2 / 18
第1章:Eランク
2.異世界の大地
しおりを挟む
眩い光が収まり、俺は柔らかい地面に叩きつけられた。
一郎「うわっ!? いてぇ……」
起き上がると、そこはどこまでも広がる草原だった。いや、広がるというか、**草がデカすぎる**。
まるでジャングルのように伸びた草が俺の胸あたりまで生い茂り、風が吹くたびに巨大な葉がざわめく。
遠くを見渡せば、木々もまるで高層ビルのようにそびえ立ち、さらにその向こうには石造りの城壁に囲まれた街が見えた。
一郎「あれが……町か? いや、デカすぎないか……?」
混乱の中で呆然と立ち尽くしていると、頭の中に直接響くような声が飛び込んできた。
シエラ『やっほー!改めまして、私はシエラ!異世界転移の担当女神でーす♪』
聞こえてきたのは、脳に直接響くような、やけに明るい声だった。
誰だよシエラって。てか、いきなり女神自己紹介!?
一郎「は!? 誰だお前!てかどこから!?」
シエラ『今はテレパシーで話しかけてるから!直接は見えないけど、心の耳で聞いてくれればOK☆』
“心の耳”とかいう概念がさらっと出てきた。どこのスピリチュアル世界だよ。
一郎「……俺の心にBluetoothでもついてんのか」
シエラ『えー? そんなのないよ~。でもね、びっくりしてる暇ないから説明しちゃうね!』
いや、ちょっとくらい待てよ。情報量の洪水がすごいんだが。
シエラ『まず今いる場所なんだけど、ここは『エルガディア大陸』の北西に位置する『ギルゼン王国』ってところ!」
ギルゼン王国。知らねぇよそんな国……でも、見渡す限りの景色を見れば、ここが間違いなく“異世界”ってやつだってことは嫌でも分かる。
シエラ『人間さんたちの拠点の中でも、けっこう発展しててね~。治安も良い方だよ!……たぶん!』
たぶん!?今の“たぶん”が一番怖ぇんだよ!
シエラ『魔獣とか盗賊とかもいるけど、そこはまぁ……運だねっ♪』
おい待て、それ本当に運任せでいいのか?
シエラ『で、ちょっとごめんね。転移のときにサイズ調整をミスっちゃって……今の一郎くん、こっちの人たちの6分の1サイズになっちゃってまーす☆』
……は!?
一郎「おいおいおいおい、それって俺……ウサギレベルじゃねぇか!!』
この草の高さも、街のスケールも、全部納得したわ……サイズが違うのか!
シエラ『安心して!サイズは小さくてもね、ちゃんと補助してあるから!』
なんのフォローにもなってないが……。
シエラ『まず、一郎くんには『打たれ強さSランク』を授けてまーす!どんな攻撃受けても、だいたい死なないよ!』
一郎「“だいたい”ってなんだよ、“だいたい”って!!」
シエラ「ただし、痛みは普通に感じるからね?うふふ♡』
それ完全にサンドバッグやんけ!!!
シエラ『あと、魔法もちょっぴり使えるようにしてあるから安心してねっ♪」
ちょっぴり、か……まぁ無いよりマシか……。
シエラ『そして、なにより大事なのが!今回の一郎くんの使命!』
その瞬間、それまでのふわふわした口調から一転して、シエラの声色が急に真剣なものに変わった。あまりのギャップに、俺は思わず身構える。
シエラ『“龍の宝玉”という、とっても大事なアイテムを探して、それを天界に持って帰ってくること!これが今回の転移の目的だよ!』
一郎「……龍の宝玉?なにそれ、RPGの終盤でようやく出てくるやつ?」
出たよ、いきなりクライマックスみたいなワード。
シエラ『そうそう!昔ね、この世界を安定させるのに使ってた超強力なマナ結晶でね~。今はこの世界のどこかに落ちてるんだ~。ちゃんと封印を維持するために戻してあげないと、ちょっと世界が爆発するかも☆』
一郎「爆発!?何その物騒な情報をサラッと言うな!」
いやいやいや!こっちは転移された上にウサギサイズだぞ!?それで世界の命運背負えって、無茶にもほどがあるだろ!
シエラ『まぁね、持ってるのが人だったり魔獣だったり、もしくはダンジョンの奥だったりするかもしれないから~、ちょっとした宝探しみたいな感じかなっ♪』
一郎「いや“ちょっとした”の定義がおかしいだろ!」
どこにあるかも分からない、誰が持ってるかも不明、しかも俺は6分の1サイズ。
絶対どこかで「うっかり踏まれる」未来が待ってる。
シエラ『でも大丈夫!小さいからこそ、隙間に入ったり、気づかれずに移動できるっていう利点もあるからね!』
一郎「それ“生き残る”ための工夫であって、“探す”のには関係ないだろ!」
それにこの“龍の宝玉”とやら、どんな形状なのかもよく分からない。
一郎「で、その宝玉って、どんな見た目してるんだ?大きさとか色とか、せめてヒントくらいは……」
シエラ『ん~、透明に近い青白い光を放つ球体で、手のひらサイズ……って言っても、一郎くんの手じゃ無理か☆』
一郎「出たよ!こいつぅぅぅ!!」
このサイズで召喚しやがったの誰だと思ってんだ!!
シエラ『でもね、宝玉は普通の人にはただの石ころに見えることもあるの。マナ感知ができる人じゃないと見えないかも!』
一郎「情報量が増えるほど難易度も跳ね上がってるんだが!?何この隠しボス級ミッション……」
シエラ『まぁでも、安心して!私もできる範囲でサポートはするから!』
一郎「不安すぎる!!」
だが、使命は確かに伝わった。
“龍の宝玉”を見つけ出し、天界に持って帰る。 それがこの、理不尽すぎる冒険の目的。
俺は頭を抱えつつ、大きく息をついた。
……やるしかない。
巨大な草、空の遠くに城壁都市——現実感なんてまるで無いけど、俺はこの世界で生き抜かないといけない。
一郎「……やるしかねぇか」
そうつぶやいたその時だった。
草むらがガサガサと揺れ、ズシンと地面が震えた——。
一郎「うわっ!? いてぇ……」
起き上がると、そこはどこまでも広がる草原だった。いや、広がるというか、**草がデカすぎる**。
まるでジャングルのように伸びた草が俺の胸あたりまで生い茂り、風が吹くたびに巨大な葉がざわめく。
遠くを見渡せば、木々もまるで高層ビルのようにそびえ立ち、さらにその向こうには石造りの城壁に囲まれた街が見えた。
一郎「あれが……町か? いや、デカすぎないか……?」
混乱の中で呆然と立ち尽くしていると、頭の中に直接響くような声が飛び込んできた。
シエラ『やっほー!改めまして、私はシエラ!異世界転移の担当女神でーす♪』
聞こえてきたのは、脳に直接響くような、やけに明るい声だった。
誰だよシエラって。てか、いきなり女神自己紹介!?
一郎「は!? 誰だお前!てかどこから!?」
シエラ『今はテレパシーで話しかけてるから!直接は見えないけど、心の耳で聞いてくれればOK☆』
“心の耳”とかいう概念がさらっと出てきた。どこのスピリチュアル世界だよ。
一郎「……俺の心にBluetoothでもついてんのか」
シエラ『えー? そんなのないよ~。でもね、びっくりしてる暇ないから説明しちゃうね!』
いや、ちょっとくらい待てよ。情報量の洪水がすごいんだが。
シエラ『まず今いる場所なんだけど、ここは『エルガディア大陸』の北西に位置する『ギルゼン王国』ってところ!」
ギルゼン王国。知らねぇよそんな国……でも、見渡す限りの景色を見れば、ここが間違いなく“異世界”ってやつだってことは嫌でも分かる。
シエラ『人間さんたちの拠点の中でも、けっこう発展しててね~。治安も良い方だよ!……たぶん!』
たぶん!?今の“たぶん”が一番怖ぇんだよ!
シエラ『魔獣とか盗賊とかもいるけど、そこはまぁ……運だねっ♪』
おい待て、それ本当に運任せでいいのか?
シエラ『で、ちょっとごめんね。転移のときにサイズ調整をミスっちゃって……今の一郎くん、こっちの人たちの6分の1サイズになっちゃってまーす☆』
……は!?
一郎「おいおいおいおい、それって俺……ウサギレベルじゃねぇか!!』
この草の高さも、街のスケールも、全部納得したわ……サイズが違うのか!
シエラ『安心して!サイズは小さくてもね、ちゃんと補助してあるから!』
なんのフォローにもなってないが……。
シエラ『まず、一郎くんには『打たれ強さSランク』を授けてまーす!どんな攻撃受けても、だいたい死なないよ!』
一郎「“だいたい”ってなんだよ、“だいたい”って!!」
シエラ「ただし、痛みは普通に感じるからね?うふふ♡』
それ完全にサンドバッグやんけ!!!
シエラ『あと、魔法もちょっぴり使えるようにしてあるから安心してねっ♪」
ちょっぴり、か……まぁ無いよりマシか……。
シエラ『そして、なにより大事なのが!今回の一郎くんの使命!』
その瞬間、それまでのふわふわした口調から一転して、シエラの声色が急に真剣なものに変わった。あまりのギャップに、俺は思わず身構える。
シエラ『“龍の宝玉”という、とっても大事なアイテムを探して、それを天界に持って帰ってくること!これが今回の転移の目的だよ!』
一郎「……龍の宝玉?なにそれ、RPGの終盤でようやく出てくるやつ?」
出たよ、いきなりクライマックスみたいなワード。
シエラ『そうそう!昔ね、この世界を安定させるのに使ってた超強力なマナ結晶でね~。今はこの世界のどこかに落ちてるんだ~。ちゃんと封印を維持するために戻してあげないと、ちょっと世界が爆発するかも☆』
一郎「爆発!?何その物騒な情報をサラッと言うな!」
いやいやいや!こっちは転移された上にウサギサイズだぞ!?それで世界の命運背負えって、無茶にもほどがあるだろ!
シエラ『まぁね、持ってるのが人だったり魔獣だったり、もしくはダンジョンの奥だったりするかもしれないから~、ちょっとした宝探しみたいな感じかなっ♪』
一郎「いや“ちょっとした”の定義がおかしいだろ!」
どこにあるかも分からない、誰が持ってるかも不明、しかも俺は6分の1サイズ。
絶対どこかで「うっかり踏まれる」未来が待ってる。
シエラ『でも大丈夫!小さいからこそ、隙間に入ったり、気づかれずに移動できるっていう利点もあるからね!』
一郎「それ“生き残る”ための工夫であって、“探す”のには関係ないだろ!」
それにこの“龍の宝玉”とやら、どんな形状なのかもよく分からない。
一郎「で、その宝玉って、どんな見た目してるんだ?大きさとか色とか、せめてヒントくらいは……」
シエラ『ん~、透明に近い青白い光を放つ球体で、手のひらサイズ……って言っても、一郎くんの手じゃ無理か☆』
一郎「出たよ!こいつぅぅぅ!!」
このサイズで召喚しやがったの誰だと思ってんだ!!
シエラ『でもね、宝玉は普通の人にはただの石ころに見えることもあるの。マナ感知ができる人じゃないと見えないかも!』
一郎「情報量が増えるほど難易度も跳ね上がってるんだが!?何この隠しボス級ミッション……」
シエラ『まぁでも、安心して!私もできる範囲でサポートはするから!』
一郎「不安すぎる!!」
だが、使命は確かに伝わった。
“龍の宝玉”を見つけ出し、天界に持って帰る。 それがこの、理不尽すぎる冒険の目的。
俺は頭を抱えつつ、大きく息をついた。
……やるしかない。
巨大な草、空の遠くに城壁都市——現実感なんてまるで無いけど、俺はこの世界で生き抜かないといけない。
一郎「……やるしかねぇか」
そうつぶやいたその時だった。
草むらがガサガサと揺れ、ズシンと地面が震えた——。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。
エース皇命
青春
高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。
そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。
最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。
陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。
以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。
※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
※表紙にはAI生成画像を使用しています。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる