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海洞ダンジョン、真砂に揺らぐは沙羅の夢編
25.妄執が形作るもの
「さあ、どんな風に復讐したいんだ? 望みの通りにやるよ、だから遠慮なく言って良いんだよクレーシャ。もう二度と僕は裏切ったりしないから」
そう言いながら俺を凝視して来るブランティさんは、恐ろしいぐらいに真剣だ。
ちょっと体を後ろに後退させても、有無を言わさず距離を詰めて来る。
「う……いや……あの……」
「遠慮してるの? やさしいねクレーシャは」
いや、そうではなくて、対応に困っているだけなんですよ。
顔を近付けられるのはオッサン達でソコソコ慣れてるけど、しかし今回はいつもと違う。ブラック達は「どうしたい」という気持ちが伝わって来るから、それに応じて対処も出来るんだが……この人は何を考えているのかまったく分からない。
…………こ、こういうのって、迂闊に乗っちゃったら危ないよな……。
ハイ復讐します、って言うにしても、それだと「じゃあやろう」になっちゃうし、最悪の場合だと「お前クレーシャじゃないな……!?」と言われてバッドエンドだ。
しかし拒否しても殺されちゃいそうだし……ぐうう、どうしたものか……。
でも答えなければ答えないで怪しまれるよな。
ゲームなら時間制限でゲームオーバーもあるし、現実でだって黙り込んでこんな風にモジモジしていたら、流石に相手も「おかしいな」って思うだろう。
相手も、こっちの事を認識してないわけじゃないんだ。俺の態度が変だと思ったら、訝しんだりもするだろう。そこで俺がクレーシャさんじゃないと気付いたら……笑えない事態になる。
なんにせよ、上手いこと答えないと危ない。
しかし下手に答えたらどう考えてもヤバいしあああどうすればあぁあああ……。
「クレーシャ……?」
あああああ早速訝しんでいる、ここにブラックが居てくれたらいい感じに目の前の相手を言いくるめてくれただろうに、何で俺には二枚舌スキルが無いんだぁあああ。
どうしようどうしようと慌てると余計に熱が頭に上がって来て、何を言いたいのか分からなくなってくる。いや、だって、何言っても聞いてくれなさそうだし……!
でも答えなければ絶対にダメだ。もう、そうなると、そうなると……っ。
「ぅ……ぶ……っ」
「ぶ?」
「ブランティっ、さんは……本当にそんなこと、したいんですか……!?」
ぎゃあっ、言うに事欠いて一番話がこんがらがりそうな事を言ってしまった!
ヤバいと思ったが、時すでに遅しだ。
どうしよう、逃げられるかなと相手の顔を見やると。
「…………僕が、って……だって……クレーシャは、僕や街の奴らが殺したいほどに憎かったんだろう? だから街を壊して僕を丸呑みにしたんだろう? なのに……」
目の前の相手の顔に、さらに影が掛かって行く。
やはりさっきの言葉は間違いだったかと血の気が引いて、思わず足が逃げの姿勢で爪先立ちになったが……意外にも、席を勢いよく立ったのは相手の方だった。
「ああ、そうか……っ。そこまで怒っていたんだな、僕の気持ちを確かめるくらいに僕の信用は地に落ちていたのか……」
「えっ、あ、いや、あの……」
「そうか……そうだよな……僕は君に許されない事をしてしまった……例えあいつらが嘘をついて僕達を引き割いたのだとしても……決めたのは僕だ……」
あいつらが僕達を引き裂いたって……。
――――あっ、そうか、俺は知ってるぞ。誰かが「あやつの父親と決着をつける」と言っていたんだ。アヤツってのは、クレーシャさんの父親のことだよな。
それで、結局言い伝えの通りにブランティさんは旅を続ける事になって……いや、そうなると、二人は愛し合っていたのに周囲に引き裂かれた事になるよな。
もしかして、クレーシャさんは「ブランティは嘘をついて逃げた」と勘違いして、彼を延々と求め続けて狂ってしまったって事なのか?
そしてブランティさんも、こんなにクレーシャさんを愛していたのに苦しんだ挙句、彼に呑まれて死んでしまった……のか……。
だとしたら……なんて、救われない話なんだ。
「そうか、だから今まで、このダンジョンに居なかったんだね……!? 僕に対してそれほど怒っていたから……どんなに僕が冒険者どもの血肉を注いでも、受け付けてくれなかったのか……」
「……え……?」
思わず声を出した俺に、相手は嬉しそうに笑う。
まるで、俺が言葉に応えただけで嬉しいとでも言うかのように。
「ねえクレーシャ、ダンジョンって凄いんだよ。口を開けて待っているだけで、ありとあらゆる欲望が入って来るんだ。名誉金銭嗜虐と言った欲望に、殺意、時には憎悪まで入って来るんだ。そういう魂は、殺したら怨念としてこの地に溜まる……それが、あのコープスを生み出すいい材料になる!」
急に何を言ってるんだこの人は。
クレーシャさんの為に冒険者の血肉をそそいだって、どういうことだ?
……何か、変だ。何かがおかしい。
どうしてそう思うのかは上手く説明できないけど……でも、さっきから話を聞いている限り、このブランティさんの姿をした「何か」は、まるで独立した存在のように俺と話をしていて……そこが、引っかかるんだ。
話せば話すほど、俺が当初想像していた「操られているだけの存在」と、目の前の相手は違う気がするような気がして。
でも、それを頭がなかなか認めたがらない。
俺は何故か、その答えを外そうとして必死に否定材料を見つけようとしていた。
しかしそんな俺の努力を余所に、ブランティさんは目を見開き嬉しそうに口を歪めながら、どんどん高揚したような言葉を吐き出していった。
「だから、どんどんモンスターが作れたんだ……ねえクレーシャ、ダンジョンって、『強くなる』と、どんな風にも変えられるらしいんだよ……! そうやって強くなったら、クレーシャの魂だって復活させられるって! だから僕頑張ったんだ……!」
俺に語りかける、心底楽しそうなブランティさん……のようなもの。
だけど、その言い分は全く「代弁している」とは思えない。こんなにおかしな様子なのに、それでも相手は確かに自分の口で楽しそうに喋っていた。
操られている、なんて……最早、思えないほどに。
……でも、本当にそうなのか?
最初から変だったと言えば、そうだ。だって、相手はレイドの体を乗っ取っているのだし、俺と出会った時は目の焦点が合っていなかった。そもそも【シカマビト】になっているのだから、変で当然なのだ。けれど、それでも俺に対してはマトモな受け答えをしているように見えていたんだよ。
だから操られているのかなって思ったのに、急に分からなくなってしまった。
だってこの人、まるで最初からずっとこの場所に居たような事を言うんだ。
シカマビトから生まれた存在のはずなのに、まるでクレーシャさんなんて初めから居なかったみたいな事ばかり……言って…………。
「神様が、そう教えてくれた……僕にお慈悲を下さった……! だから、こうして君を遣わして下さったんだ、ダンジョンの中にまで導いてくださった! ああ……僕のナカに君が入って来た時……僕がどんなに歓喜したか……目覚めたか……!」
「ぶ……ブランティ、さん」
「人が消え、力を失っていた僕に神が再び力を与えて下さった! そこに君が現れたのはもう運命だ! おかげで僕は新たな体を手に入れる事が出来たし、君のことを外へ探しに出られるようになった……シカマビト達の完成ももうすぐだ……! だからこれからはずっと一緒に居てあげられる。僕達の為のこの愛の巣も、もう二度と街の奴らに自由にさせない……この綺麗な街で、永遠に一緒に暮らそう……ね、愛しい僕のクレーシャ……」
逆光の中、顔に陰を作りながら嬉しそうに笑うブランディ。
彼の笑みは無邪気そのものだったが、無邪気さが溢れているからこそ狂気なのだと強烈に感じて、俺は全身が総毛立つような怖気に震えた。
だって、もう、疑いようが無かったんだ。
「あんた、やっぱり……このダンジョンの……主……」
震える声でそう言うと、相手は不思議そうに首を傾げた。
まるで、俺が何故震えているのか解らないとでも言うように。
「クレーシャ、忘れてしまったのかい。君が僕を呑み込んだ後……この牢獄に、僕を体と一緒に置き去りにしたんじゃないか」
「……!」
「ああ、でも……そんな事は良いんだ……いいんだよ、愛しいクレーシャ……」
そう言いながら、俺に手を伸ばしてくる相手。
彼の……ブランティの声は、偽物とは思えない響きに満ちていた。
――――愛しいクレーシャ。
その言葉は、聞いた事がある。俺は、夢か何かすらも分からない穏やかな映像の中で、クレーシャさんの綺麗な笑顔を見ながらその言葉を聞いたんだ。
だからこそ、納得せざるを得なかった。
この「ブランティ」こそが……海洞ダンジョンの、本当の支配者だということを。
「…………ブランティ……お前は、本当に本物のブランティなのか? 他人の体を乗っ取って帰って来た……のか……?」
ゆっくり立ち上がり、改めて問う。
すると、相手は俺を嬉しそうに見つめながら頷いた。
「僕は、君に呑み込まれて……気が付いたら、体が無くなっていた。君の体内で君と一つになっていたんだよ。それでも、最初の頃の僕は混乱していてね……自分の体を作ろうとして、コープスとか言う出来損ないのモンスターを作ってしまったり、君を復活させようとして白蛇の偽物を作ったり……ああ、本当に色々遠回りしたよ」
「じゃあ、あの最下層の蛇って……」
クレーシャさんが変化した白蛇その物ではなく、偽物だったというのか。
予想外の真実に目を丸くしたが、ブランティは俺の態度などまったく気にしてないのか、微笑みながら申し訳なさそうに謝って来た。
「ごめんねクレーシャ、君の体を再現しようとしたんだ……だけど、出来ずに薄汚い冒険者どもに壊されてしまったんだよ……。でも、ダンジョンの本体である君の体は僕が岩でしっかり守っているから安心してね……」
じゃあ……本来のダンジョンは最下層のあの肉の壁の部分で、上へ上へと伸びた岩のエリアは、ブランティが拡張したものだったのか。
だったら、あの変な構造も納得できる。この国では滅多に見かけないだろうススキの原も、墓場のような場所も、変な廃虚も全部この人が見て来た風景で、だからこそあんな不可解な階層ばかりになったのだ。
何故あんな感じにしたのかは理解出来ないけど、この人が本当にブランティって人だったなら、色々と辻妻が合う。俺が見た夢だって、もしかしたらこの人が無意識に見せた過去の記憶だったのかも知れない。
何故なら、俺はクレーシャさん「だけ」を見ていたんだ。
ブランティさんの視点で見ていたから、自分の事が見えなかったし……あんな風にクレーシャさんを「愛しい」と思ったんだろう。
だけど、まさかブランティさんまで海洞ダンジョンの一部になっていて、しかも主になっていたなんて……。
「ああ、クレーシャ……そんな悲しそうな顔しないで……。僕の事を憐れんでくれているの? 嬉しいよ……許してくれるんだね……」
愛しい、愛しい、と言いながら、相手はゆっくりとこちらに近付いて来る。
テーブルを迂回してくるぶん遅いが、しかしその速度がやけに緩やかなのが恐怖を煽り、俺はロクを片手で抱き抱えながらじりじりとドアの方へ後退した。
「どうしたのクレーシャ。君は、僕を抱くのが好きだったんだろう?」
「…………」
「まだ怒ってるの? どうしたら許してくれる……?」
不安げな顔をしながら、相手が近付いて来る。思わず喉が引っ込みそうになったが――――俺は、拳をぐっと握って「それではいけない」と自分を叱咤した。
違う。逃げるんじゃない。いや、逃げても良いが、俺には目的があるじゃないか。
【核】の居場所を突き止めるんじゃなかったのか。ダンジョンの核たる真のボスが目の前に居ると言うのに、このまま逃げるなんて……そんなの、修行する前と自分とちっとも変わらないじゃないか。何の為に修行をして来たんだ俺は。
こんな時でも冷静でいられるように、なんとか自分だけの術で持ち堪えられるようにと思って修行をしようと思ったんだろう。なのに、ここで尻尾を巻いて逃げたら、ただの役立たずだぞ。
そうじゃない。俺は、ちゃんと力を付けた。出来るはずなんだ。
やらないと。俺だって、ブラック達の役に立たないと……!
「クレーシャ……」
背後に扉の気配がする。
すぐに跳び出せるようにと思いながら、気を強く持ちつつ……俺は、迫ってくる相手に、聞かなければならない事を問いかけた。
「……ブランティ……お前、体を手に入れたって言ったけど……」
「うん」
「本体は、どこにあるんだ。核が有るんだろう?」
あまりにも、直球のバカバカしい問いかけだ。
考えて問いかけたつもりだったのに、俺はやっぱり凄く動揺しているらしい。
バレるかもしれない。自分で言ったのにそう思って青ざめた俺に、ブランティは眉を眉間に寄せると、不思議そうに返した。
「コア? 核ってなんだい?」
「え……」
「僕の意識は、全部この体に集中させているよ? 目覚めた最初は手間取ったけど、今はシカマビト達が居るからね……。もう、一々死体を待たなくたって、外の薄汚い奴らを殺せばいい。そうすれば、僕は……このダンジョンは、もっと力を得られる! 僕と君の為のこの街を守れるんだ! だから安心して、クレーシャ……」
と言う事は、まさか……ブランティは、ダンジョンの主でありながらも幽霊みたいな存在で、物理的な攻撃が通用しないってことなのか!?
そんな、じゃあ、どうやってこの人を斃せばいいんだ。つーか、乗っ取られてるんだろうレイドの体や意識はどうなってんだよ。これヤバいんじゃないのか。
思わず目を凝らして相手の体を見ると――――今まで見えていなかったものが急に見えて、俺は驚き息を呑んだ。
「……!」
ブランティの体から、黒を散らした紫の禍々しい光が漏れている。まるで炎のように揺れていて、時折少し長く伸びた炎の先が千切れて空に消えている。
まさか、これが「ブランティ」だとでも言うのだろうか。
でもこれ、どっかで見た事があるような……。
「クレーシャ……」
「わっ!?」
急に手が伸びて来て、俺を抱き込もうとした相手が目に入る。
右も左も手が伸びて来ていて逃げられない。しかも背後はドアを開けるのを忘れていたせいで壁になってしまっている。俺は慌てて片手で相手を退けようとしたが、力の差は埋めきれず、胸に触れただけで押し戻せもしなかった。
しかも、触れた手に、ぞわぞわと炎のような光が纏わり付こうとして絡んできた。
その光は何故だかとても冷たく、体から体温が奪われるような感じがして……。
「ひっ……!」
思わず手を引っ込めて、その手が無意識に胸の指輪を握り締めた、刹那。
指輪が急に熱を持ったかと思うと、俺の目の前に一瞬だけ半透明の壁のような物が現れて、バチンと音を立て相手を弾いた。
「ぐあっ!!」
痛そうな音と共にブランティは倒れ込んだが、しかし痛がる素振りすらも見せずに、倒れたまま俺の方をぎろりと見やる。
その目は、さっきまでの淀んだ優しそうな目じゃない。
まるで……俺を拒むような、冷たくて虚ろな目だった。
「クレーシャ…………」
「っ……」
「どうして……どうして僕の事を拒絶するの……? ねぇ…………ねぇ……!」
言葉を繰り返しながら、ブランティはゆっくりと立ち上がる。
体にまとった紫と黒の混ざる禍々しい炎が激しく揺らめき、その光がどんどん強く大きくなっていく。それは、明らかに俺に「危ない」と示していた。
「うっ……うぅう……!」
ダメだ。これ以上ここに居てはいけない。
逃げなきゃ。戦うにしろ態勢を整えなきゃ、なんとか距離を取ってブラックが来るまで相手を拘束しなければ。そうでなければ絶対にヤバい。
何故か強くそう感じ、俺は咄嗟に背後のドアを開くと駆け出した。
とにかく、ブランティと距離を取るんだ。慌てたせいで縺れそうになる足を必死に動かし、俺は相手から隠れようと屋敷の廊下を走った。
「クレーシャ……クレーシャぁああ……!」
背後から怨霊のような声が聞こえる。
これはもう、いけない。本格的にヤバい。
どうなるか想像もできないが、安全でない事は確かだ。
こうなっては、相手を拘束するか戦うしかないが、どうやって対抗しよう。方法が考えつくまでは、何とか逃げ切らないと。……だけど、ダンジョンのボスを相手に、自分一人で戦えるんだろうか。ブラック達と無事に合流できるんだろうか。
不安になり、勝手に喉が震えはじめる。だが、それを振り払って、俺今一度シャツの中で揺れている指輪を強く握り締めた。
「…………やる、やってやる……やってやんなきゃ……!」
俺を守ってくれた指輪が、ここにある。さっきだって守ってくれた。
ブラックが「俺を守るために」作ってくれた大事な婚約指輪が、俺とロクショウを守ってくれる。だから、怖がることなんてない。そうだ、だから、大丈夫。
俺が見つけたボスだ。自分でなんとかするんだ。
せめて、ブラックが指輪の異変に気付いて来てくれるまで持ちこたえないと。
「ロク……俺が、守ってやるからな……!」
まだ眠っているロクを片手でしっかり抱きとめ、指輪を握り締めると、安心する。
背後から恐ろしい声が聞こえて来るのに、どうしてかそれだけのことで俺はいつも以上に勇敢になっているような気がした。
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