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プロローグ
レア度Rのゴミ勇者
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召喚士A「はあ……また外れか。」
召喚士B「勇者なんてなかなか見つからないもんだな……。」
召喚士A「まあ外れだろうとウェルディア王国の移民として俺たち純国民が楽して暮らせるように代わりに働いてくれる訳だがな。」
召喚士B「エレス様もエグいこと考えるよな。異世界から人を引っ張ってきて、高ランクの者は勇者として信仰対象にして、低ランクの者は奴隷にしてこき使うんだからよ。」
召喚士A「流石、効率の女神エレス様ってとこだな。さて、次の召喚にいくぞ!」
召喚士B「あいよ!次こそは当たりを引こうぜ!!」
そして2人の召喚士はその場から去っていった。
目が覚めると、質素なヘッドの上で寝ていたようだ。周りを見渡すとそこは6畳ほどの狭い部屋で窓はなく、部屋のドアには鍵がかかっているようだった。
部屋にはテーブルとイスがあり、洒落たアンティーク調のインテリアが置いてある。壁には絵画が飾ってあったり、花瓶に花が生けてあったりする。しかしながら俺はどこか異質な空間にいるような気がした。それは、この部屋自体に見覚えがないからだ。
男「ここは一体……?」
そう呟いた瞬間、ガチャリと音がしてドアが開き、そこから1人の女性が入ってきた。女はRPGのシスターみたいなキラキラとした装飾をつけた真っ白なローブを羽織っており、胸のところにはアクセサリのようなものがついていた。女の風貌からしてここが日本、いや地球でないことは明白であった。
女「お目覚めになりましたか?」
俺が困惑している中、女は俺に声をかけてきた。その声からは優しさのようなものを感じた。
男「あ、はい。あのー、ここはどこですか?こんなところで寝ていた覚えはないのですけど……」
女「あなたはこのミストラル大陸、ウェルディア王国の国民として召喚されました。ここは王都ウェルディアにある転移者用施設です。」
男「ミストラル大陸?ウェルディア王国?何それ、どこですかそこ?」
女「それではこれを。」
女はそう言って一冊の本をどこからか取り出し、俺に渡した。
女「この本をよめばわかると思いますので、どうぞ読んでみてください。それでは私はこれで失礼します。」
男「いやいやいやそれはないでしょ!?もう少し説明とかしてくれてもいいんじゃないですか!?」
女「申し訳ありません。私にはこの後予定がありますので、もう行かなくてはならないのです。それではさようなら。」
いきなりこんなところに連れてこられて、しかも何も聞かされず本だけ渡されて放置されるとは思ってもいなかった。
流石に頭にきた俺は女の服を掴んで引き留める。
男「ちょっと待ってください!せめて何か説明をしてください!」
すると女は嫌そうに俺の手を振りほどいた。
女「チッ……うるさいですね。あなたみたいなRの転移者にいちいち構っていられるわけがないでしょう。これ以上邪魔するなら処分しますよ?」
女は俺をゴミを見るような目で睨みながらそう言った。
Rとは一体何のことなのかわからなかったが、もしかして、ガチャで引いたレアリティの事だろうか? だとしたらこの女の発言はおかしい。普通、召喚された人は特別な存在じゃないのか?
男「ちょっと待ってください。Rというのはどういう意味なんですか?それに処分って……まるでモノのような扱いじゃないですか。」
女「はぁ……そんなこともわからないんですか?これだからRの人間は……。いいでしょう、説明してあげます。異世界からの転移者はその資質に応じてランクとして便宜的にN、R、SR、SSR、UR、LRに分けられます。わかったらさっさと出ていってくださいね。」
俺は納得がいかなかった。勝手に呼び出しておいてなぜこんな扱いを受けなければならないのか。しかしここで逆上したとして、俺の予想だとこの女は魔法みたいなものを使ってくる気がする。そうなると俺には勝ち目がないだろう。とりあえず今は従っておくしかないと思った。
男「わかりました。……その、どこに行けば良いのですか?」
女「国民身分証をもらったら自由に好きなところに行ってもらって構いません。」
男「……そうですか。ありがとうございました。では、失礼しました。」
悔しい気持ちを押し殺し、俺は部屋を出て、出口に向かうことにした。
召喚士B「勇者なんてなかなか見つからないもんだな……。」
召喚士A「まあ外れだろうとウェルディア王国の移民として俺たち純国民が楽して暮らせるように代わりに働いてくれる訳だがな。」
召喚士B「エレス様もエグいこと考えるよな。異世界から人を引っ張ってきて、高ランクの者は勇者として信仰対象にして、低ランクの者は奴隷にしてこき使うんだからよ。」
召喚士A「流石、効率の女神エレス様ってとこだな。さて、次の召喚にいくぞ!」
召喚士B「あいよ!次こそは当たりを引こうぜ!!」
そして2人の召喚士はその場から去っていった。
目が覚めると、質素なヘッドの上で寝ていたようだ。周りを見渡すとそこは6畳ほどの狭い部屋で窓はなく、部屋のドアには鍵がかかっているようだった。
部屋にはテーブルとイスがあり、洒落たアンティーク調のインテリアが置いてある。壁には絵画が飾ってあったり、花瓶に花が生けてあったりする。しかしながら俺はどこか異質な空間にいるような気がした。それは、この部屋自体に見覚えがないからだ。
男「ここは一体……?」
そう呟いた瞬間、ガチャリと音がしてドアが開き、そこから1人の女性が入ってきた。女はRPGのシスターみたいなキラキラとした装飾をつけた真っ白なローブを羽織っており、胸のところにはアクセサリのようなものがついていた。女の風貌からしてここが日本、いや地球でないことは明白であった。
女「お目覚めになりましたか?」
俺が困惑している中、女は俺に声をかけてきた。その声からは優しさのようなものを感じた。
男「あ、はい。あのー、ここはどこですか?こんなところで寝ていた覚えはないのですけど……」
女「あなたはこのミストラル大陸、ウェルディア王国の国民として召喚されました。ここは王都ウェルディアにある転移者用施設です。」
男「ミストラル大陸?ウェルディア王国?何それ、どこですかそこ?」
女「それではこれを。」
女はそう言って一冊の本をどこからか取り出し、俺に渡した。
女「この本をよめばわかると思いますので、どうぞ読んでみてください。それでは私はこれで失礼します。」
男「いやいやいやそれはないでしょ!?もう少し説明とかしてくれてもいいんじゃないですか!?」
女「申し訳ありません。私にはこの後予定がありますので、もう行かなくてはならないのです。それではさようなら。」
いきなりこんなところに連れてこられて、しかも何も聞かされず本だけ渡されて放置されるとは思ってもいなかった。
流石に頭にきた俺は女の服を掴んで引き留める。
男「ちょっと待ってください!せめて何か説明をしてください!」
すると女は嫌そうに俺の手を振りほどいた。
女「チッ……うるさいですね。あなたみたいなRの転移者にいちいち構っていられるわけがないでしょう。これ以上邪魔するなら処分しますよ?」
女は俺をゴミを見るような目で睨みながらそう言った。
Rとは一体何のことなのかわからなかったが、もしかして、ガチャで引いたレアリティの事だろうか? だとしたらこの女の発言はおかしい。普通、召喚された人は特別な存在じゃないのか?
男「ちょっと待ってください。Rというのはどういう意味なんですか?それに処分って……まるでモノのような扱いじゃないですか。」
女「はぁ……そんなこともわからないんですか?これだからRの人間は……。いいでしょう、説明してあげます。異世界からの転移者はその資質に応じてランクとして便宜的にN、R、SR、SSR、UR、LRに分けられます。わかったらさっさと出ていってくださいね。」
俺は納得がいかなかった。勝手に呼び出しておいてなぜこんな扱いを受けなければならないのか。しかしここで逆上したとして、俺の予想だとこの女は魔法みたいなものを使ってくる気がする。そうなると俺には勝ち目がないだろう。とりあえず今は従っておくしかないと思った。
男「わかりました。……その、どこに行けば良いのですか?」
女「国民身分証をもらったら自由に好きなところに行ってもらって構いません。」
男「……そうですか。ありがとうございました。では、失礼しました。」
悔しい気持ちを押し殺し、俺は部屋を出て、出口に向かうことにした。
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