6 / 18
第1章:Eランク
6.パーティー結成!
ギルドの建物は、まるでお城みたいにどっしりとした雰囲気を漂わせていた。
黒ずんだ石壁と鉄の飾りがついた大きな木の扉。俺のサイズじゃ、門って呼ぶ方がしっくりくる。
真ん中に描かれた剣と羽のマークが、ここが冒険者の拠点であることを堂々と主張していた。
入り口の脇には巨大な掲示板があり、依頼書があちこちにペタペタ貼られている。内部は広々としていて活気に満ちていた。高い天井に太い梁、壁には大きな毛皮や魔物の骨。
左側には飲食スペースがあり、巨人たち——いや、冒険者たちが料理をかき込んだり酒を飲んだりしていた。
たくましい男たちが大声で笑い合い、腕は俺の体より太く、笑い声だけで空気が震える気がする。一方の女性たちはスタイル抜群。ロングブーツや軽装の防具をさらっと着こなしていて、しなやかで強そうな雰囲気。弓を背負った細身の女性なんか、脚線美がやたらと目についた……いや、見てたら怒られそうだ。
右側には受付カウンター。制服姿の職員たちが、書類や魔導具を手際よく処理していて、まるで役所みたいなきっちりした空気を漂わせている。
奥には「資料閲覧室」と書かれたドア。古い本や地図がぎっしり詰まっているらしく、静かな空気が流れていた。
地下へと続く階段からは、剣の音や掛け声が聞こえてくる。訓練場になっているようだ。
さらに隅っこには道具屋があり、ポーションや巻物、装備の修理道具まで何でも揃っていた。
ミーナ「ふふっ、すごいでしょ? 冒険に必要なものは、ぜーんぶここでそろっちゃうんだから!」
自信たっぷりなミーナに、俺は思わず苦笑いするしかなかった。うん、たしかに何でもある。でも俺には、全部がデカすぎる。
この世界で生きていくのは、やっぱり大変そうだな——そんなことを考えていたとき、ミーナがふいにしゃがみ込んだ。
ミーナ「よいしょっと♪」
俺の体がふわっと浮き上がる。
一郎「うわぁ!? な、なにすんだ!」
ミーナ「猫ちゃん持ち上げるみたいで可愛いじゃん♪」
ぬいぐるみのように抱えられた俺は、そのまま受付カウンターへと突き出された。
ミーナ「すみませーん! この子、鑑定お願いしまーす!」
受付嬢が目を見開き、ギルド内が一瞬静まりかえる。
受付嬢「……は?」
顔を近づけてきた受付嬢の目が視界いっぱいに広がる。
受付嬢「……なにこれ? 小さいおじさ……いや、人? 妖精?」
一郎「ちがうっ! 正真正銘の人間だっつってんだろ!」
ミーナ「異世界から来たんだって!」
受付嬢「 信じられない……とりあえず、スキル鑑定してみよっか」
ミーナ「お願いしますっ!」
受付嬢に手のひらで持ち上げられ、机の上へ。まるで商品扱いだが、今は我慢だ。
受付嬢「じゃあ、この魔法陣に手を置いて」
淡く光る魔法陣に手を置くと、ピカッと光があふれ、空中に文字が浮かび上がった。
受付嬢「……お? なにこれ、『打たれ強さSランク』!?」
ミーナ「やった! すごいスキルじゃん!」
一郎「ほんとに? それって強いのか?」
受付嬢「うん、強いよ。基本的に死なないって……でもね……」
チラッと俺を見ながら言葉を濁す。
受付嬢「サイズがね……全体的に小さすぎて、どう活かせばいいのか逆に困るレベル」
一郎「それって宝の持ち腐れってことかぁー!?」
受付嬢「他のステータスも悪くない。火と風の魔法適性、知性や器用さも水準以上。ただ、魔力量がこのサイズだと少なめね」
一郎「うう、やっぱりサイズか……」
受付嬢「総合評価としては、スキルは優秀だけど、攻撃に意外性がないし、物理的に届かない。だから……Eランクだね」
一郎「E!? スキルSで総合ランクE!? どういうバランス感覚してんだよ!」
シエラ『そりゃあそうでしょ~? 打たれ強いけど攻撃できないし、サイズ的に補助向けだし~』
一郎『だったらそんなスキルなんて渡すな! どうせなら攻撃系にしてくれよ!』
シエラ『だって、そもそも一郎くんの安全が最優先だったんだもん。異世界でそのサイズなら、ちょっとした転倒でも大事故でしょ? 打たれ強さを最初に渡したのは当然なの!』
テレパシーで言い合っている間、受付嬢とミーナが不思議そうな顔でこちらを見ていた。
ミーナ「……あたし、Eランクなんだ。冒険始めてそんなに経ってないし、一人だと依頼受けるのも限られてて……」
ぽつりと漏らすようなその言葉に、俺はちょっと驚いた。あんなに元気でギルドに詳しいのに、ぼっちだったのか。
ミーナ「だからね、一郎くんが来たとき、ちょっと運命感じちゃったというか……。一人でやるより、ふたりでやった方がきっと楽しいよ!」
その笑顔はどこまでもまっすぐで、ほんの少しだけ、寂しそうだった。
……ただ、その無邪気すぎる笑顔と軽いノリ。こいつと組むと碌な目に合わなそうな予感しかしない。とはいえ、この世界で俺を受け入れてくれるやつなんて、他にいるとも思えない。
……覚悟を決めるしかないか。
一郎「……わかったよ。組んでやるよ!」
ミーナ「やったー!」
こうして、俺とミーナの冒険者コンビが誕生した。
黒ずんだ石壁と鉄の飾りがついた大きな木の扉。俺のサイズじゃ、門って呼ぶ方がしっくりくる。
真ん中に描かれた剣と羽のマークが、ここが冒険者の拠点であることを堂々と主張していた。
入り口の脇には巨大な掲示板があり、依頼書があちこちにペタペタ貼られている。内部は広々としていて活気に満ちていた。高い天井に太い梁、壁には大きな毛皮や魔物の骨。
左側には飲食スペースがあり、巨人たち——いや、冒険者たちが料理をかき込んだり酒を飲んだりしていた。
たくましい男たちが大声で笑い合い、腕は俺の体より太く、笑い声だけで空気が震える気がする。一方の女性たちはスタイル抜群。ロングブーツや軽装の防具をさらっと着こなしていて、しなやかで強そうな雰囲気。弓を背負った細身の女性なんか、脚線美がやたらと目についた……いや、見てたら怒られそうだ。
右側には受付カウンター。制服姿の職員たちが、書類や魔導具を手際よく処理していて、まるで役所みたいなきっちりした空気を漂わせている。
奥には「資料閲覧室」と書かれたドア。古い本や地図がぎっしり詰まっているらしく、静かな空気が流れていた。
地下へと続く階段からは、剣の音や掛け声が聞こえてくる。訓練場になっているようだ。
さらに隅っこには道具屋があり、ポーションや巻物、装備の修理道具まで何でも揃っていた。
ミーナ「ふふっ、すごいでしょ? 冒険に必要なものは、ぜーんぶここでそろっちゃうんだから!」
自信たっぷりなミーナに、俺は思わず苦笑いするしかなかった。うん、たしかに何でもある。でも俺には、全部がデカすぎる。
この世界で生きていくのは、やっぱり大変そうだな——そんなことを考えていたとき、ミーナがふいにしゃがみ込んだ。
ミーナ「よいしょっと♪」
俺の体がふわっと浮き上がる。
一郎「うわぁ!? な、なにすんだ!」
ミーナ「猫ちゃん持ち上げるみたいで可愛いじゃん♪」
ぬいぐるみのように抱えられた俺は、そのまま受付カウンターへと突き出された。
ミーナ「すみませーん! この子、鑑定お願いしまーす!」
受付嬢が目を見開き、ギルド内が一瞬静まりかえる。
受付嬢「……は?」
顔を近づけてきた受付嬢の目が視界いっぱいに広がる。
受付嬢「……なにこれ? 小さいおじさ……いや、人? 妖精?」
一郎「ちがうっ! 正真正銘の人間だっつってんだろ!」
ミーナ「異世界から来たんだって!」
受付嬢「 信じられない……とりあえず、スキル鑑定してみよっか」
ミーナ「お願いしますっ!」
受付嬢に手のひらで持ち上げられ、机の上へ。まるで商品扱いだが、今は我慢だ。
受付嬢「じゃあ、この魔法陣に手を置いて」
淡く光る魔法陣に手を置くと、ピカッと光があふれ、空中に文字が浮かび上がった。
受付嬢「……お? なにこれ、『打たれ強さSランク』!?」
ミーナ「やった! すごいスキルじゃん!」
一郎「ほんとに? それって強いのか?」
受付嬢「うん、強いよ。基本的に死なないって……でもね……」
チラッと俺を見ながら言葉を濁す。
受付嬢「サイズがね……全体的に小さすぎて、どう活かせばいいのか逆に困るレベル」
一郎「それって宝の持ち腐れってことかぁー!?」
受付嬢「他のステータスも悪くない。火と風の魔法適性、知性や器用さも水準以上。ただ、魔力量がこのサイズだと少なめね」
一郎「うう、やっぱりサイズか……」
受付嬢「総合評価としては、スキルは優秀だけど、攻撃に意外性がないし、物理的に届かない。だから……Eランクだね」
一郎「E!? スキルSで総合ランクE!? どういうバランス感覚してんだよ!」
シエラ『そりゃあそうでしょ~? 打たれ強いけど攻撃できないし、サイズ的に補助向けだし~』
一郎『だったらそんなスキルなんて渡すな! どうせなら攻撃系にしてくれよ!』
シエラ『だって、そもそも一郎くんの安全が最優先だったんだもん。異世界でそのサイズなら、ちょっとした転倒でも大事故でしょ? 打たれ強さを最初に渡したのは当然なの!』
テレパシーで言い合っている間、受付嬢とミーナが不思議そうな顔でこちらを見ていた。
ミーナ「……あたし、Eランクなんだ。冒険始めてそんなに経ってないし、一人だと依頼受けるのも限られてて……」
ぽつりと漏らすようなその言葉に、俺はちょっと驚いた。あんなに元気でギルドに詳しいのに、ぼっちだったのか。
ミーナ「だからね、一郎くんが来たとき、ちょっと運命感じちゃったというか……。一人でやるより、ふたりでやった方がきっと楽しいよ!」
その笑顔はどこまでもまっすぐで、ほんの少しだけ、寂しそうだった。
……ただ、その無邪気すぎる笑顔と軽いノリ。こいつと組むと碌な目に合わなそうな予感しかしない。とはいえ、この世界で俺を受け入れてくれるやつなんて、他にいるとも思えない。
……覚悟を決めるしかないか。
一郎「……わかったよ。組んでやるよ!」
ミーナ「やったー!」
こうして、俺とミーナの冒険者コンビが誕生した。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
この世界、貞操が逆で男女比1対100!?〜文哉の転生学園性活〜
妄想屋さん
SF
気がつけば、そこは“男女の常識”がひっくり返った世界だった。
男は極端に希少で守られる存在、女は戦い、競い、恋を挑む時代。
現代日本で命を落とした青年・文哉は、最先端の学園都市《ノア・クロス》に転生する。
そこでは「バイオギア」と呼ばれる強化装甲を纏う少女たちが、日々鍛錬に明け暮れていた。
しかし、ただの転生では終わらなかった――
彼は“男でありながらバイオギアに適合する”という奇跡的な特性を持っていたのだ。
無自覚に女子の心をかき乱し、甘さと葛藤の狭間で揺れる日々。
護衛科トップの快活系ヒロイン・桜葉梨羽、内向的で絵を描く少女・柊真帆、
毒気を纏った闇の装甲をまとう守護者・海里しずく……
個性的な少女たちとのイチャイチャ・バトル・三角関係は、次第に“恋と戦い”の渦へと深まっていく。
――これは、“守られるはずだった少年”が、“守る覚悟”を知るまでの物語。
そして、少女たちは彼の隣で、“本当の強さ”と“愛し方”を知ってゆく。
「誰かのために戦うって、こういうことなんだな……」
恋も戦場も、手加減なんてしてられない。
逆転世界ラブコメ×ハーレム×SFバトル群像劇、開幕。
