異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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魔境山脈ネイリ、忘却の都と呪いの子編

16.欲求不満はお互い様*

 
 
「えっ、なっなにっ」
「僕が抱えてあげるから、上の本を取ってよ」

 そう言いながら、ブラックは問答無用で俺をそのまま宙に浮かせる。

 手伝ってくれるのは良いが、背後から腹部を腕で固定されて持ち上げられると、手で横っ腹を掴まれてる時よりも自重がかかって苦しい。っていうか、アンタ手伝うって言うんなら素直に手を貸してくれよ。なんで抱き上げてんだ!

「ふ、普通に手伝ってくれよっ! 俺が手伝ってる意味ないけど、こんなことするならアンタが自分で本を取った方が良いだろ!? つーか自分で台に上るから……」
「ここには台なんてなかったよ? だからほら、僕を台だと思って」
「人をゴツい腕で固定する台があってたまるかー!」

 台がなかろうが、高い所にある本を取る方法なんていくらでもあるだろう。
 自分一人で出来るから降ろせと暴れるが、しかし暴れれば暴れるほどブラックの腕は俺の腹を締め付けて来て。ぐ、うぐぐ、中身がっ、このままだと中身が出るっ。

 仕方ない、こうなったら早く済ませるしかないか……。
 俺がどう言おうがブラックの腕力には敵わないんだし、それなら従った方が解決も早い。相手が何をしたいのかがいまいち分からないけど、まあブラックがこれで満足するというのなら俺が我慢しよう。まだだ、まだ出るんじゃないぞ俺の内臓。

「ツカサ君、届くぅ?」
「う゛ぬ……ぅ゛……と、取った……とっだがらっ、降ろして……っ」

 届くったって、何故かブラックのヤツも中途半端に俺を持ち上げているからか、凄くギリギリなラインだ。上に置いてある二冊重なった本に何とか手を伸ばすが、背筋をピンと伸ばすと余計に腹部に負担が掛かってヤバい。
 それでも本を掴むと、ようやくブラックは俺の足を床に降ろしてくれた。

「ぐはっ……! はーっ、はーっ……お、お前な……抱えるならっ、た、頼むから、もう少し苦しくない方法でやってくれよ……っ」

 危うくミが出る所だったぞと軽く振り返って睨むが、ブラックはだらしない笑みを満面に浮かべるだけで。

「えへへ……ごめんごめん。ツカサ君を落とさないようにしようって思ったら、つい力がこもっちゃって……。ココ、痛かった?」
「ぅえ? えっ……ちょっ……」

 俺を抱き締めていた腕が緩み、その片手が俺の腹のあたりをさすりはじめる。
 大きい手が腹全体を包んで撫でるんだけど、撫で方が、その……えっちくさい。
 わざとゆっくり動かして、服の上から腹の肉に指を軽く沈めて来る。それに、時々手が下腹部を掠るみたいにして、指を滑らせて来て。

「ここ、痛かった?」
「っ……」

 ズボンとベルトがあるのに、圧迫される感覚がわかって体が強張る。
 我ながら過剰な反応だと思うけど、でも背後から抱き締められてこんなのされたら誰だって息を飲むよ。だって、目の前は本棚だし、背中にはぴったりとでっかい体がくっついてて、相手の深い吐息が髪や頬にかかるんだぞ。

 よ、よく考えたらここ、俺達しかいないし……ブラックと二人きりってことは……。

「あっ、ツカサ君いまヤらしいコト考えたでしょ……ふっ、ふふふ……なに考えたのかなぁ。教えてよ、ね……どんなこと考えた……?」
「かっ……考えてないって! も、もう良いから離せよ……っ」
「やだ。せっかく、誰も邪魔しないところで二人きりになったのに……ね、どんなコトを考えたの? もしかして……こんな風に触られちゃうとか……?」
「ひっ……!」

 指が腹の上でもぞもぞと動いて、的確に俺のヘソを探り当てる。
 軽く押し当てられた指の腹が穴にぴったりくっついたのを感じて息を飲むと、背後のオッサンはそのまま穴の輪郭をなぞるように指を何度も回す。

「久し振りに触るよね、ここ。……最近は僕が切羽詰まっちゃって、お尻ばっかり犯しちゃってるけど……ツカサ君、おへそも僕の指で犯されるの好きだもんね。たまにはゆっくり触ってあげたいなぁって思ってたんだ」
「誰がそんなことっ……ぅぐっ……た、頼んだ、ぁ……っ!」

 ヘソ穴なんて触られたって喉が詰まるような感覚みたいで苦しいだけだ。アンタが触るからややこしくなるだけで、ヘソなんて触んなくたっていいんだよ。
 つーかそんなとこ性感帯扱いするな!

 ……そうハッキリ言いたいんだけど、ブラックの指がシャツの布越しに穴に入ろうとすると、意識がそっちに行って息が途切れてしまう。
 急所に近いだけで、別になんにも感じる神経なんてないハズなのに。それなのに、背後から抱き締められて逃げ場のない状態でヘソをぐりぐり指でいじられると、下腹部からじんわりもどかしい感覚が滲んで来てイヤな予感に足が閉じてしまう。

 そんなことしたら目敏いブラックに気付かれるって分かってるのに、でも、大きな指がムリヤリもぐりこもうとして穴が広げられる感覚や、しゅっしゅっと布が擦れる音が体をゾクゾクさせて、無意識に足が動いちまうんだよ。

 なのに、ひっつくオッサンは、分かってるだろうに意地悪な事を言って来て。

「あれ、ツカサ君どしたの……? おへその下、力入れてぎゅってなってるねぇ。何か我慢してるの……? ふっ、ふふ……」
「っ、ぅ……う、ぅ゛……っ……も、い、良いだろ……っ、離せっ、てぇ゛……っ」

 耳に顔近付けるなってば、い、息がかかるのやだ。
 ただでさえヘソを弄られて苦しいのに、棚に押し付けて逃げ場をなくしてきやがる。
 逃げようと思っても……

「我慢してるのは……ここかな?」
「ひあっ!?」

 シャツの隙間から手が差しこまれて、ズボンの中に手が強引に入ってくる。
 ベルトでしっかり締めてたはずなのに、いつの間にか緩んでしまっていて、俺の服は簡単に大人の手の侵入を許してしまった。

 うわ、だ、だめ、下着の中まで入って来てる……っ。

 なんでこんな簡単に手を入れられちゃうんだよと泣きたくなったが、こうなってしうともう俺には逃れるすべはない。次にされることを思って、体を緊張させた。
 ……のだが……何故か、手は下腹部を覆ったままで動かない。

 もう両手は服の中に入ってて、ブラックの少しカサついた無骨な太い指が俺のヘソを直接指で突いたりグッと押し入ってきたり激しく攻め立てて来るのに、何故か俺の急所に一番近い手は動かないままだった。

「ひっああぐっ、う゛ぅっ、ぅ、あ、……ッ! やっ、ぁっ、な、なんぇっ……手ぇ……っ」
「ん? どうしたのツカサ君。お腹苦しい? それとも……物足りない……?」
「ちがっ……」

 違う。そんなことない。首を振るけど、全然ブラックは気にしてくれない。

 もう、声だけで解る。ブラックの野郎ニヤニヤしてやがるんだ。
 俺がヘンな事されて一々反応しちまってるのを、心底楽しんでる。コンチクショウ、からかってんだ。それなのに俺って奴はこんな……っ。

「ひあぁっ!? やっ、きゅっ、急に動かすな!」
「なんで? ツカサ君のお尻、僕が指でツカサ君のおへそをズポズポ犯したら律儀に反応して震えてるよ? ほら、ここだって……おへそを指を奥まで入れて広げると、掌にぎゅうって緊張してるのが伝わってくるよ……?」

 うっとりした声で言いながら、ブラックは俺の素肌の下腹部を撫でて来る。
 急所の根元でもある部分に近いんだから、触られたらそりゃ緊張するに決まってるだろう。同じ男なんだから知らないワケじゃないだろうに、何でコイツは一々俺を恥ずかしがらせる事ばかり言うんだよ。

 っていうか、こんな所でサカッてどうすんだ!
 ここ、大事な本ばっかりある所だし、水もなにもないのに……っ。

「もっ……ぃ、いいから……っ、やめろ、ってぇ……っ! ここでっぅ、あ……っ、あぁっ、することじゃ……っ」
「そのワリには……ツカサ君の肌、汗ばんで来てるよ? それにほらぁ……触れてもないのに、ズボンがなんか膨れ上がって来てるよぉ~? ふっ、ふははっ、つ、ツカサ君たら、期待しちゃってぇ……そっ、そ、そんなにっ僕とセックスしたかったのぉ?!」
「違っ、だっ、だってあんたがこんな事するから……!」
「んもぉ~、また可愛いこと言うんだからぁ……。でも、興奮してるんだよね……? 僕とセックスしたいって、ツカサ君も思ってくれてるんだよね……」

 だから違うってば。
 そりゃ、こっ……恋人、なんだし……アンタとそういうコトするのは嫌じゃないけど。
 でも場所ってモンがあるだろっていつも言ってるのに。なのに、どうしてアンタはこう変なトコでサカろうとするんだよ!

 だから毎回ヤダっていうハメになるってのに……っ。

「ふっ、ふふっ……つ、ツカサ君、おちんちんズボンの中で勃起しちゃって苦しいよねぇ……だったら、スッキリしようよ。僕がココでいっぱい可愛がってあげるよ」
「やっやだやだやだ! こんなとこで出すなよ!」

 何を考えてるんだと振り向くが、ブラックはそんな俺の口に吸いついて来る。
 文句を言う前に口を塞がれてしまい、無様にくぐもった声を漏らすしかなかった。

 それを、あからさまに勝ち誇ったかのように、ブラックはゆっくりと唇を熱い舌でこじあけて、閉じた歯列をなぞって来て。

「ん゛っ、ぅ……んんん……んん、ぅ……っ!」
「っふ……ふふ……つ、つかひゃ君……んむ……っ。はっ……おちんちん、外に出たがってるのに、イヤなの?」

 ちゅっちゅっとしつこく口を塞がれる間も、ヘソ穴への指の挿入と俺のモノの根元をねちねちと撫でる手は緩んでいない。
 それどころか、ズボンの中のブラックの手は、人差し指と中指を開いて、お……俺の根元に指の股を当てながら、股間の足の付け根を両方とも指で撫でて来て。

「~~~~っ……!」
「ツカサ君の肌って、どこもすべすべで気持ち良い~」

 ばか、キスしながら喋るな。低い声の振動が直接伝わってきてゾクゾクするだろ。
 そ、それに、なんでこんなこと……っ。股間の気持ち良いとこ全部無視して、なんで足の付け根ばっかり指で撫でるんだよ。

 指の股が当たってる根元がぞわぞわする。自分のが、熱くなってどんどん取り返しのつかない事になってるのが分かる。
 落ち着かなきゃ行けないのに、こんな場所でブラックにえっちなことをされてるんだと思うと、いつもと違う事をされて焦らされてるんだと思うと、恥ずかしくて。

 こんなことで簡単に反応してしまってると自覚してしまうと、体がまた恥ずかしさを都合よく“気持ち良いこと”だと勘違いして、ぞくぞくしてきて……っ。

「っ、ふっ、ふひっ……ふはぁっ! ツカサ君のおちんちん、も、もう限界みたいにパンパンになっちゃってるじゃない……! あ~あ、ツカサ君が素直に言ってくれたら、僕が落ち着かせてあげたのに……。でも、ツカサ君はぁ……こういう真面目な部屋で、おちんちん露出させたくないんだよねぇ?」

 頭に直接声が響いて来るみたいで、耳がじんじんする。
 もう顔は熱に浮かされていて、ねっとりとした低くて渋い大人の声を間近で聞かされるだけで、呼吸が引きつるくらい体はひくついていた。

 キスされて、お、おなか犯されて、苦しくて……それなのに、気持ち良いとこに手があるのに、全然触ってくれない。抱き締められてて凄く近いのに。
 これじゃ、おかしくなる。ドキドキするのと変なモヤモヤで下半身がおかしくて、俺が興奮しちゃいけないのに。

「もっ……やぇ……」
「うんうん、そうだねっ。つ……ふっ、ふははっ、ツカサ君はぁ……子供おちんちんを僕にい~っぱい弄られて気持ち良くなりたいのに、意地を張ってるんだよね? だけど、それって不公平じゃない?」
「ふぇ……っ」

 なに、どういうこと。

 近くにあるブラックの顔を見ると、ぼやけた視界でブラックが意地悪な猫みたいに目を細めてニタリと笑ったみたいだった。

「僕はツカサ君とここでセックスしたいのに、ツカサ君はヤなんでしょ? それなのに自分は気持ち良くなりたいなんてツカサ君たらワガママだよ」
「だっ、だって、それはアンタが……」

 アンタが強引に弄るから。そう、言おうとした俺に、ブラックは口を歪めた。

「そんな意地悪でワガママなこと言っちゃうツカサ君には……僕も、意地悪しちゃおうかなっ。ああもちろん……ツカサ君が喜んで泣いちゃう方法で」
「ぇ……」

 何をするのか。
 涙で歪み始めた視界を開くと、ブラックは俺にキスをして低く呟いた。

「ツカサ君がおちんちんを出したくないけど触って欲しいって思ってるなら……ズボンの中で、たっぷり弄って何度も射精させてあげるね」
「っ……!? やっあっ、そんなこっ、ぅあ゛っ!? ひっ、やらっあっゃあぁ……!」
「時間はたっぷりありそうだし……ズボンがおもらししたみたいにドロドロになるまで、い~っぱいイッちゃおうねツカサ君」
「っあぁああ!」

 さっきまで全然触れて来なかった大きな手が、急に俺のモノを包んでくる。
 ズボンの中で籠っている熱気とは全く別の、熱を持ったぶ厚い感触。それが俺のをいとも簡単に包んで小刻みに擦り上げるのに、反射的に声を上げてしまう。

 い、いやだ。ここでイッたら下着が汚れてしまう。
 なにより一張羅のズボンが巻き込まれたらもう穿くものがない。

 なのに、反応しちゃいけないと思えば思うほど、体がおかしくなっていく。ブラックの手が根元から先端まで一気に手を動かして強引に射精を促してくると、体が跳ねてしまって我慢すら出来ない。

「ほぉら、一回出しちゃおうねぇ……! はっ、ははっ、はぁっ、はぁっ、つ、ツカサ君、下着にいっぱい出していいからね……!」
「やっら、やぁあっ! あっ、ぁぐっ、ひっ、ぅ、うぅうう……!」

 ぬちぬち音が聞こえる。
 ブラックの手が動くたびに、頭が気持ち良さにしびれて来て、腰が動いてしまう。
 棚とブラックの体に挟まれて、圧迫されたままっ……っう、ぅう……っ。

「っ、あ゛っも、や、ぁ゛っあぁあ! やあぁああ……――――ッ!!」

 体が、覚えのある強烈な感覚に硬直する。
 目の前が一瞬白くなったような感じがして、ひくひくと痙攣する下半身が熱から一気に楽になって……何かが、小刻みに出て行く感覚があった。

 …………もう、何がかってのは、言いたくなっ……。

「ちょっ!? やらっ、いっ、イッてぅっ、ま、まだひっぇ゛……ぅ、ぅあぁあっ!」
「やだなぁツカサ君、たっぷり弄ってあげるって言ったでしょ?」

 たっぷりって、そういう事なの……!?
 いや、ま、待って、もうだめ、こんな風にされたら頭おかしくなるって!
 最近こんな感じのえっちしてなかったのに、こ、こんなのされたらどうにかなる。

 嫌だと首を振って解放を訴えるが、ブラックはそんな俺を見て。

「ツカサ君、安心して。夕食までまだたっぷり時間があるからさ……だから……ふっ、ふふ……おかしくなるくらい、気持ち良くなって良いからね……?」

 ぎらぎらと光る菫色の綺麗な瞳で、獣のように笑ってみせた。









※キリのいいとこまで…と思ってたら遅れちゃいました
 (;`ω´)スミマセン…
 次もすけべ

 
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