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6巻
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シュウ一行とユガリス教聖騎士団との、大陸全土を巻き込んだ戦争が終わった。
最後の激戦の舞台となった聖都レオナレルは、一時期、ほぼ廃墟のような状態だった。
廃墟と言っても、この地の戦では破壊兵器や火矢が用いられなかったので、建築物に被害はあまりない。ただ、大陸一の大都市から人の気配が失われただけだ。
大陸全土から出征した王家や貴族は、敗戦した神聖ネカスタイネル皇帝の代わりに、皇帝宮や貴族街の主となった。
その従者たちは、それぞれの主の居住する邸宅や、その周辺に仮の宿を求めている。
人が暮らすことによって、戦闘中はどこかしら不気味さが漂っていたレオナレルに、ほんの少しだけ活気が戻ったのである。
シュウたちは、周囲一帯を立ち入り禁止としたユガリス教の施設に、仲間たちだけで起居していた。
魔人化、アンデッド化した聖騎士団員の遺骸を浄化したり、呪具と化した彼らの装備を破片まで余さず回収したり。
宝物庫で眠る聖具や呪具の類いも、すべてサラがアイテムガジェットに収蔵していった。
シュウがいなくても、四精霊王で対応が可能な魔泉の浄化は、各精霊王の加護を持つ者――サラ、クリステル、ザフィア、ジルベルが行っている。
皇帝宮を再び今後の政治の中心施設とするために、結界を施すのも彼女たちの仕事だ。
先の戦いでは、地下通路でつながっていた修道院から皇帝宮へ、魔人や瘴気が殺到し、皇帝宮は自壊した。
古い都だからこそ存在するそういった人知れぬ通路を、とりあえず結界で封じる必要がある。
こうした事後処理や緊急の課題が多いのに対し、作業可能な人の数は足りなかった。
レオナレルでの戦いは、シュウや、白竜のシュネ、ユキ姉妹に大きなダメージを残した。
『世界樹の守護者』にしろ白竜にしろ、属性的には聖属性である。
そのため、人間を呪う気持ちを利用されて操られたドラゴンゾンビの攻撃が、ある種の呪いとなって体にまとわりついてしまったのだ。
サラ、ザフィア、クリステル、ジルベルには、その呪いの残滓がわかる。
「ある程度まで回復したら、一度、竜の巣に戻ろう」
シュウは一同に提案した。
「そうね……あそこならシュウ君たちもゆっくり静養できるし」
サラが言うと、全員がうなずく。
世界樹であるユーガが、地脈から瘴気を吸い上げて浄化した魔源を放出する。
その清浄な魔源を得ることで、シュウは自身の肉体に降りかかった呪いに対抗しうる力を得られる。
そうすれば、シュウの能力――グイードによると『世界樹の守護者』の能力ではなく、シュウ独自の才能――によって、シュネやユキが受けたダメージも駆逐できる。
要はシュウ自身さえ回復すれば、シュウたち全員の抱える呪いの問題は解決するのだ。
一通りの事後処理をサラたちが終え、暇乞いに訪ねた皇帝宮。そこで現在代表として玉座に座るのは、年長のノイスバイン王だった。
ヒルゼルブルツ王は執政室、ネッカーブンゲル王は、教皇が使っていた政務室をそれぞれ用いている。
サラの訪問を受け、三王が玉座のある謁見室に集合した。
「シュウ殿はまだ、伏せっておられるのか?」
ノイスバイン王がサラに尋ねる。
「はい。ドラゴンゾンビの攻撃によって受けたダメージがことのほか大きく」
サラは儀礼に則り、立て膝の礼で応える。
今回もまた、シュウたちは儀礼的な叙勲を断り、冒険者として世界を歩くのが望みである、と対外的に表明していた。
そのため、公的な場所での謁見は神経を使う。
それもあって今回は、儀礼に疎いジルベルや、本質的に人間の王に臣下の礼を取らないハイエルフの姉弟はこの席に連れてきていない。
「そなたらにばかり厳しい戦いを強いてしまったことを恥じ入るばかりだ。サラ殿。余らにできることがあれば、いつなりと、何なりと申すがよい。精霊王に賜りし剣にかけ、我らはいずかたなりとも馳せ参じよう」
「ありがとう存じます。このたびは厳しい戦いでした。我々もしばらくはラドムでゆっくりと静養いたします」
こうして三王家に暇乞いを済ませ、シュウ一行は翼竜隊の背に乗りラドムに帰還した。
◇◆◇
ラドムに着くと、アリシアは獣人族の里、サラはラドムの街、ザフィアは竜の巣にあるエルフの里、クリステルはネクアーエルツの関所と、それぞれの場所で急いで解決せねばならない課題に取りかかる。
そんな中、不死鳥のアンネリは姉のアデラと、「人の姿」としては復活後初めて再会した。
『私ももらい泣きしちゃったよ』
サラはそのときのことを、シュウに念話で聞かせた。
アンネリはレオナレルでの戦いの最中、ユキを回復魔法で助けるために、思わず不死鳥から人の姿に変わった。
彼女はその後試行錯誤しながらも、人化する術をきちんと身につけたのだ。
だがその事実は、ラドムで暮らしているアデラには知るよしもない。アデラは人の姿を取り戻した妹を見て、腰を抜かしてしまった。
『お茶を載せたトレイを落としてへたり込んじゃって、カタジーナに後で怒られたみたいよ。ふふ、お気に入りのティーセットが割れちゃったみたいで、お給料から引きますって』
『それは気の毒だね』
カタジーナのご機嫌取りに、新しいティーセットを贈らないとな、とシュウは思う。
『アンネリがびっくりしてアデラに駆け寄ったら、アデラに大泣きしながら抱きしめられて。でも自分じゃ気付いていないから、私が――』
サラは、アデラが今日初めてアンネリの少女の姿を見たことを教え、「ただいま、って言ってあげなさい」とアンネリを諭した。
「ただいま……お姉ちゃん」
「お……おかえり! アンネリ、おかえり!」
そのあとは姉妹揃ってわんわん泣いてしまい、周囲の者ももらい泣きをして一騒動だったようだ。
『しばらくはアデラと一緒に暮らさせてあげてよ。アンネリはユキのこと、心配かもしれないけどさ』
『うん、わかった』
シュウの言葉にサラもうなずいた。
ラドムでのサラの仕事の一つとして、経済復興中の商都エベルバッヒへの対応があった。
現在エベルバッヒを代表する商人はグレドとタンデールだが、実際に都市運営を維持しているのは、シュウとサラの組織である「黒竜殺しと舞姫」からの貸付金であり、ガルドーたち商船隊が輸送する物資であり、治安維持にラドムから派遣した冒険者たちなのである。
エベルバッヒにおける問題はそれだけではなかった。
商都に面している三国――タルデルヴォルフ王国、ホルベール王国改めツィルメン辺境伯国、神聖ネカスタイネル――は、今回の戦乱における敗戦国である。
エベルバッヒの商人たちが、今回の戦乱で滅亡したり没落したりした王侯貴族に信用で貸し付けた軍需物資の手形はすべて焦げ付いた。
長年、彼らに貸し付けていた割賦金の契約もすべて消失した。
債権として名目は残っているが、政変が完了したばかりの現在の状況では、いつ回収できるかのメドは立たない。
それに加えて、今後の新規取引は当分期待できなかった。
商都であり自由都市であったエベルバッヒを動かしていた一部の大商人を除くと、ほとんどの中小商家は、ラドムからの経済援助が途切れれば即日破綻するのだ。
エベルバッヒの開拓三家の主であるグレドとタンデールは、ついにエベルバッヒの都市運営をラドムに委ねる決議を採って、サラの元を訪ねてきた。
もはや、自由都市としての誇りや名門商家の矜持などは見る影もない。
今やラドムの機嫌を損ねれば、エベルバッヒはその日に滅ぶ。その事態を避けるためには、いっそラドムに吸収されたほうが安全なのである。
グレドとタンデールは、これまで交渉相手として応対してくれたシュウの不在を不安視していたが、やがて一時間とかからずにサラの交渉力を理解させられた。
サラは、シュウと綿密に念話で打ち合わせながら、ラドムの各部門の代表者――つまり都市運営のラルス、商業担当のベーゼルスやヤーゲン、銀行担当のホラーツといった実務者たちを招集し、わずか三日でエベルバッヒの今後を形にして見せたのだ。
彼らは、サラもまたシュウと同じく日本で高校に通い、日々の出来事を情報として蓄積して育った『現代っ子』であることを知らなかったのだ。
むしろ、情にほだされやすいシュウよりも、冷徹な決断もできるサラのほうが手強い交渉相手でさえある。
「エベルバッヒの運営にラルスを遣わします。もし肩書きが必要なら、市長ということにしてください。市民の代表役は今後もグレドさんとタンデールさんが当たってください。エベルバッヒの銀行は、ラドムの銀行と合併してもらいます。頭取はホラーツさんが」
サラの決裁に一同はうなずいた。
「ラドムの運営はいかがなさるのですか?」
ラルスが心配そうにサラに尋ねる。ラルスは有能ではあるが、体は一つしかない。
「カトヤに任せましょう」
サラは、排他的なハイエルフでありながら人間族にも深い理解と関心を持つ、クリステルとザフィアの祖母の名を挙げた。
現在カトヤはネクアーエルツ近くの関所を統括している。
しかし、聖都レオナレルが戦勝三国の連合統治となり、エベルバッヒも「黒竜殺しと舞姫」の傘下に下れば、この関所の防衛拠点としての意義は低くなる。
シュウ一行と三王家以外ではほとんど知る者もいないが、ラドムという都市が本質的には「世界樹の防衛」を目的としている以上、この地の支配には、カトヤのような人材が最適だった。
『シュウ君、グイードさんにアポを取ってくれる?』
『了解――用件は?』
『うーん、カトヤさんをラドムの太守にください? かな』
『……えー、いつでもお越しください、だって』
シュウにグイードに念話を送ってもらい、サラは関所にカトヤを訪ねた。
サラによってさらわれるようにグイードの元に連れられたカトヤは、そこでやっと落ち着いてサラの話を聞いた。
「ふむ。おぬしらは人間をエベルバッヒに、亜人をラドムにまとめたい、ということかな?」
カトヤが感想を漏らす。
「そこまで明確に線引きがしたいわけじゃないんですけどね。酪農、畜産、農業はラドムで引き続き育てて欲しいですし。かといって、北の森は獣人族のために聖域として残す必要があります。それにも増して、ラドムは竜の巣で暮らすエルフにとっても大切な拠点ですよね」
世界樹が二本に増えた結果、エルフの拠点は竜の巣とネクアーエルツ大森林の二ヶ所に割れてしまっている。
翼竜という空の機動力があるとは言え、ラドムは竜の巣とネクアーエルツを結ぶ重要な街なのである。
ここの維持は、長命なハイエルフ族に任せたいというのが、シュウたちの出した結論だった。
「なるほどのう」
その説明を受けて、カトヤもうなずいた。
「儂としても異論はない」
グイードもサラの説明に賛同してくれた。
「そもそも、シュウ殿はまだお若い。ラドムに留まらず、世界を駆け巡るほうがよろしかろう。となると、ザフィアやクリステルはシュウ殿のお側におったほうが良い道理だ」
「そうですな。後ろはわしら年寄りが守ればよろしかろう」
カトヤもグイードの賛意を受けて心を決める。
「……カトヤに年寄りと言われると、ちょっと困るわね」
シュウの治療によって、カトヤは身体的にすっかり若返っている。
人間で言うと、二十歳と言っても通じるほどの精気に満ちた美貌のハイエルフなのだ。
「困ったものよ……」
カトヤは嘆くように、つるりと自分の頬を両手でぬぐって苦笑した。
そもそもカトヤは、エルフの中でも別格の長寿であるグイードを除くと、かなり高齢の部類だった。
それを知るため、カトヤの美貌を見ても口説こうなどと考える者はさすがにいない。ただ、ぎょっと驚くだけである。
引き抜きについてグイードの了解を得たサラとカトヤは、すぐにラドムに戻った。
そしてサラによって、ラドムの太守がカトヤになったと布告されたのである。
◇◆◇
サラはサルデンに命じて、商会機能を代表するラルスと共に、冒険者ギルドも丸ごとエベルバッヒに移させることとした。
しかしサルデンは渋った。
「やっと冒険者学校も軌道に乗ってきたところなんですぜ?」
サルデンは個人的にラドムが気に入っていたし、せっかく腰が落ち着いたところだったので、また引っ越しかと思うとそれだけで疲れてしまったのだ。
「なに言ってるの? あなた冒険者でしょ?」
サラは苦笑する。
「……防衛拠点として考えたとき、軍事力を持たないエベルバッヒに冒険者を置くのは理にかなってるじゃない」
移転の意図をサルデンに説明する。
もし何かあったとき、今の地勢的に前線となるのはラドムでもネクアーエルツでもない。
北の陸海の玄関エベルバッヒであり、南の聖都レオナレルである。
「ラドムの守りにはエルフ族と獣人族がいるけど、エベルバッヒは現状、丸裸に近いわ。だからそこにうちのギルドを置くの。それに、エベルバッヒのほうが冒険者にとって平時の仕事が多いのよ」
見込みのある若者や孤児をレジナレス全土から集め、魔物退治を安心して任せられるような中堅冒険者になるまで、サルデンの作る学校で鍛える。
普段は商家や商隊の警護や労働力として、商人たちから仕事がもらえる。
そしていざというときには、エベルバッヒ防衛の戦力となるのだ。
冒険者ギルドにとって、そしてサルデンにとって幸いだったのは、エベルバッヒの開拓三家の一つだったクサバー家の全施設が、「黒竜殺しと舞姫」への借財の代物弁済として提供されたことだった。
出会った当初からシュウに敵対していたクサバーは、旧ユガリス教会と深く結託し、自由都市の透明性と中立性を損ねた。
ユガリス教の敗戦が濃厚となったとき、経済の破綻したエベルバッヒを救済するためにクサバーは粛清され、それがシュウたちへの恭順の証とされたのである。
クサバーの個人資産や巨大商家の施設は、ギルドと学校、そして冒険者たちの寮の運営をまかなうのに充分だったので、サラが提供した膨大な魔術書を運ぶだけで、あっという間に引っ越しは完了した。
◇◆◇
暴徒によって焼かれたラドムの下町の再建は、すでに着工している建物を除き、見送られることになった。
エベルバッヒには、ラドムで焼け出された商人や工人たちが移住し、働けるだけのゆとりがある。むしろ、現在のエベルバッヒの状況を考えると、街を支えるこうした技能者は大歓迎だった。
一方、ラドムの下町に必要なのは、今後ここで生きる者たちのための市場だ。
サラたちがこうして奔走していた間に、シュウは充分に回復し、竜の巣でシュネやユキに最後の治療を行った。
といってもシュウは、彼女たちにしつこくまとわりついている不快な呪いの類いを浄化しただけだ。
解呪が終わるとさすがに聖獣、白竜の姉妹だった。みるみる顔色がよくなり、食欲を取り戻していった。
「二人とも、もう大丈夫そうだね?」
「はい、ありがとうございます、シュウ様」
シュウの言葉にシュネが無邪気に答える。
エルフたちが作ってくれる食事を一心不乱に食べる二人を見て、シュウは安心した。
まだ少し体の重そうな仕草をするシュネだったが、やっと明るい微笑みを浮かべるようになってきた。
「まあ急ぐことはないけど、元気になったら、あの黒竜を探しに行こう」
シュウが言うと、一瞬驚いたような表情を浮かべた後、シュネは頭を下げ感謝の意を伝える。
初夏を迎えてもまだ、竜の巣は高地らしい過ごしやすい陽気に包まれていた。
シュウたちは食事が終わると、草原で日課の昼寝を楽しんだ。
翌日、シュウはエルフの里に下りた。
レオナレルの戦闘では、シュウ自身も常用していたサムライ装束、陣羽織や袴にダメージを受けたし、サラの鎧や剣も消耗していた。
五百の魔人と、それを上回るアンデッドを相手にしたザフィアやクリステル、アリシアらの装備も、破損こそしていないが劣化しているだろう。
今回もエルフの精霊鍛冶師たちのところで、全員分の装備を修繕することにしたシュウは、朝方それらをすべて回収して歩いた。
「私も一緒に行くわ。いいでしょ、シュウ君?」
今まであまり精霊鍛冶に関心を示さなかったサラが、初めてシュウに同行を申し出た。
「いいけど……珍しいね?」
シュウは微笑しながらちょこんと首を傾けた。
「精霊鍛冶ってさ、私にもできるかな?」
「うーん、できるんじゃないかなあ? サラはウンディーネと以心伝心だし、他の精霊王たちにもお願いしやすい訳だしね」
精霊の加護を受けるエルフ族の鍛冶師は、よほど追い求めでもしなければ滅多に精霊に巡り合えない人間族の鍛冶師とは比較にならないほど、精霊鍛冶の才に恵まれている。
なので、四精霊王の加護に恵まれるサラのような存在は、少なくともエンチャントに限定するなら、かなり優位だろうとシュウは思う。
精霊鍛冶の工房に入ると、サラを知らぬ一同は圭角の立った視線でサラを一瞥した。
それに気付かぬふりをしてシュウは、ケレン味たっぷりにエルフの職人たちを見渡す。
「皆さん、紹介します。彼女はサラ。水の精霊王ウンディーネの加護を持つ人で、僕の相棒で、家族です」
「はじめまして」
シュウの紹介で頭を下げたサラ。
顔を上げると、険悪そうだった十人ほどの精霊鍛冶師たちが、一様に唖然としてシュウとサラを交互に見やっている。
困惑したように立ち尽くす彼らを見て、サラは首をかしげた。
「ああ!」
シュウはその理由を悟って、表情を崩した。
「ウンディーネ!」
そう呼ぶと、美しい女性の姿をしたウンディーネがサラの隣に現れる。
「!」
エルフたちは、ぽかんと口を開けて腑抜けた状態になったあと、弾かれたように右膝を地に突けて精霊王に敬意を示した。
「あっはははっ」
シュウはお腹を抱えて笑い出す。
「サラ、彼らはね、普段着の君を見たことがないんだよ!」
「……ああ、そうかも」
彼らエルフの記憶にあるサラは、いつもまばゆい聖騎士の鎧を身にまとっていた。だから普段着の彼女が、美しくはあっても人間族のただの少女に映ったのだろう。
シュウが悪戯っ子のような瞳をウンディーネに向けると、ウンディーネはお役ご免になったのを悟って、サラの体に重なって消えた。
「皆さん、今日はシュウ君に鍛冶を習いに来ました。お仕事の邪魔にならないようにしますので、よろしくお願いします」
サラが一同に頭を下げると、小声で後ろからささやき合う声が聞こえてきた。
「あれがサラ様だったのか……俺、いつも鎧ばかり見ていたからお顔がわからなかった……」
「そういえば、俺も剣しか見ていなかった」
シュウとサラは、再び込み上げる笑いをこらえるのでいっぱいいっぱいになってしまった。さすがは鍛冶師である。
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