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邂逅都市メイガナーダ、月華御寮の遺しもの編
18.例えその力を信じられなくても
◆
いざ進軍の偵察を待つ身となると、その到着の速さで「いまどのくらい相手が近くにいるのか」を察してしまって、なんともいえない気持ちになる。
だって、早ければ早いほど敵はそれだけこちらに近付いてるってことだもんな。
まあ、ナルラトさんが素早い、というのもあるんだろうけど、再び偵察に行って帰って来たのが数十分くらいだと……さすがに、緊張感でカチカチになってしまう。
一刻ほどかかる距離だと言っていたけど、相手はかなりの素早さで四足歩行する毛むくじゃらのドラゴンみたいなヤツだ。いや、顔や体つきは普通にイタチっぽいのか犬っぽいのかって感じなんだけど、動きはマジで異様に素早いトカゲだから怖い。
何度か遭遇したけど、あの恐ろしい種族相手に戦闘訓練を毎回行ってる王都の人達は凄いと思う。普通に食われて死んだ人もいるってのに、それでも訓練をやめず、兵士達の鍛錬と彼らへの報酬の肉を欠かさない“二角神熊族”の王族達は、よほど武力を重視しているんだろう。
それか……そうすることで、あの凶暴で恐ろしいビジ族を抑えているか。
…………もし、仮に……訓練のためだけじゃなくて、ホントに彼らを抑えるために、ああいう約束をして訓練もやって肉を与えているのだとすれば……群を抜いた強さを誇るクロウの一族でも、彼らには手を焼いていることになる。
大体、闘ってる時に積極的に相手の急所を狙おうとするヤツなんて、武人としてもヤバいし危ないにもほどがあるのに、そんな種族を王都の近くに住まわせているのが謎だったんだ。訓練や報酬の肉を与える事によって彼らを満足させ、風葬の荒野の掃除人として抑えていたというのなら、その理由にも納得できる。
要するに、ドービエル爺ちゃん達は危険な種族を近くに置いて、彼らが暴走しないように監視してたんだな。
凶暴な特殊技能を持つ彼らに一定の餌を与える事によって落ち着かせ、もう他の種族を食い散らかさないようにって……。
……いや、めっちゃ怖いな。どんだけ警戒されてるんだビジ族。
そんな奴らに、俺達だけで立ち向かえるのだろうか。
人数によっては、ピンチに陥るかも。そうなるとかなりヤバいことになるんじゃないだろうか。いくらブラックとクロウが居るとはいえ、こんな守り辛い場所じゃ死角が生まれてしまうかもしれんい、壁も無いこの都市では容易に侵入されてしまう。
そうなると、ここに住んでいるメイガナーダの人達が危ない。
一時的にでも壁さえ造れれば、安全性も増すだろうし、侵入され辛くなるとは思うんだけど……しかし、相手は超身体能力を持っているのだ。
生半可な壁じゃ突破されるだろうし、そもそもどのくらいの高さが必要なのかってのも分からない。クロウと俺で土の曜術を発動させるにしても、ヘタな壁を作ってしまうと住民達の逃げ道を失くすことにもなりかねなかった。
鉄壁の高い壁ってのは、そこを守る人が賢く運用してこそ効果を発揮するのだ。
付け焼刃の浅知恵では失敗する確率の方が高い。
それに……獣人ってのは、この世界の人族以上に身体能力が高いのだ。普通の女性でも俺より筋力が有るこの世界で、人族以上に身体能力が高く、しかもそれらを凌駕する【超身体能力】のスキルを持つ相手なんて……想像もつかない。
あの素早い動きを考えると、ジャンプ力や壁に爪を掛ける力も凄まじいだろう。
……高い土の壁を作れたとしても、歩みを緩める程度にしかならないかも……。
「うーん……ナルラトさんが帰って来てくれなきゃ、なんとも言えないなぁ……」
「キュ~」
部屋に戻って、まだおねむのロクを肩に乗せた俺は、腰にいつものバッグを付けてうんうん唸りながら廊下を歩く。
ナルラトさんが帰ってくるまで小休憩ってことで、ひとまず解散させられたんだけど、全然休憩できなくてつい「水を持って来る」って館に引き返しちゃったんだよな。
まあ、ロクに会いたくて部屋に戻ったのも有るんだけど。
弱いモンスターは捕食されるってんで、本当は超強いけど【変化の術】で弱いダハの姿をしているロクちゃんだが……この状況なら、準飛竜の姿を見せた方が敬意を払って貰えるんだろうか。でもコロッと態度を変えて狂信者並に喜ぶ獣人達は出来るだけ見たくないな……ロクもドンビキしてたし……。
なので、この姿のロクは無暗に連れ歩けず、今までずっとお部屋に居て貰っていたんだけども、さすがにお留守番ばかりじゃいかんからな。
今は非常事態だけど、だからこそ俺には精神を安定させてくれるロクと言う相棒の存在が必要なのだ。……なので、今こうしてついて来て貰っているのである。
「キュキュ……キューキュ?」
「ん……出ても大丈夫なのかって? ここにはあんまり人がいないし、鋭そうな領主も外に居るから心配ないよ。今はあんまり時間が取れないから、申し訳ないけど……少しでもお散歩してロクもリフレッシュしような」
「キュー!」
ああんもう優しい上に俺の事まで気遣ってくれるロクってば最高に天使。
今まで緊張しっぱなしだったから、ちっちゃなお手手をコウモリ羽と一緒にパタパタさせちゃうその可愛い姿に思わず体がふにゃふにゃしちゃうぜ。
はぁあ……やっぱり動物はいい……この暑さじゃさすがにペコリアを出すのは心配だし、砂漠に慣れてない藍鉄や柘榴ちゃんを召喚するワケにはいかないから、今はロクだけが俺の癒しだよ。
こんなことになるなら、もうちょっと過ごしやすいハーモニック連合国の荒野や砂漠で慣らしておいてあげればよかった。
室内は涼しいとはいえ、それは人間の感覚だし……地面からの熱でバタンキューしやすい子が多いからなウチの守護獣は。
ロクも爬虫類だけど、ロクの場合は一足も二足も飛んで竜に近いものに進化した、かなり強いモンスターになってるからな。
逆に言うと、これくらい強いモンスターでなければ獣人大陸の砂漠は耐えられないということだ。そのロクからしても、外の砂漠はうだるレベルだし。
「……早く全部解決して、人族の大陸に戻りたいな」
「キュー!」
まあ……一人だけ、この暑さも耐えられそうな召喚可能なヤツがいるけど、アイツには畑というか果樹園を任せているので、無暗に呼ぶのも悪いしな。
ずいぶん会ってないけど、二人とも元気でいるだろうか。
「でも、帰っても【アルスノートリア】の件があるし……当分、保養地でゆっくりできそうにも無いか……ああ、早くペコリアたちに会いたいなあ、ロク」
「キュ~……」
そうかそうか、ロクもお友達に会いたいか。
俺の頬に顔を摺り寄せて来る世界で一番可愛いトカゲヘビちゃんをヨチヨチしつつ、やっとのことで厨房に辿り着き、人数分の水をコップに入れて復路を帰ろうかと廊下を進んでいく。と……食堂の方から話し声が聞こえてきた。
「いやだねえ、もうすぐ祭りだってのに不吉なモンが現れて……。領主さまも、クロウ様も大丈夫なんだろうか」
ハッ、お、女の人の声!
凛々しい声だけど間違いなく女性だ。これは聞かざるを得ない。ロクと一緒に食堂の入口からちょっとだけ顔をのぞかせると、掃除用具を持ったメイドさんっぽい洋服を着たポニーテールの女性と、壮年の細身の男性が食堂の床を掃いていた。
「どうだろう……相手はビジ族だろ? モンスター並の知能の奴らが、武人に敵うとは思いたくないけど……アイツらは戦わない女子供の方を好んで食うとかいう話を昔聞いた事が有るしなぁ。……国王陛下が抑えてくれていたのに、どうしてこんな所を襲いに来たのか……」
壮年の熊男は昔のビジ族の評判を知っているのか、ちょっと顔を青くしている。
だが、何故かヤケに男性より大きく見えるポニテ熊女子の方は、がっちりとくびれた腰に手をやって、それほど恐れていないように肩を竦めた。
「おおかた、南の果てに追いやられた犯罪者が戻ってきたんだろうさ。あの死肉食いのビジ族だって、悪い事をする思考くらいはあるだろうしね。迷惑なデイェルで、死にきれずに脱獄でもしたんだろう」
……遠近法で女性の方が大きく見えるんだと思っていただが、これは違うな。
アレだ。ポニテメイドさんが、ムキムキなのだ。
…………何故、クロウのいかつい女装が獣人達にバレなかったのか、その理由がようやくハッキリと納得出来た気がする……。
って、気が遠くなってるヒマはないな。
恐らくメイガナーダ一族の人達だろうけど、彼らは王国の一般人と同じような生活をしているようだ。そんな人達も知ってるほど、やっぱりビジ族って危険なんだな。
「なんにせよ、危機的状況には変わりないよ。はぁ……クロウクルワッハ坊ちゃまが帰って来て下さったというのに、なんでこんなことになるのかね」
がっくりと肩を落とし、耳を伏せる男性。彼はクロウの事を知ってるのか。
老執事さんと同じく昔からここで働いている人なんだろうな。
「アタシは坊ちゃまを見たのは初めてだったけど、普通に強そうだったよねえ。領主様が厭うようなザコには見えなかったけど……。案外、坊ちゃまに任せたらビジ族もへっちゃらなんじゃない?」
「そうは言うけどな、坊ちゃまのデイェルはスーリア様の能力よりも更に劣るものなんだぞ。王族としてお生まれになって、その力の脆弱さを一番悔やんでおられたのは坊ちゃまだ。いくら武術が出来たからと言っても、ビジ族にはとても……」
「そう……? アタシにはよく分かんないけど、難しいねえ」
頭をポリポリ掻くメイドさんの後ろ姿を見ながら、俺とロクはそっとその場を離れて、また歩き出す。ここでは声が聞こえてしまうかも知れないので、外に出てからようやくホッと息を吐いた。
そうして、再度溜息を吐く。
「……やっぱり、ここにいる人達にとって、クロウは未だに“弱い子”のままなんだな。土の曜術しか特殊技能が無い、弱い獣人……」
「キュー……」
俺が落ちこんだと思ったのか、ロクが頬を摺り寄せてなぐさめてくれる。
少し重い四人分のコップを乗せたトレイを片手で持って、俺はロクにお礼をするようにそのツヤツヤしてヒンヤリしている蛇の体を撫でながら、弱く笑った。
「大丈夫。これから知って貰えば良いんだもんな。……今からこの街を守って、その活躍によってクロウは強いんだって思わせたらいいんだ。俺達も、いっぱい協力してやろうな、ロク!」
「キューッ!」
元気よく手を上げて「きょうりょくするー!」と言わんばかりに鳴いたロクに、俺の心が一気に幸福に包まれる。これは落ち込んだ心に効くぅ……。
そうだよな、危機的な状況だけど、武人として考えればこれは絶好のチャンスだ。
領都の人達を完全に守れる確信が出来たなら、武功を立てるための戦いだと思うのも悪くは無い。クロウを認めて貰える絶好のチャンスなのだ。
ビジ族は怖いけど、俺はブラックやクロウが彼らに負けるなんて思えない。
不意を突かれて被害が出るかも知れない、という懸念はあるけど、逆に言えばその「不慮の事故」さえ潰せれば、何も心配はいらないのだ。
被害が出なければ、あとは純粋な力と力の戦場。
互いの傷は覚悟したうえのこと。誰に遠慮する事も無い。
その場さえ造り出せれば……クロウも、デハイアさんも、クロウ自身の力を認める事が出来るかも知れない。
デハイアさんの憎しみは消えないかも知れないけど、戦う姿を見ればきっとクロウが今どれだけ強くて優しいのかを知って貰えるはずだ。
「場……街を守るために、彼らを誘い込む場所か……」
ただの高い壁では、超身体能力を持つ彼らには通じない。
壁。普通じゃない壁、か……。
「難しいな……」
ロクにバッグへと入るようお願いしつつ、見張り台へ続く階段を登る。
うーん、なんかもう少しで思い付きそうなんだけどなぁ。
なんかこう、なんか……って、集中して考えてると滝の音が鬱陶しく思えてくるな。古代の装置のおかげでかなり消音されてるのに。
でも、静かにするとやっぱちょっと聞こえちゃうんだよな……まあ、それでも装置があるのとないのとでは全く快適さが違うんだけど。本当にありがたいことだ。
「……ん…………滝……?」
「おっ、なんばしよっとかツカサ。水か? おいにも一つくれんね」
「わぁっ」
考えている途中で横から急に手が出て来て、驚きのあまり思わず足を踏み外して後ろに転げそうになる。
そんな俺の背中を軽々と片手で抑えた相手は、水の入ったコップをもう片方の手の指で掴んで見せながらニカッと笑った。
「相変わらず迂闊だな」
「な、ナルラトさん!」
「報告に来たぞ。一緒に聴いてくれ」
あ、ああ、ついに帰って来てしまったか……。
でも慄いている暇は無い。ナルラトさんと一緒に見張り台に戻ると、楽な姿勢で座り黙りこくっていた三人がこちらを見た。
その視線が、緊張にヒリついたような気がする。
ナルラトさんもそう思ったのか、一つ汗を垂らして不敵な笑みで進み出た。
「状況を報告に参りました」
デハイアさんの前では恭しく膝をついて首を垂れる。
そんなナルラトさんに、相手は頷いた。
「報告せよ」
「……敵のビジ族は二十体。皆、風葬の荒野から抜け出したもので、腹を空かせた状態です。それが意図的なモノか自然なモノかは不明ですが、あの状態であるなら間違いなく領都【アクサベルデ】の者達を襲うでしょう。移動速度から考えて、ちょうど中天に日が昇る頃……こちらに到着する予想です」
手短な説明だが、その短い言葉には途轍もない絶望が詰まっている。
……相手は、空腹状態。狂戦士のスキルを持つ彼らが、獲物を求めている。
そんな状態でこっちに来たら……間違いなく、被害は甚大になるだろう。
何故この地に来たのかは判らないけど、彼らが街に入ったら終わりだ。
「…………不可解な事が、多いな。一人……いや三人ほどでもいいから、あやつらを捕えて尋問出来ればいいのだが……二十体となると難しいな」
「えっ……それは、どうして……」
問いかける俺に、デハイアさんは素直に答えてくれた。
「単純に、兵力が足りない。力が有る者は、別の地域の見張り番として立たせている。今はちょうど、交代の時期……全ての実力者が出払っているのだ。だが、それでも、ビジ族でなければこの領都のものだけでなんとか出来た」
「ってことは……ビジ族はモンスター以上ってこと、ですか……」
「うむ。さすがは我が妹だ、聡い。……ゆえに、お前達の事を数えなければ、現在の残存兵力では間違いなく領都は滅する」
さらっと言ってるけど、デハイアさんもただならぬ様子だ。
きっと、領主だから冷静にならなければと思っているんだろう。
そういう所は……なんだか、クロウと似ているような気がした。
「じゃあ、僕達が手伝うとしてどういう働きを望むんだ? それによって、相手に敵うかどうかも変わって来ると思うが」
要するに「自分達の使いかた次第で状況は覆る」とブラックは言いたいのだろう。
かなり居丈高な発言にも思えるけど、それは実際正しいと思う。
デハイアさんは、俺達がどんな戦い方をするのか知らない。だから、未知数の力を人数に入れたとはいえ、まだどう使うか考えあぐねているのだろう。
それをブラックは指摘して「どう使う」と聞いているのだ。
もし下手な使われ方をされたら、それで失敗して自分達にまで責任を背負わされかねない……なんて思ってるんだろうなぁ……。
そんなブラックに、デハイアさんは数秒考えた後、体を向けた。
「……お前達には、領民の避難を……」
「させて、戦死覚悟で自分達だけ戦うって? 武人サマってのは本当に頭が固いってモンじゃないんだなぁ。獣人ってのはバカなのか? おい、熊公」
「そ、そうではない……ぞ……」
なんで弱々しい返しなんだクロウ。アンタら賢いでしょもっと胸を張れ。
でも、クロウが言いよどむのも分かる。武人は正々堂々戦ってこそ、だもんな。
強そうだけど使えるかどうかわからない妙な力を戦力にするよりも、自分達が盾になって弱い者達を逃す手助けとして使った方が良い……なんて考えるのは、戦士としては当然の事だと思う。
だって、自分達は戦うために訓練を積んできたんだもんな。
でも、それじゃブラックは納得しないだろう。
俺だって、納得しない。
「……デハイアさん」
コップを乗せたままのトレイを置いて、指揮官である相手の前に歩み出る。
見上げないといけないほど背が高くて年上の相手だけど、それでも俺は怯む事なく相手の瞳に視線を合わせて続けた。
「俺達も、戦えます。獣人みたいに拳を打ち合わせる事は出来ないかも知れないけど、でも俺らなりの戦い方があるんです。どうか、それを許して貰えませんか」
「ツカサ……」
「お願いします。俺達にも、街を守らせてください」
驚いた顔で俺を見つめ返してくる相手を、ただ見上げ続ける。
俺の言いたい事は、伝わっていないかも知れない。それでも、たったの数時間で俺を妹だと思ってしまうような相手なら、何かを汲み取ってくれるかもしれない。
例え人を憎んでいても、だからって人はその感情だけで生きてるんじゃない。
デハイアさんだって、クロウを憎んでいるだけというわけじゃないんだ。
だから……――
「…………妹と言うのは、おしなべて我が強いもののようだな。お前のその強い意思の瞳は、我が愛しの妹スーリアに本当に良く似ている」
視界の端で、特徴的な髪色と熊耳を持つ頭が少し上がったのが見える。
顔も視線も動かさないまま、俺はデハイアさんに小さく笑って見せた。
「そう言って貰えて、嬉しいです」
「……よし。ならばお前の力を見せてみろ。そうまで言うなら、何か考えている作戦があるのだろう。この兄が、あますところなく聞いてやる」
「えっ……」
アッ、やべっ、そ、そこまで考えてなかった。
いやさっきちょっと思い付きそうな感じだったんだけど、ナルラトさんが急に出てきたから驚いて飛んじゃったっていうか……ああぁあどうしよう。
啖呵切って「何も考えてません」じゃ格好つかないって。
ど、どうしよう。ど、ど、どどど……どど……ん……どどど……?
「あ……」
「どうした、我が妹よ」
俺は、横を向いて“あるもの”を見ると、それが行く先を確かめる。
そうして――――目を見開いた。
「……そうだ……そう、そうですっ。これなら、きっとアイツらも近付けない!」
「んぬ? な、なんだ。どうしたというのだ」
デハイアさんは困惑しているが……視界にちらちらと見えるブラックの顔は、俺が何を考えているのか分かったのか、なんだかニヤついている。
またブラックにだけは見抜かれてしまったのかと思うと、何故だか恥ずかしくなってしまったが、それでも今は気にせずにデハイアさんに答えた。
「ビジ族を街に近付けない方法、あるかも知れないんです!」
その言葉に、デハイアさんは眉をぐっと上げて目を丸くしている。
いつもの険しい顔つきが嘘のようなその表情に少し笑みが湧いたが、俺はそれを抑え込んで、今思い付いた“可能性”を説明する事にした。
→
※ツイ…エックスでちょろっと言ってた通り遅くなりました
(;´Д`)モウアサデス…
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