだからちっとやそっと優しくしたくらいじゃ気を許してくれないだろう。
 二日ぐらいじゃいいとこ行って親しい付き合い程度だろうし、獣人達を解放する呪文なんか夢のまた夢だ。シアンさんの遣いが来る前になんとかしたいが……。

「うーん……どうすりゃいいかなあ」

 小屋を出て、とりあえず管理棟に戻ろうかとすると。

「なあなあ、アンタあいつらの看護しに来たんだって?」
「クラレット様に頼まれたのか?」

 炭鉱の入り口を守っていた兵士達が、職務を離れて近寄って来た。
 アンタら仕事はいいんですかと言いたかったが、向こうから話しかけて来たのなら好都合だ。ちょっとはこっちに興味持ってるって事だもんな。
 気楽そうに話しかけて来たなら、こっちも気が楽だ。よっしゃ、俺の男子限定のコミュ力の高さ見せつけてやるぜ。

「あ、初めまして、クグルギって言いますー。クラレット様っていうか、俺はザイアンさんに頼まれまして」

 そう言うと、兵士の一人が思わしげな顔をして「あー」と声を漏らした。

「なるほどなあ、おかしいと思ったんだよ。あいつらなんて一週間も放って置きゃ傷が治るのに、看護なんてさあ。ザイアンさんなら納得だわ」
「あのヒゲ本当心配性だもんなー。わざわざキミみたいな子を雇って慰労いろうってか? 本当面倒だよなー?」

 とか言いつつ、兵士の一人がなれなれしく肩を組んでくる。
 うわー、これはかなり面倒くさそうな相手だぞー。

「い、いやー……でも、皆さんも大変ですよねー? こんな辺鄙へんぴな場所でずーっと警備してないといけないなんて……」
「解ってくれるー!? いやそうなんだよなあ……アスカー州って本当ド田舎だし荒野だし老人ばっかでよー」

 ぎゃー、愚痴まで始まったわい。生々しい。
 だが笑顔を絶やす事は出来ず、俺はホステスさんよろしくニコニコと相槌あいづちを打ちながら二人の話を聞くしかなかった。

 獣人達を小ばかにしたり、ザイアンさんも下に見られてたりと、決して聞いてて気持ちの良い話じゃなかったけど、聞き流して忘れるだけなんだから英語の教材より簡単だ。我慢だ我慢。これも作戦の内。
 やがて、愚痴を全部吐き出してスッキリしたのか、兵士達は馴れ馴れしい態度を悪化させてきた。よーし警戒心解けたなこんちくしょう。

「ところでキミ、名前は?」
「えーっと、クグルギって呼んでください。それより、スゴイっすよね炭鉱の採掘とか……俺こういう所見た事ないから、びっくりですよー」
「おっ、そうかい?」
「炭鉱って事は、石炭とか採掘してるんスよね?」
「ああ、昔はな。でも石炭なんざ今じゃ蒸気船とか蒸気機関の燃料にしかなんねーだろ? あんな時代遅れなモンに使う燃料なんか掘ったってなあ」

 上手く食いついて来たな。よし、バカを装って根掘り葉掘り聞いてみるぞ。
 俺は出来るだけ可愛い子ぶりながら、兵士達に媚を売りつつ話を聞く。

 ああこの世界に知り合いが居なくて良かった。
 こんなん友達に見られてたら死ぬ。

「えー、でも、ここの持ち主のクラレット様は大金持ちだし、ケッコー儲かってるんじゃないんですかぁー?」
「違う違う。実はな……ここでは、石炭なんてメじゃないモンを採掘してんだよ。だから、本当は石炭で儲かってんじゃねーんだ」
「え……」
「そうそう。だからクラレット様は俺達を雇って、ここを警備させてるって訳だ。ま、素人にゃまず扱えないモンだから、おこぼれには預かれねーが……いい給料を貰ってるからそこはな」

 石炭なんてメじゃない物。って事は違う鉱石が採掘されたのか?
 毒ガス事故が有ったって言うけど……いや、なんか引っかかるな。
 どこかで似たような事を聞いた気がするんだけど……。

「それよりクグルギちゃん」
「えっ、あ。はい?」
「炭鉱の中、みたくねーか?」
「わー、みたーい! いいんですか?」
「俺達は今日ここを任されてっからな。へへ……案内してやっても良いぜ」

 おお、なんかトントン拍子に話が進むな。丁度金毛の猿達の具合も見たかったし、案内してくれるって言うならそれに乗らない手はない。
 俺は快諾すると、早速兵士一人と一緒に薄暗い炭鉱に入る事にした。

 にしても、こいつら本当職務を舐めてんな。俺を案内するのはどっちかで揉めてジャンケンするとは。どんだけサボりたいんだ。まあいいけど。

「あの、ザイアンさんに頼まれてて、出来れば炭鉱の中に居る三人の人達も具合を見ておきたいんですが……」

 隣でカンテラを掲げながら歩く兵士を窺うと、相手は半笑いで肩をすくめる。

「やめた方がいいぜー。あいつらが居るのは最奥だし、しかもそこは毒ガスが出るかもしれん。君は一応客人扱いだろうし、危険な所には連れていけねーよ。まあ、採掘できるヤツならもうちょっと奥でも見れっから」
「はあ……じゃあ、そこまでお願いします」

 仕方ない、残りの三人は戻ってきてから治療するか。
 でも、採掘できるヤツがすぐ近くにあるってどういう事なんだろう。
 そんなに簡単に採れる物なら、奥まで掘る意味があるのか?
 簡単に見れる程度の物は原石が小さいとか、そういう理由なんだろうか。

 悩みながらどんどん進む内に外の光が遠くなっていく。やがて、炭鉱はカンテラの明かりのみが照らす空間になってしまった。

 トンネルとは違い、人の手で荒々しく掘り進められた道は、カンテラの明かりでいびつな影を作っていてなんとも恐ろしい。
 ちょっと怖くなって周囲を見回していると、不意に兵士が止まった。

「おう、あったあった。ほら、あすこの天井の所みてみな」
「え? 天井……?」

 いや、見えねーんすけど。
 と言うか何の鉱石を採掘してるか解らないから、原石と岩の見分けがつかない。困り果てる俺を余所に、兵士は笑っているようで後ろから喉を鳴らす声がした。
 無意識に耳をそばだてていると、カンテラを置く音がして。

「見えないか? じゃあ、見せてやんよ。ほらっ」
「うわあっ!?」

 いきなり腰を掴まれて、俺は思い切り体を上へと引き上げられた。
 うわああこれ高い高いやんけ!

「ちょ、あ、あの!」
「真上だ、ほれ、カンテラの明かりにうっすら光ってるのがあるだろ」
「えっ、え?」

 光っている場所、どこだろう。
 持ち上げられたまま天井を探っていると、目の前にちかっと光る何かが見えた。何だろう、と手を伸ばすと。

「ひっ」

 指の先から感じるぞわっとした感覚に、俺は反射的に手を引っ込めた。

 な、なんだこの岩。滅茶苦茶気持ち悪い!
 体中から何かを引っ張られるような嫌な感覚がする。
 まさかこれを採掘してるってのか?

「あの、兵士さ……」

 ん、と言おうとして、俺はなんだかぞわぞわした本当の理由を知った。

「おう、見えたか?」

 多分さっきのは鉱石のせいじゃない。
 俺がぞわぞわした原因は、下卑た笑いで俺を持ち上げている兵士……の、手が、俺の腰から足の付け根までを思いっきり指でまさぐっていたからだ。
 おいてめぇ、セクハラか。セクハラしてんのか。

「…………あの……」
「おっ、見えたか? そこにあるのがな、原石なんだと。俺達には光る石炭にしか見えねえけど、加工すればすげえ金になるらしい」
「そ、そうなんですか~。でもあの、もう大丈夫なので降ろして下さい」

 あからさまに残念そうな顔すんじゃねーこのすけべ!
 あれか、鉱山でずーっと警備してるから性欲が溜まってんのか。俺でも良いからホイホイ食っちまおう的なアレなのか。冗談じゃないぞまったく。

 でも怒ったら怒ったでまた好感度が下がりそうだったので、俺は笑顔でいなして鉱山から出た。穏便に穏便に。

 結果的には有益な情報を持ち出せたし、セクハラされたのもまあいい。
 クラレットはどうやら石炭よりもワリのいい鉱石を見つけたんだな。でも、一体何の鉱石なんだろう……。名前や実物が解らないと調べようがないな。
 石炭みたいっていう事は、黒い石なんだろうけど……黒い宝石ってないしな。

 ひとまず管理棟に戻ろう。
 俺は兵士達と別れて、ザイアンさんが待っている管理棟へ戻り、管理室の兵士……ハイオンという責任者らしいが、その責任者とザイアンさんに報告をした。

 ザイアンさんは俺が治療した事を聞くとほっとした様子だったが、責任者のハイオンは思い切り渋い顔をしていた。俺の「まだ三日ぐらいは安静にすべき」という助言に不満を覚えたらしい。

 でも俺とザイアンさんの説得で、渋々責任者のハイオンは了承した。
 よーし、これでひとまず小屋の中の獣人達は無事になる。
 安堵して胸を撫で下ろす俺だったが。

「ところでクグルギ君、先程言った兵士達への慰労だがね」

 そのハイオンの言葉に、また心臓を飛び上がらせずにはいられなかった。
 いっ、慰労!? そんなの頼まれましたっけ!
 思わず聞き返そうとするが、そんな間もなくハイオンは笑いながら喋り続ける。

「いやなに、君は料理が得意と聞いたものでな、それを彼らに振る舞ってくれればいいのだよ。ああそうそう、その味気ない恰好では彼らも癒されないと思うから、これに着替えてから配給をしてくれ」

 矢継ぎ早にまくしたてられて、ハイオンがクローゼットから服を取り出す。
 お待ち下さいと言う暇もなく渡されたその服を広げて、俺とザイアンさんは猫のように毛を逆立てて目を丸くした。

 お、お、おい、これって……これって……ナース服じゃねえかあああああ!!
 しかも昔の奴! ドレスみたいな奴!!

 わあ青の縦ストライプなドレスにフリルのエプロンは素敵ですねーって俺が着るもんじゃねえだろ俺どっからどう見ても男だろてめえええええ。

「こ、これ……」
「あ、あの、ハイオンさん……この服は……ご趣味ですか…?」

 冷や汗だらだらで俺の代わりに問いかけてくれるザイアンさんに、ハイオンはフンと鼻を鳴らしてさも真面目な事のように言い放つ。

「私が着るものか。それは宅配娼……ゲフンゲフン、とにかくそれを着て兵士達に奉仕するように」
「そ、そんな! 彼はただ手当てをしに来ただけで……」
「私に逆らうのか? クラレット様への定期報告を、どのような内容にしても構わないと言うのであれば……要望を聞こうではないか」
「う……」

 思わず俺をみるザイアンさんに、俺は大丈夫だと笑って頷いた。
 しゃーない。療養所の所長と言えど、ザイアンさんはここではただの外様大名なのだ。ここでの権力などない。こうなった以上腹をくくらねば……。
 ニヤニヤして俺を見るハイオンはムカつくが、情報収集の為にも耐えるんだ俺。まあこの服は幸い裾が長いし、あんまり恥ずかしくは無い……はず。

「あ、ズボンは脱ぐんだぞ、クグルギ君」
「…………」

 ノーパンじゃないだけ、いいんだろうか。
 色々と考えつつ、俺はとにかく着替える事にした。勿論、人の目の無い場所で。







「お、お食事でーす……」
「まってたよクグルギちゃーん!」
「来た来た、慰労バンザイだ」

 食事の乗ったワゴンを引きつつドアを開けると、狭い部屋の中で男達がまたもや騒ぐ。ああもう本当嫌だ。

 足がすーすーする。スカートって生足だと素肌が擦れ合ってすげー気持ち悪い。風呂からあがった後の素っ裸は生足でも気にならないのに、なんでだろうな。
 いや、そんな事を言っている場合じゃないか。

 とにかく本当に辟易へきえきする。
 どうして俺がこんなコスプレをして食事を運ばなきゃならないんだろう。それを言うと、そもそもこんな奴らの為に食事を作るなんて、って事になるのだが、今となっては食事よりもこっちの方が問題だ。

「クグルギちゃん、早く早く」
「ど、どうぞ……」

 香草で香り付けしたありきたりなスープに、穀物パンのサンドイッチ。
 質素な食事をテーブルに置くが、兵士達は別段怒る訳でもない。

 それより俺の格好が気になっているのか、二人の兵士は上から下まで舐めるようにじろじろ見て来やがる。これで「ああ笑うがいいさ」と言えればいいんだけど、事態はもっと深刻だ。

 ここの兵士達も他の部屋の奴らみたいな事をするのだろうかと思うと、もう作り笑いも硬くなるばかりだった。

「クグルギちゃんって言うんだよね、君」
「可愛いね~。本当、君みたいな子は珍しいよ」

 今日は飽きるほど見た下卑げびた笑いが、またもや近寄ってくる。
 兵士達全員がこの調子だともう溜息も出なくて、俺はぎこちない笑顔で何をされるのか解らない振りをした。

「またまた~、俺は男ですよー? 可愛いとかないでしょ」
「変な事言うね、男でも女でも可愛い子は可愛いじゃない」
「そうだよ、女も男も可愛けりゃ服なんてどっちでもいいのさ」

 そう言いつつ、一人の兵士が俺のスカートをめくった。
 すると冷たい空気がスカートの中に入って来て、生足だった俺は思わず足を擦り合わせてしまう。兵士はそんな俺の姿を愉しそうに観察すると、スカートの中に手を突っ込んで来た。

「ちょっ……あ、あの、待って、俺は食事を届けに……」
「解ってる解ってる、でもハイオンさんが慰労って言ったんだろ? じゃあ、このくらいはさせてくんねーとなあ」
「おいお前、ずるいぞ! なあクグルギ君、俺にも見せてくれよ。ほら……自分でスカートたくし上げて」
「…………わかり、ました……ちょっとだけですよ」

 ああ、この台詞何度目かなあ。
 部屋四つ回って全部これだよ。でもここが最後だ。しょうがない。
 俺は未だに慣れない手つきでスカートを掴むと、足だけしか見えないぎりぎりの所まで裾を引き上げた。そうすれば相手が満足すると言うのは、もう解っている。だけど、何度やっても慣れなくて、俺は唇を噛んだ。

「やっぱ木の曜術師ってのは閉じこもってるだけあって肌も滑らかだなあ」
「傷一つないよな」

 そう言いつつ、二つの手がそれぞれに俺の足を撫でる。
 ふくらはぎを指で突いている手は、やがて太腿まで上がって行き、足の形を確かめるように何度も何度も上下する。
 覚悟していてもその刺激は耐え難くて、たくし上げたスカートの下ギリギリまで手が上がって来ると、ビクリと震えてしまう。

 そんな事をすれば相手が調子に乗ると解っているのに、知らない人間にそんな事をされていると思うと、どうしても過敏にならずにはいられなかった。
 当然、兵士達はそんな俺の反応が面白いようで。

「あぁ……久しぶりに一発ヤりてぇなあ……」
「お前本当に娼姫じゃないのか? なあ、小遣い欲しくないか、クグルギ君」
「っ……べ、別に……だい、じょうぶ……です……」

 誰がお前ら悪人なんかとヤるか。ブラックの相手だけで精一杯だっつーのに。
 くそっ、情報収集のためだから怒るに怒れない……。

「顔真っ赤で可愛いぜ~、クグルギちゃん」
「ちぇっ、下着穿いてんのかよ……今度来る時はコレ、はずしといてな」
「~~……っ」

 スカートの中に隠れている下着を、指がくいっと引っ張る。
 その拍子に少し内側で擦れて、俺は思いっきり歯を噛み締めた。
 顔が真っ赤なのは認める。もうしょうがない。だけど、そのせいか目の奥まで熱くなってきて、堪えていないと目から何か零れそうだった。

 悲しいとか怖いとかじゃなくて、恥ずかしい。
 ブラックにされる恥ずかしい事とは違う、一生後に残りそうな嫌な恥かしさが俺を苛んでいる。あいつがするような事と同じ事をされているのに、どうしてか嫌で嫌でたまらなかった。

「も……もう、いいですか……」
「待て待って、どうせもう帰るんでしょ? じゃあ……」
「ひぁっ!? やっ、ちょ、ま、まってやだっ、頭入れるなぁっ!」

 スカートを手放して兵士の頭を退けようとするが、相手は強引に足の間へ入ってくる。避けようとしたけど足を掴まれていて動けず、内股に感じる相手の短い髪の毛の感触に、俺は思い切り悲鳴を上げてしまった。

「明日も来るんだろう? じゃあ、続きは明日だ……」

 内股の付け根に吸い付かれて、思わずビクつく。
 ちょっと待て、これ、あんたなんてことを……!

「し、失礼します……ッ」

 足を掴んでいた手が緩んだ瞬間に身を引いた俺は、慌ててそう言うとさっさとその場を逃げ出した。もうこれ以上は無理、無理!
 走って逃げ帰りながら、右足の内腿に残るじんじんとした感触に顔を歪める。

 ああ、どうしよう……コレ、ブラックに見られたら絶対ダメなやつじゃん……。
 っていうか、あの兵士殺す、マジで殺す!!
 なんでこんな事されなくちゃなんねーんだよ、バカか!
 こういう事はエロ漫画でだけやれっつーんだよ!!

「ううううう……もうやだ、もう絶対帰るぅうう」

 でもその前に、やっておかなきゃいけない事が有るんだよなあ……。
 どうにかして、またクロワッサン(仮)と会わなくちゃならない。
 ちょっと抜け出せば大丈夫だと思うけど……明日どうしよう。獣人達を解放する方法もまだ考えてないし、時間も無いし……ああ、もう、頭がパンクしそうだ。

「と、とにかく早くコレ着替えよ……」

 スカートを一生懸命引っ張りながら、俺は涙目で管理室へと向かったのだった。










 
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