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酔現嫌夢サプロアリコン、束の間揺蕩う憩いの村編
“候補者”のために、ご協力ください2
「ハァ? なに勝手に割り込んでんの?」
「うわめっちゃ萎えるんですけど。オッサンなに? ウザ。邪魔しないでくんない?」
突然間に入ってきた乱入者に、先輩達は明らかに不快そうな声を漏らしている。
だけど刑事のおじさんはそんな声にも負けず、片腕にかけていた上着から何かを取り出し二人に見せた。アレは警察手帳だろうか。
「お前ら、聞こえなかったのか? 俺は刑事だっつってんだよ。しょっぴかれたくなかったら、今日はおうちに帰んな」
「うわウッッザ!! 権力振りかざし系クソオジかよ。そーゆーの俺らには通じないからさ、さっさとカッコ悪く逃げてくんない? オッサンはオッサンらしく社会の底辺してろっての」
「てめぇどこのサツだよ。トバされる覚悟出来てんのか?」
刑事が来たというのに、二人は全く怯んだ様子を見せない。
それどころか、自分達には警察官を丸め込む手段があるとでも言いたげに悪態をつく。
確かに、コイツらは俺の高校の「金持ち生徒」だ。
普通に試験を受けて入った俺や尾井川のような一般人枠とは違い、シベと一緒で良家の御子息ってな感じの枠として入学しているのである。
一緒に勉強してはいるけど、一般枠の先輩達が言うには「例え一緒に居ても仲良くできる奴は色んな意味で一握りしかいない」と言われるくらい接点が出来ないレベルで、人生から何から違う世界の人……ではあるのだ。一応、この悪人みたいな不良先輩達も。
だから、コイツらの内の誰かが警察に圧力をかけられるタイプの金持ちでも変じゃない。
むしろ……平気で出歩いている所を見ると、本当に「出来る」んだろう。
だとしたら、おじさんが危ないんじゃないのか。
やっぱり守って貰うのはやめた方が、と思った俺の前で、刑事のおじさんは笑った。
「はは、パパママのコネ使ってやりたい放題か? テメェで出来るこたなんもねえんだなあ、お前達。高校生にもなって自立できねえ赤ちゃんやってねえで、勉強して少しは賢くなれ。そのままだと、俺みたいなおじさんより格好悪い大人になっちまうぞ~」
気の抜けた声で、おどけたように煽るおじさん。
飄々とした感じだけど、その背中には気を抜いているような気配はない。……なんとなく、ブラックをいつも見てるから分かるけど……全然、隙が無かった。
そんなことも気付かない二人は、俺の事なんて完全に忘れたかのようにおじさんを睨み、なんとズボンからカッターを取り出しやがった。
うわあ! コイツらやっぱ凶器持ってたよ!!
俺の家から引き剥がせて本当に良かった……。
「テメェ……よっぽどボコられてえらしいな」
「あはっ、そのまま殉職しちゃう? でもアンタじゃ死んでも二階級特進できないね~。俺らの親、失礼なヤツ大っ嫌いだしぃ」
……こいつら、暗に「殺す」って言ってないか。
おい、何言ってんだよ、なんでそんなこと簡単に言えるんだよ。そもそもカッターとか出して人に向けるなよ! 本当にいやだ、なんだか段々腹が立って来た。
刑事のおじさんを殺させるもんか。そういう事なら俺にも考えがあるぞ。
自分が標的になった時はただ怖かっただけだけど、他人が標的になるなら黙っちゃいられない。俺だって男だ。いっぱしの日本男児なのだ。
悪い事をしているヤツのために、良い人が傷付く所なんて絶対に見たくない。
いくらおじさんが刑事でも、二人がかりで襲われたら危ない時もあるだろう。もしピンチになったら俺がなんとかしなきゃ……!
そんな決心を固めた俺を背後に、おじさんは鼻で笑った。
「よーし、お前らまとめて軽犯罪法違反でしょっぴいてやる。その前にちょっとこの世の厳しさを教えてやるよ。ホレ、いっちょ揉んでやるから来い来い」
わ……おじさん、人差し指をチョイチョイ動かして「かかってこい」のジェスチャーしてるぞ。
どう考えても余裕そうだ。でも、その余裕そうな態度が二人の怒りを煽ったらしい。
「テメェッ!!」
「煽ってんじゃねーぞクソジジイ!!」
我慢できなくなった二人が向かってくる。
と、その少し後ろの方に、残りの二人の姿が見えた。うわ、やばい、もう来ちゃった!
「あっ……!!」
思わずおじさんに向かってくる二人の姿から目を離した、一瞬。
視界の端で、布が大きく鋭く動くようなバッという音が聞こえて――――どす、と、地面に倒れ込むような音が聞こえた。
何が起こったのか分からなくて、慌てて視線を元に戻す。
と、そこには……
既に地面に転がされた先輩達がいた。
「え……えっ……!?」
思わずおじさんとアイツらを交互に見るが、おじさんは息一つ乱していない。
まるで武道家のように足を開いて腰を落した構えのまま、一歩も動いていなかった。
「……柔道、授業で習ったんじゃないのか~? ああまあ、あの高校ならサボる奴がいたりするのか。は~やだねえヤダヤダ」
軽い口調でそう言いながら、おじさんは構えを解いて普通に立つ。
まるで、もう警戒する必要は無いとでも言うように。
それってつまり……何度先輩達が向かってきても勝てると思ってるって事だよな。
あれ。じゃあ、もしかしたらこのおじさん尾井川くらい強いんじゃ……。
「ちょっ……お、お前、俺達にこんなことしてタダで済むと……っ」
おじさんの余裕の構えに、転がされた二人は尻餅をついたままおじさんを見上げている。
カッターも手放してしまって最早先程の勢いも失ってしまったみたいだ。これはどう見ても、おじさんの強さに負けてしまっている。
だけど口だけは達者なヤツらに、おじさんは軽い声を返す。
「おっ。警視庁に連絡する? 別に俺は構いませんよぉ。ど~ぞ連絡してください。ははは。まあ、貴方達の権力が及ぶような部署ではないんですけどね~オジサンの部署」
朗らかに笑っているような声。
俺はおじさんの顔をまだ見た事が無いが、その表情は笑顔だろうことが分かった。
そんな表情を見たらしい先輩達四人は、何を恐れているのか一歩後退る。
やがて――背後に待機させていたらしい大型のバンに乗り込んで、四人ごと慌ててその場から去ってしまった。
…………こ……こんなに、あっさり……。
「……さて、大丈夫かい少年」
驚いている俺に背中越しに話しかけたおじさんがくるりと踵を返す。
ああ、やっと顔が見られた。そう思う俺が見上げたおじさんの顔は、思っていた者とは少し違う、変わった特徴を備えていた。
だいたい四十代前半くらいだろうか。眠そうな垂れ目に、中年のおじさんによくある少し頬がコケてほんのり頬骨を感じさせる太い輪郭。それに勇ましい太眉に、しっかりした鼻梁。
キリッとしたら格好いい昭和の男って感じだが、その表情は飄々として捉えどころのない、胡散臭い感じのニヤついたおじさんって感じで固定されていた。
まるで頼りにならなそうな雰囲気を持った、軽そうな表情。
だけど、おじさんの強さを隠せていない特徴が一つだけある。
それは、顎から右頬にかけて、痛々しい大きな三角形の古傷があるところだった。
…………どう考えても、何か大きな戦いをしましたって感じだ。
ただの大怪我で済ませる事も出来るけど、今さっきの戦いっぷりを見たら、誰だって「昔の戦いの傷」に見えちゃうよな。だからアイツらもビビッて逃げたのかも。
手を伸ばされて、その手を握りなんとか立ち上がった俺に、おじさんはニカッと笑った。
「怪我……は、かなりあるな。痛むよなぁ……すまんな、すぐ助けてやれなくて」
「あ、いえ……! 通りがかってくれただけでも……本当にありがとうございます……!」
確かに両の手のひらはすりむいてて血がにじんでいるし、肘もジンジンしてヤバい。
けど、アイツらに拉致される怖さを考えたらこんなのへっちゃらだ。それよりも、俺を助けるために戦ってくれたおじさんに礼を言わないと。
そう思い、心からのお礼で頭を下げたのだが、おじさんは何故か申し訳なさそうに古傷の残る右頬をポリポリと指で掻いていた。
「ん~……まあ~……なんつうか、ごめんなあ……」
「……?」
どうして謝るんだろう。
不思議に思ったけど、俺が何かを言う前におじさんは言葉を次いだ。
「それよりクグ……少年、これからどうするんだ。必要なら保護しようか?」
「あ、いえ、尾井川……もうすぐ友達が来てくれると思うので、なんとか……大丈夫です! さっき警視庁の刑事さんって仰ってましたけど、たぶんアレですよね、お仕事中ですよね。それなのに面倒おかけしてすみません……!」
「あ~……いや、まあうん……仕事中っちゃそうなんだけど……」
おや、また困ったように頭を掻いてしまった。
さっきはあんなに飄々として捉えどころの無さそうなおじさんだったのに、どうして俺と話すと急に言葉に困ったような感じになるんだろう。
……あっ、もしかしたら捜査中とかで普通に会話したらいけないってこと?
だとしたら引き留めちゃって悪かったな……。
でも、言葉だけのお礼なんてのも失礼だ。俺は婆ちゃんや母さんに「助けて貰った時は、キチンとお礼をしなさい」と言われているいっぱしのオトコだからな!
せめて……そうだっ、名前と所属を聞こう!
そしたら後日お礼とか渡せるし、邪魔にならない時にちゃんとあいさつできるもんな!
よし、そうと決まったら早くおじさんを捜査に戻してあげなくては。
「えっと、お怪我は……」
「ないない、オジサンも一応刑事だからね」
「じゃあ、あの、良かったらお名前と連絡先を教えて頂けませんか」
「えっ? お、オジサンの?」
ちょっと動揺しているが、もしかして警視庁の人は名前を聞いちゃダメだったのかな。
「あ……こ、こういうのダメでしたか……? すみません……!」
思わず申し訳なくなってしまい眉が歪んでしまったが、それがまた相手を困らせてしまったのか、おじさんはいつの間にか放り投げていた上着から慌てて警察手帳を取り出した。
「いやいやいやダメじゃない、ぜーんぜんダメじゃないから! ほらほら見て、見て良い! 俺は勧請伺っつう、しがないデカだよ! ってまあ、今さっき刑事って名乗ったな俺」
ポリポリとバツが悪そうに頬を掻き、おじさん、いや刑事さんは手帳を見せてくれる。
おおっ、これは病院で見た警察手帳と一緒だ。疑う訳じゃないけど、手帳ってちゃんと所属とか、内線番号とか書かれてるから見なきゃいけないんだよな?
病院で俺と何度か話をした刑事さんの言葉を思い出しつつ、俺はカンジョウジさんの手帳をじっくりと観察した。えーと所属は……えっ……け、警視庁の捜査一課!?
警視庁の捜査一課ってドラマによく出てくるヤツじゃん。殺人事件を追う人達じゃん!
なのに何でこんなところに……やっぱり、凶悪事件の極秘捜査ってヤツなのか?!
いやでも待てよ、捜査一課の後ろになんか見慣れない肩書がついてるぞ。
えーと……「特殊事案防守部隊」所属……ってなんて読むのこれ。
それに、このおじさんの名前も凄いな。カンジョウジってこう書くんだ。
名前の方も……えー……と……。
「かんじょうじ……じれーさん」
「トキナリだ……少年、横の振り仮名ちゃんと読めよ……」
「アッ」
な、なるほど、なるほどな!
勧請伺 時令で、カンジョウジ トキナリって読むのか……いや難しいな!!
アレだ、これはシベと同じタイプの仰々しい名前ってヤツだ。シベも、奉祈師部 真言で「ホウキシベ シンゲン」て読むもんな。しんごん、じゃないもんな……。
「まあ、呼びたいように呼んでくれ。ジレーって呼ばれるのも悪くないかもなぁ」
「あ、あはは……」
分かりやすく気を使わせてしまった……。
でも赤点スレスレ常習犯な俺の頭じゃ覚えられそうにないから、勧請伺さんって呼ぼう。忘れるなよ、忘れるんじゃないぞ俺。
一応名刺も貰っておこう。
そう思いつつ、勧請伺さんから名刺を頂いていると。
「ぐー太!! 無事か!!」
ドタドタと大きな音を立てて近寄ってくる声に、俺は振り返る。
この声は間違いようもない、尾井川の声だ!
思った通り、尾井川が柔道着のままで俺の所に駆け寄って来てくれていた。
「ああ、あのガッチリ柔道少年が尾井川君か」
「はい!」
「じゃあ、俺はここでおいとまするよ。まあその、お礼とかは気にしなくていいからな? でも、何か困ったことがあったら俺にも連絡すると良い」
「ありがとうございます……!」
本当に優しい刑事さんだ。
俺は再び深々とお礼すると、お別れを言って自分からも尾井川に駆け寄った。
「おいっ、その怪我なんだよ!? ってかあのオッサン誰だ!?」
「あっ、え、えっと、まあ助けてくれた刑事さんって感じかな……勧請伺さんって人で……」
と、紹介しようと振り返るが――――そこには、もう誰もいない。
周囲を見渡したが、薄暗くなった蒸し暑い道には影すらも見当たらなかった。
「あれ……勧請伺さん……?」
「え? 感情おじさん?」
いやなんだその間違い。
思わずツッコミを入れそうになってしまったが、急いで駆け付けてくれた尾井川に色々な事を言うのも憚られて、俺は口をモゴつかせながら再び相手の方を向いた。
「と、とりあえず……交番に行こ。アイツら、あの刑事さんのおかげでどっか行ったけど、また戻ってこないとも限らないし……」
「はぁ?! 刑事が助けて交番に行って……? は……?」
ああ、事情が分からないから尾井川が混乱している。
だけどここに居ても仕方ないし、とにかく移動しよう。俺は尾井川の柔道着の袖を引っ張ると、交番へ向かって大通りを歩き始めたのだった。
“現場”から離れ、本来そこで待機するべきだった場所へと戻る。
中途半端に古い軽自動車に男が近付くと、その中で男を待っていたであろう人物がドアを開けてゆっくりと出てくる。
――――染めた暗褐色の髪をウルフボブの形に整えグレーのスーツを着こなした、まだ年若い凛とした表情の女性。
本来なら優しい印象を与える円らな形の目であろうに、彼女の表情は怒りか苛立ちによる変化なのか、厳しさが感じられた。
そんな相手に、軽薄そうな男――――勧請伺はへらへらと笑って見せる。
「いやあ、すまんね。……つい手が出ちゃった」
おどけたように、かわいこぶった言い方をする勧請伺に対し女性は目を細めた。
「……いえ。カンさんが行かなければ私が出て行ったと思うのでそれは」
「はは。相変わらずお前さんもお人好しだねえ」
「カンさんに言われたくないですよ」
女性は少し突き放したように言うが、彼らにとってはいつもの会話なのだろう。
勧請伺は軽く笑って頭を掻いた。
「いや……さすがに、アレは悪質過ぎたしな。まあ~久しぶりに刑事らしい仕事をしたような気がするわぁ。後で怒られても悔いはないって感じ?」
「そこは一人で怒られて下さいね」
「うわ~、バディ甲斐がない発言~。あ~やだやだ大人になると可愛げがなくなるねえ」
「ギリセクハラなので隊長に報告しておきますね」
「やめてよぉ」
とはいえ、双方本気で相手に対して発現している訳ではない。
勧請伺は懐から煙草を取り出すと、躊躇いなく火をつけてふかした。
いつもの行動なのか、勧請伺にバディと称された女性刑事は溜息を吐く。車内でタバコを吸われないだけマシと思っているのか、黙ってその様子を見る。
つまらなそうに煙を噴く相手を見ながら、女性刑事は腕を組んだ。
「なんにせよ……接触してしまった以上、今までのように監視するのは難しいですね」
「だねえ。……まあ、遅かれ早かれ接触することは決まってたんだ。潜祇君も今面倒な事に巻き込まれてるみたいだし……交流は深めといたほうが懐柔しやすいだろうなぁ」
「……そうですね」
あまり乗り気ではないような声を漏らし、女性刑事は視線を落とす。
そんな相棒の姿を、勧請伺は薄く口を開き煙を吐き出しながら見ていたが、少し話の方向を変えようと試みたのか、軽い声音で別の事を言い出した。
「それにしても……あの少年が例の“候補者”だなんて、世界ってのは残酷だねえ。今時、あんな素直で素朴な高校生なんて珍しいってのに」
「……そうですね。見ている限りでは、彼はあまりにも純粋すぎます。…………今回は偶然免れたようですが……いつ、また、引きずり込まれるか分からない」
再び険しい顔をする女性刑事は、どこともしれぬ空を睨む。
その表情の意味を知っている勧請伺は、携帯灰皿を取り出して短くなった煙草を押し消すと、再びポケットへ灰皿を戻し車のドアを開けた。
「で、どうする。これからも監視するのかい。潜祇 司くんを」
助手席に座りゆったりと背を伸ばす勧請伺に、女性刑事も同じように車内に戻るとシートベルトを締めながら返した。
「…………必要な事ですから。……今ならまだ引き戻せるかもしれないなら、“サキモリ”として、一般市民である彼を守るだけです」
エンジンをかけ、外から流れ込んでくる湿気に染まった重苦しい暑さを吹き飛ばすように、女性刑事はクーラーを入れ車内に強い冷風を送り込む。
その加減のない風の強さに勧請伺は目を細め、座席に深く座った。
「……ユウ、あんまり肩入れしない方がいい」
嗜めるように、真面目な声音を漏らす先輩刑事。
その言葉に「ユウ」と呼ばれた女性刑事は少し微笑んで、アクセルを緩く踏んだ。
「それ、カンさんに言うべき言葉になりそうな気がしますけどね」
思いつめたように見えても、余裕を持って冗談まで言う。
そんな相棒の大人としての冷静さを見て親のように片方の口端を吊り上げながら、勧請伺は過去に思いを馳せるようにフロントガラスの向こう側を見やるのだった。
→
※深夜って言うか朝ですがいつもくらいに更新できてヨカッタ
ほんまいつもご支援感想イイネエールありがとうございます…!!
応援と反応で頑張れますううう!。゚(゚´ω`゚)゚。
ちなみに勧請伺のイントネーションは
「たんじょうび」とか「タラバガニ」みたいな感じです。
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