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ダルマータ国
23. 思い出6
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リルルが表向き、アビーの部屋付き侍女になって2ヶ月が過ぎようとしていた。
アビーがお茶会を開きたいというので、リルルは食器や茶菓子の準備をして、王城のあの庭園を華やかに飾り付けをする。
初めて王城に来た際、この庭が眩しく感じたのに、今ではすっかり見慣れた風景の一部となっていた。
リボンや風船で飾り付けをし、テーブルクロスは水色で爽やかさを演出し、焼き菓子を幾つも重ねてタワーのように見立てた。
うん、我ながらかなり、良い出来栄えだと思う。
意気揚々と、アビーに知らせるために戻ると、アビーは驚くほど美しく飾り立てられていた。
たおやかな黄金色の髪は結い上げられ、頭上には黄金色に輝き、今は翠色のアレキサンドライトが中央に光り輝くティアラがのせられている。
アビーの肌が映えるように淡い紫色のドレスを纏い、胸元には、繊細なレースが施されており、ドレスのすそは幾つものフリルが重ねられ、動くたびにふわりと揺れる。
両耳には、大粒のパールの耳飾りをつけており、胸元はドレスの美しさを目立たせるために、敢えて何にもつけられていない。
それがかえってアビーのデコルテの美しさを際立たせた。
それはまさに王女。
貫禄にも似た神々しさと気品をアビーは纏っていた。
「あ、お帰りなさい」
ニコニコして笑ったその顔はいつものアビーなのに、その美しさに目を奪われ、リルルは返事ができずにいると、アビーが、不思議そうに首を傾げる。
「どうしたの?」
アビーの言葉にリルルは、ハッとした。
「綺麗だな、と」
リルルは思ったことをそのまま、アビーに伝えたのだが、それは思いの外、直球すぎる感想だったので、アビーは頬を赤らめて、照れた。
「ありがとう。今日は王女としての役目なのよ。付け焼き刃だけど、様になっているなら安心ね」
アビーがいい終わる前に、アビーの身の回りの世話をしていた侍女の一人が「今日はお見合いなんですよ」とリルルに、こっそり耳打ちをした。
それは晴天の霹靂だった。
アビーの立場を考えれば、当たり前ことだ。正統なる王の血筋で、本人に女王として君臨することは不可能でも、その伴侶が次期精霊王となることは至極真っ当な話である。
それなのにこの衝撃は何だというのだ。アビーが誰かのものになると思ったら、嫉妬や憎悪といった禍々しい黒い気持ちばかりが出てくる。
思えば、初めてあった瞬間から、気になっていたようなそんな気さえする。
目を離すことができない強烈なその姿に、出会った瞬間から。
ゆっくりと部屋を後にするアビーの姿を眺めるしかできなかった。
アビーのお茶会には精霊国の有力者の子息や令嬢が集まり、賑やかに執り行われていた。
リルルは給仕をしていたが、用がない時は、庭園の片隅に立ち、ただ、漫然とアビーの様子を見ているだけだった。
お茶会の中でも一際目を引くのが、サイモンと名乗る美丈夫で、完璧なまでのエスコートと気遣いが素晴らしく、非の打ち所がない男だった。
アビーの腰に手を回し、にこやかに微笑むと、少しだけ膝をかがんでみせる。
「アビゲイル王女、この度はお招きいただきありがとうございます」
サイモンがそういって、アビーの右手に口づけをした時、リルルの腹の中に何がわからないが煮えたぎるものがあった。
「まあ。騎士がそのようにしてはなりませんわ」
アビーはそう言うと、早々にサイモンから、右手を離す。
「王女の前では、役職など無意味。私はただの男です」
この国では愛を誓う時や、その者に服従する時、相手の右手にキスをする習慣がある。
アビーはサイモンに騎士が易々と他人に服従すべきではない、と述べたが、サイモンはアビーに惚れていると返答したのだ。
「そう言うことにしておきます」
アビーはこれ以上押し問答を続けても意味がないと悟るとニコリと微笑み、サイモンから離れた。
リルルはそんな二人のやり取りを、近くにいながらも何にも手が出せず、ただ苛立ちを隠すために、唇を噛み、拳を握るしかできなかった。
圧倒的無力を感じたのだ。
お茶会が終わり、片付けをしていると、アビーがリルルの側にやってきた。
今は侍女の姿をして、周りに溶け込んでいる。
「結婚するのか?」
リルルは思わず、アビーに問いかける。アビーは狼狽えているのか、リルルと目を合わせず、茶器を片付ける。
「突然、何よ」
茶化しているのだろうと、思って冗談混じりで聞き返すと、リルルから腕を掴まれ、アビーは強制的にリルルと向かい合う形となった。
「するのか?」
「………わからない」
質問には正確に答えた。結婚はいずれするだろう。だが、相手がサイモンなのかは、まだわからない。
「行くな」
リルルはそう言って、アビーをキツく抱きしめた。アビーは訳がわからず、抵抗しようとしたが、リルルはさらにキツくアビーを抱きしめ、アビーの自由を奪う。
「他のやつのところなんか行くな」
そんな言葉を言ったとて、何の意味がないことをリルルは知っていたが、思わず言ってしまった。
「…‥うん」
アビーがそう言った。
そこから先は、はっきりとは覚えていない。
確か、二人で手を握って、王城を抜け出して、走って走って、森の中まで走ったきがする。
途中何度か休憩して、追手から逃れた。程なくして、リルルに指名手配のビラが配られていたが、だからと言って、どうすることもない。
誰もいないような田舎の森の中に小さな小屋を立て、リルルとアビーはそこで暮らした。
そして、かつて夢見た田舎で、アビーと二人で田畑を耕し、毎日、ゆっくりと時間が過ぎる。これほどの幸せをリルルは感じたことがなかった。
暫くして、アビーは妊娠し、リルルとアビーは喜びながら我が子に会えるのを楽しみに待った。時折、腹の子供がアビーの腹を蹴るので、それが愛おしくて堪らなかった。
金はない。だが、二人は幸せだった。
そしてその幸せは長続きしなかった。
王城からの追手は早々に二人の居場所をみつけ、小屋の周囲を包囲された。銃や魔法で仰々しく攻め込まないのは、アビーを思ってのことだろう。
リルルは自分の死を覚悟して、外の兵士の元へ降ろうとしていたが、アビーが首を横に振った。
「ダメよ」
カーテンを閉め切った小屋の中でアビーの赤色の瞳が炎のように揺らいだのをリルルは見ていた。
「俺は幸せだったよ」
「生きて。生きてさえいれば、必ず会えるから」
アビーはそう言って、自身の額に右手の人差し指を充てると、テーブルに触れた。
テーブルが赤く光り、アビーの触れた部分から水面の波紋が広がるように、大きくなる。
「愛してる、リル」
そう言って、アビーはリルルに口づけをし、リルルも口づけをした。アビーを抱きしめようとしたリルルの手を払い除けると素早くテーブルの赤い光の中へ落とした。
「アビー」
リルルは赤い光の中に落ちていき、泣き崩れるアビーの顔だけが鮮明に映った。
気がついた時、そこにアビーはおらず、兵士もいなかった。
リルルは一人、人間界にいた。
アビーがお茶会を開きたいというので、リルルは食器や茶菓子の準備をして、王城のあの庭園を華やかに飾り付けをする。
初めて王城に来た際、この庭が眩しく感じたのに、今ではすっかり見慣れた風景の一部となっていた。
リボンや風船で飾り付けをし、テーブルクロスは水色で爽やかさを演出し、焼き菓子を幾つも重ねてタワーのように見立てた。
うん、我ながらかなり、良い出来栄えだと思う。
意気揚々と、アビーに知らせるために戻ると、アビーは驚くほど美しく飾り立てられていた。
たおやかな黄金色の髪は結い上げられ、頭上には黄金色に輝き、今は翠色のアレキサンドライトが中央に光り輝くティアラがのせられている。
アビーの肌が映えるように淡い紫色のドレスを纏い、胸元には、繊細なレースが施されており、ドレスのすそは幾つものフリルが重ねられ、動くたびにふわりと揺れる。
両耳には、大粒のパールの耳飾りをつけており、胸元はドレスの美しさを目立たせるために、敢えて何にもつけられていない。
それがかえってアビーのデコルテの美しさを際立たせた。
それはまさに王女。
貫禄にも似た神々しさと気品をアビーは纏っていた。
「あ、お帰りなさい」
ニコニコして笑ったその顔はいつものアビーなのに、その美しさに目を奪われ、リルルは返事ができずにいると、アビーが、不思議そうに首を傾げる。
「どうしたの?」
アビーの言葉にリルルは、ハッとした。
「綺麗だな、と」
リルルは思ったことをそのまま、アビーに伝えたのだが、それは思いの外、直球すぎる感想だったので、アビーは頬を赤らめて、照れた。
「ありがとう。今日は王女としての役目なのよ。付け焼き刃だけど、様になっているなら安心ね」
アビーがいい終わる前に、アビーの身の回りの世話をしていた侍女の一人が「今日はお見合いなんですよ」とリルルに、こっそり耳打ちをした。
それは晴天の霹靂だった。
アビーの立場を考えれば、当たり前ことだ。正統なる王の血筋で、本人に女王として君臨することは不可能でも、その伴侶が次期精霊王となることは至極真っ当な話である。
それなのにこの衝撃は何だというのだ。アビーが誰かのものになると思ったら、嫉妬や憎悪といった禍々しい黒い気持ちばかりが出てくる。
思えば、初めてあった瞬間から、気になっていたようなそんな気さえする。
目を離すことができない強烈なその姿に、出会った瞬間から。
ゆっくりと部屋を後にするアビーの姿を眺めるしかできなかった。
アビーのお茶会には精霊国の有力者の子息や令嬢が集まり、賑やかに執り行われていた。
リルルは給仕をしていたが、用がない時は、庭園の片隅に立ち、ただ、漫然とアビーの様子を見ているだけだった。
お茶会の中でも一際目を引くのが、サイモンと名乗る美丈夫で、完璧なまでのエスコートと気遣いが素晴らしく、非の打ち所がない男だった。
アビーの腰に手を回し、にこやかに微笑むと、少しだけ膝をかがんでみせる。
「アビゲイル王女、この度はお招きいただきありがとうございます」
サイモンがそういって、アビーの右手に口づけをした時、リルルの腹の中に何がわからないが煮えたぎるものがあった。
「まあ。騎士がそのようにしてはなりませんわ」
アビーはそう言うと、早々にサイモンから、右手を離す。
「王女の前では、役職など無意味。私はただの男です」
この国では愛を誓う時や、その者に服従する時、相手の右手にキスをする習慣がある。
アビーはサイモンに騎士が易々と他人に服従すべきではない、と述べたが、サイモンはアビーに惚れていると返答したのだ。
「そう言うことにしておきます」
アビーはこれ以上押し問答を続けても意味がないと悟るとニコリと微笑み、サイモンから離れた。
リルルはそんな二人のやり取りを、近くにいながらも何にも手が出せず、ただ苛立ちを隠すために、唇を噛み、拳を握るしかできなかった。
圧倒的無力を感じたのだ。
お茶会が終わり、片付けをしていると、アビーがリルルの側にやってきた。
今は侍女の姿をして、周りに溶け込んでいる。
「結婚するのか?」
リルルは思わず、アビーに問いかける。アビーは狼狽えているのか、リルルと目を合わせず、茶器を片付ける。
「突然、何よ」
茶化しているのだろうと、思って冗談混じりで聞き返すと、リルルから腕を掴まれ、アビーは強制的にリルルと向かい合う形となった。
「するのか?」
「………わからない」
質問には正確に答えた。結婚はいずれするだろう。だが、相手がサイモンなのかは、まだわからない。
「行くな」
リルルはそう言って、アビーをキツく抱きしめた。アビーは訳がわからず、抵抗しようとしたが、リルルはさらにキツくアビーを抱きしめ、アビーの自由を奪う。
「他のやつのところなんか行くな」
そんな言葉を言ったとて、何の意味がないことをリルルは知っていたが、思わず言ってしまった。
「…‥うん」
アビーがそう言った。
そこから先は、はっきりとは覚えていない。
確か、二人で手を握って、王城を抜け出して、走って走って、森の中まで走ったきがする。
途中何度か休憩して、追手から逃れた。程なくして、リルルに指名手配のビラが配られていたが、だからと言って、どうすることもない。
誰もいないような田舎の森の中に小さな小屋を立て、リルルとアビーはそこで暮らした。
そして、かつて夢見た田舎で、アビーと二人で田畑を耕し、毎日、ゆっくりと時間が過ぎる。これほどの幸せをリルルは感じたことがなかった。
暫くして、アビーは妊娠し、リルルとアビーは喜びながら我が子に会えるのを楽しみに待った。時折、腹の子供がアビーの腹を蹴るので、それが愛おしくて堪らなかった。
金はない。だが、二人は幸せだった。
そしてその幸せは長続きしなかった。
王城からの追手は早々に二人の居場所をみつけ、小屋の周囲を包囲された。銃や魔法で仰々しく攻め込まないのは、アビーを思ってのことだろう。
リルルは自分の死を覚悟して、外の兵士の元へ降ろうとしていたが、アビーが首を横に振った。
「ダメよ」
カーテンを閉め切った小屋の中でアビーの赤色の瞳が炎のように揺らいだのをリルルは見ていた。
「俺は幸せだったよ」
「生きて。生きてさえいれば、必ず会えるから」
アビーはそう言って、自身の額に右手の人差し指を充てると、テーブルに触れた。
テーブルが赤く光り、アビーの触れた部分から水面の波紋が広がるように、大きくなる。
「愛してる、リル」
そう言って、アビーはリルルに口づけをし、リルルも口づけをした。アビーを抱きしめようとしたリルルの手を払い除けると素早くテーブルの赤い光の中へ落とした。
「アビー」
リルルは赤い光の中に落ちていき、泣き崩れるアビーの顔だけが鮮明に映った。
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