異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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遠日幻望ユグドラシル、崩壊兆す瀑流の寇盗編

18.ガラスの割れる音は雷鳴に等しい

 
 
「さて、ツカサ君の臀部の柔らかさも把握できましたし、このくらいでいいでしょう」

 ブラックの頭を抱え込んだような状態のままぐったりしていると、背後でずるずると何かが引きずられるような音がした。
 ずるずる……これは、蔓の音、だろうか。

 どうやら、ちゃんと言ったことは守ってくれるらしい。
 それは良いんだけど……駄目だ、なにも考えらんない……。

「んん~……ツカサ君のおちんちん、ほんと美味しいなぁ~」
「んい゛ぃっ!? も゛っや゛、ぃ、い゛ま吸わにゃいれ゛……っ!」

 おっ、音鳴ってる゛っ、ぢゅるぢゅる言わせるのやめてぇっ!
 いやだ、い、いあっ、あぁあ……いま敏感になってるのにぃい……!

「中年は気持ち悪いほどねちっこいと聞いていましたが、荒れは噂通りだったんですねえ。いやあ、やはり体験学習という物は有意義で勉強になる」
「バカにしてんのかテメー」
「喋るのもやだぁあっ!」

 おちんちんに響く、おなかまでビリビリして体が震えるのを抑えられない。
 だめ、また頭おかしくなるっ、お願いだから許して、口から離して……っ。

 もう滑り落ちても良いからとブラックの頭を両手で押して離れようとするんだけど、俺を掴んだブラックの両手は全然動かない。
 いっそ叩こうかとも思ったけど、そうしたら振動が来るか想像するのも恐ろしい事になりそうで、ブラックを強く拒否できない。

 そんな俺達を横からアドニスが覗き込んできた。

「おやおや、そんな風にオスを煽る色狂いのメスみたいな顔をしては、もっといじめてくれと言っているようなものでしょうに。やめて貰えないのは君のせいですよ?」
「ちがっ、そ……そんなのぉ……っ」
「ほら。陰茎を吸われるたびに、腰をくねらせて誘っているじゃないですか。ツカサ君は本当にオスに触れられて、辱められるのが大好きなんですねえ」
「う゛うぅう……」

 大好きなワケあるかあ!!

 ブチ切れ気味にそう叫びたいけど、ブラックに吸われてる刺激が強すぎて、もう威嚇の為に唸ることしか出来ない。
 アドニスは鬼畜だ、鬼畜眼鏡だチクショウ。

「ぷはっ。んもー、ツカサ君たらすぐ泣いちゃうんだから可愛いなぁっ。ちょっと恥ずかしくなったらすぐに泣いちゃうんだから……んふふ……もうやめてほしい?」

 やっとおちんちんからブラックが口を離して、上目遣いで訊いてくる。
 必死に頷くと、相手はようやく俺を降ろしてくれた。

「んんっ」

 お尻に草の感触が伝わってきて、体がぞくっとする。
 体中が敏感になってて、何かに少し触れるだけでも反応してしまう……うう、なんでこう俺は変にビクビクしちまうんだよ……。

「半ズボンからおちんちんだけ出てるの凄くいやらしくて興奮するなぁ」
「愛玩用の性奴隷みたいでそそりますね。こういう服を作っても良いかも知れない」
「じゃあ半ズボンの尻の所は開いてるのが良いな。いつでも挿入したり弄れるようにしてくれたら脱がす手間も省けるし」
「何言ってんだお前らはぁあああああ」

 ひ、人のことを見てとんでもないこと色々言いやがって……っ。
 もうしまうからな。絶対触らせないんだからな!!

「ああん、ツカサ君たら意地悪ぅ」
「その言葉そっくりそのまま返す!!」
「ご機嫌斜めですねえ。もしかしてまだ陰茎を愛撫してほしかったんですか?」
「ちげええええわバカー!! もう触るなっ今日は触るな! また変なことしたら本気で怒るからな!?」

 ふざけんなと叫ぶが、オッサンどもはどこ吹く風だ。
 ううう……お、俺は、パンツの中に収め直してもジンジンしてて股間がおかしい感じがしてるのに、何でコイツらは逆にツヤツヤしてんだよ。

 俺が恥ずかしい事をされてると逆に活発になるって、敵かお前らは。

 もう我慢ならん、好き勝手しやがって……二度と触らせんからな。

 俺は立ち上が……ろうとしたけど腰がふにゃふにゃで無理だったので、アドニスの手に握られていた蔓を奪い取ると、四つん這いで俺は前に進んだ。

「うぐぐ……足が震えて立てん……」
「あ~……今すぐ犯したいなぁ」
「怒るくせに誘うような動きをするのが悪質ですよねえ」
「いやほんとそれ」

 なにがホントそれだ。足腰が立ったら覚えてろよこの。
 俺は背後の人でなし二人の会話に血管を浮かせつつも前方を見た。

 ……巨大な穴の向こう側には、先程見た特徴的な野草が一本生えている。
 その奥の方には、藪の中から太い枝が付き出していて、ロープさえあればあそこに引っ掛けてなんとか渡れそうだった。

 とはいえ、この状況であの枝に引っ掛けられるだろうか。
 足に力が入らなくて、まったく踏ん張れないし……とか思っていると、ブラックが俺の横から蔓をひょいっと取って、難なく枝に引っ掛けてしまった。

「ツカサ君の足腰を立たなくしちゃったのは僕だし、手伝ってあげるね」

 そんなことを言いつつヒョイヒョイとロープを引っ掛け、枝に数本の蔓をしっかり渡らせると、編み込んで背後の適当な木に全てのロープの端を結んだ。

「これは……」
「えへへ。これくらい縄を太くしておけば、ツカサ君も怖がらずに渡れるでしょ? 枝の感じからして僕じゃ渡れないけど、ツカサ君なら充分に行けると思うよ」

 自信満々でそう言いながら、ブラックは屈託ない笑みで俺に笑いかけた。
 先ほどのスケベ顔はどこへやらって感じの、キラキラした菫色の瞳と、無精髭すらも気にならなくなってしまうような、人懐っこい笑顔で。

「う……あ……」

 だ、だから、そういうのがズルいんだってば……っ。
 そんな顔をしたって俺は別に……ぐ……静まれ、ドキドキするな俺の心臓っ。
 くそう、これだからブラックはズルいんだよ、一々イケメンを振りかざしやがって。も、もう良い、こうなったらさっさと採取してしまおう。

「あ……ありがと……!」

 俺はぶっきらぼうに言い捨てると、這う這うの体でピンと張った太い蔓のロープに手を伸ばし、えっちらおっちら穴の向こう側に移動し始めた。
 うぐぐ、枝が俺の体重でしなるから不安定だけど……でも、安定感はあるぞ。

 俺のこの足腰ガクガク状態では、蔓一本だけじゃ確かに落ちちゃったかも。

 …………俺に色々ご無体を働く癖に、こういうのはハズさないんだから。
 だから、怒れないのが……なんか悔しい……。

 でも、昨日からもうずっと好き勝手されてるんだから許さないんだからな。
 罰としておやつ抜きだ、えっちもお預けなんだからな!!

「ん、んん……もう、ちょっと……」

 怒りながら太くなった蔓ロープの上を這って移動すると、さほど苦も無く穴の向こう側に辿り着くことが出来た。ジャンプして越えるのは無理な穴だけど、直径としては巨大と言うほどでもなかったのかな?

 まあ、この温室は広いみたいだけど、走り回っても壁にぶつからないってレベルでは無いみたいだし、アドニスもやっぱり考えて穴を掘ってたんだろうか。
 ……いや、やっぱこの落とし穴わざとだよな。

 アイツ、さらっと嘘吐きやがって……。

「ツカサ君、油断しちゃだめだよ~」
「わ、分かってる、って……よい、しょっ……っと……」

 枝が弓なりにしなってくれていたお蔭で、着地もそれほどつらくなかった。
 ま、まあ、地面に足を付けたらじんじんしてる下半身全体に衝撃がいって、思わず声も出ずに蹲ってしまったが……少し休めばなんとかなるだろう。

 さっきの後遺症に悩まされつつ、俺は目的の植物に近付いた。

「……ホントにポツンと植わってるんだよなぁ」

 まるでカスミソウみたいに、細くてふわふわした葉っぱが伸びた野草。遠くから見ると緑の綿のような見た目だけど、これが普通に植物と言うんだから不思議だ。
 相変わらず葉の色は普通で、危険物のようなニオイや周囲を枯らすような毒も無いように思える。ここまではさっきと一緒だな。

 だとすると……【クレノボ】と【ドゥーシェ】を見分ける「簡単な方法」は、他にある。

 そういえば、日本じゃ最近「スイレンとニラをちゃんと見分けて!」なんて話題が色々な所で挙がっていた気がするな。
 アレは一見すると葉っぱの見分けがつかないって話で、花が咲いていないスイレンをニラと見分ける方法は、確か……。

「ニオイ、だったよな」

 そう。
 ニラは、近付くだけでもニラの匂いがする時があるが、スイレンにはそれがない。
 葉っぱを折ってみればそれは顕著な物になる。

 見た目でハッキリわかる場合もあるそうだが、野生に生えているスイレンだと個体の違いもあるって話だし……だから、見分けるにはニオイを確かめるのが良いって話だったそうで。……婆ちゃんの田舎で、おじさん達の畑の収穫を手伝ったりもする俺なので、ちょっとそういうのは気になって覚えていたのだ。

 婆ちゃんも山で野草を採ってきたりするし、ちょっと心配だったんだよな。
 だから、もし仮に「俺でも分かる簡単な見分け方」がニオイだとすれば……。

「…………」

 念のためハンカチ代わりの布を折って厚くし、手に触れないようにしつつ、葉っぱの先端部分を一つだけ、ぷちっと摘んでみる。
 これだけでは大したニオイはわからない。なので俺は軽く揉んでみる事にした。
 すると。

「あっ……これ嗅いだことある……!」

 【クレノボ】は、言ってみればハーブの一種だ。
 ほんのりと婆ちゃんの家のタンスの中みたいな独特の香りに、甘さが混ざっている、生薬っぽさが強い独特な香り。これは、【ヘカテクライオ】の街で食べさせて貰った、あの川イカ……いや、ピセ・カトルセピアにトマトと肉を詰めて川貝のダシで煮込んだ美味しいスープの隠し味だったんだよな。

 ニンニクっぽい物と一緒に油漬けされてたから香りは弱くなってたけど、確か魚介の臭み消しみたいな感じで使われていた記憶がある。
 じゃあもしかしてこれが【クレノボ】か……?

「ツカサ君、君に挙げたルーペを使って見なさい」
「え?」

 振り返ると、アドニスが薄い笑みを浮かべながら俺を見ている。
 ルーペって……朝俺に貸してくれた、あの豪華な虫眼鏡か?

「その葉っぱを鏡面部分に擦りつけて見なさい」
「う、うん……」

 確かあのルーペは、特定の成分を持つ植物を探す時に役立つんだよな。
 でも、今使えるもんなんだろうか。まあやってみるけども。
 そう思いつつ俺はルーペを取り出し、ちょっと抵抗感があるが葉っぱを切った断面を、ルーペの鏡の部分にこすり付けてみる。すると――

「わっ……!?」

 ルーペの頂点部分に嵌めこまれていた緑色の宝石が光り、鏡面が緑に染まる。
 これはどういう事だと再度アドニスを見ると、相手は笑みを深くして見せた。

「どうやら本物の【クレノボ】のようですね。見分け方も合格です」
「えっ……ほんと?!」
「はい。初心者薬師にしては、出来過ぎるくらい優秀な見分け方でしたよ」

 え……えへ。そう? 俺ってばそんなに優秀だった?
 まあ俺ってば、婆ちゃんの英才教育を受けてるからなっ。野山で走り回るのなんてガキの頃から大得意だし、この世界でもちゃんと勉強してるんだから!

 そりゃあ成長だってしてるってもんですよ!

 ……でも、誰かに褒められるのって嬉しいな。
 それが俺よりも色んな事を知っている人や、師匠だったら……凄く、嬉しい。

 アドニスに認められたけど、なんだかカーデ師匠にも認められたような気がして、俺は嬉しさの中に少し照れくささが混じってしまった。
 だって、俺が学んでること……カーデ師匠の教えてくれたことや、婆ちゃんの知恵、それに普段なんとなく覚えてたことが「価値がある」って言われたようなものだから。

 そういうのって、素直に褒めて貰えたら結構嬉しいものなんだな。

「君には言ってませんでしたが、そのルーペにはあらかじめ【クレノボ】と【ドゥーシェ】の成分を覚えさせています。つまり、毒性があれば違う反応をすると言う事です」
「じゃあ、これが【ドゥーシェ】だったら赤く光ったりしたの?」
「おや、敏いですね。その通り、赤く光って毒であることを知らせるようになるんです」
「へぇ~!」

 あんまり使い道が無いって話だったけど、案外使えるじゃん。
 まあアドニスみたいに自分で目利きが出来る人には必要ないだろうけど、俺のようなヒヨッコ薬師にはかなり嬉しい曜具なんじゃないか。

 けど、曜気がかなり必要になるってんだから、世の中上手くいかないよなぁ。
 【鑑定】の真似ごとをする曜具って、案外難しい物なんだな。

「とりあえず、その野草を掘って根と一緒に持ってきてください。【クレノボ】は円形の根も使用できる薬草なので」
「分かったー!」

 円形の根っこって……アレかな、ジャガイモとかカブみたいなものなのかな?
 どんな形をしてるんだろう、とワクワクしつつ、俺が土を掘り起こそうと手を草の上に当てた――――刹那。

「――――ッ!?」

 ドンッ、と、耳を劈くような音が周囲を揺らして、思わず俺は伏せる。

 耳だけで聞こえたんじゃない。強い振動と地面の揺れが体を震わせて、全身が否応なく感じざるを得ないほどの無視できない強大な感覚だった。
 なにこれ。地震とは違う。でも、危険だと本能が言っている。

「ツカサ君っ!」

 何が起こったのか分からず硬直していると――また、強い爆発音が響いた。
 それと同時、周囲からガラスが割れたような音が一斉に聞こえる。
 思わず耳を塞いでしまうほどの強烈な音に目を見開くと、森のそこかしこから次々パニックに陥ったような悲鳴が上がった。

「なっ……」
「温室のガラスが壊れた……ッ!? 何が起きている……?!」

 珍しく驚いたようなアドニスの声が上に放られて、途切れる。
 その声が向けられた方向を俺も見やって、息を呑んだ。

「あ……ぁ……!? 【杯の棟】が……爆発した……!?」

 俺達が目を向ける、頭上の遥か上……――

 見上げてもてっぺんが見えないほど巨大な鳥籠型のドームである【杯の棟】の上部が、明確に崩れて穴をぽっかりと開けている。
 そこからは焦げが色と煙が滲み出しており、窓一つない壁に風穴を開けている。

 明らかに、緊急事態だ。

「あっ……ラスコーさんは!? それに、ラシルとモグさんの所に行く道も!」

 呆気にとられていたが、あの場所は危険だと言う事を認識して叫ぶ。
 それだけじゃない。【杯の棟】にはたくさんの研究者がいるだろう。彼らの身も危険に曝されているかもしれないんだ。

 いや、あの激しい音……もしかしたら何かが爆発したのかも。

 もしかしたら、誰かが怪我をしているかもしれない。そう思う解いても経ってもいられなくて、俺はブラックの方を振り返った。

「ブラック、【杯の棟】に行くぞ!! 移動するの手伝って!」
「だ、だけどツカサ君……」
「早くっ!!」

 叫ぶ俺に、ブラックは一瞬まごついたけど、軽々とジャンプして穴を越え俺の方へとすぐに来てくれる。その行動に感謝の意味で頷くと、俺はアドニスを見た。

「アドニス、ここの学生達の避難頼む! 回復薬とか……」
「ええ、心得てます。回復薬は学院の備蓄があるはずです。学生を避難させて講師と学院長に伝えたら、私も追いつきます」
「……頼んだ!」

 アドニスは今「講師」として学園に滞在している。
 だから、学生達の避難を優先させなければならないのだ。俺もそれは知っていたので、学生達の事を頼むとブラックにしがみ付いた。

 ブラックも俺のやりたいことを把握してくれて、俺を小脇に抱えるとすぐに穴を飛び越えて、森の中を走り始める。
 向かう先は出口ではなく、一番近い「ガラスが割れて通れるようなった壁」だ。

「ごめんブラック、ガラスの破片に気を付けてくれよ……!」

 【クレノボ】をほっぽりだしたままだけど、もう授業どころじゃない。
 けどやはりブラックに走らせるのは申し訳なくて上を見ると、俺を小脇に抱えた相手は、視線だけで俺を見てニコッと笑った。

「ふふ……ツカサ君のそう言うとこ、僕好きだよ」
「な゛っ……!? い、言ってる場合か……!」

 こんな緊迫した状況で何を言うんだと言葉を詰まらせるが、ブラックはこんな状況なのに、嬉しそうな顔をして前方を遮る植物を軽々と剣で斬り伏せていた。











※めちゃめちゃ寝落ちしてしまいました_| ̄|○スマン…
 とりいそぎ更新しております…!

 
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