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第1章:Eランク
7.ミーナの部屋
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ギルドを出た俺は、すぐにミーナに掴み上げられた。
一郎「ちょっ!? まだ心の準備が——」
ミーナ「えいっ!」
気づけば俺は、ミーナの持つ大きなバッグの中に放り込まれていた。
一郎「おい! もっと丁寧に扱えっての!」
ミーナ「大丈夫大丈夫! クッションとかちゃんと入れてるから!」
そう言うが、実際には布地の底に投げ込まれただけ。歩くたびにバッグがゆさゆさ揺れて、俺の体は中で転がり続けていた。
「うわっ」「いてて……」と声が漏れるたびに、ミーナは「今のなんの音?」と呑気に言う始末。
一郎(心の中)「こいつ、絶対ペット飼っちゃいけないタイプだろ……」
そんな俺の苦しみも知らず、ミーナは軽快な足取りで街を進んでいく。
*********************
しばらくして、ようやくミーナの家に着いた。
目の前に立っていたのは、古びた木造アパートのような建物。外壁は色あせ、手すりや柱には細かな傷や剥がれが見える。でも、どこか懐かしさと温かみのある雰囲気をまとっていた。
ミーナが軽くジャンプして玄関ポーチに上がりながら、俺に声をかける。
ミーナ「はい、一郎くんも靴ぬいでー」
そう言って自分の足元を指さす。
俺の目の前に現れたのは、ミーナの履いていた編み上げのロングブーツだった。
革の表面は使い込まれて柔らかな艶を放ち、つま先から膝上までしっかりと覆うロング丈。足首から上まで編み込まれた長い靴ひもと、控えめに光る金属の飾りが目を引いた。
その巨大さに、俺は思わず後ずさる。
そして、ブーツからは革と汗の混じった、ほんのり蒸れたような匂いが立ち上っていた。
一郎「……うわ、ちょっと汗くさい。でもこのサイズじゃ、そりゃ気にもなるよな……」
シエラ『ふふ、鼻がいいのも小さな身体の特権だね♪』
一郎『特権って言うか、これ拷問寄りだろ……』
まるで壁のようなそのブーツを横目に、俺は家の中へとすり抜けるようにして入っていった。
*********************
玄関を抜けると、ミーナの生活空間が広がっていた。
まず目に入ったのは、大きなベッドと広い机。部屋全体はワンルーム構造で、俺の世界に置き換えると4.5畳ほど。
壁際の本棚の前には読みかけの本が床に積まれ、近くには保存食の袋や果物が無造作に置かれていた。衣類もあちこちに脱ぎ散らかされており、特に椅子にかかったままのニーハイソックスと淡い色のインナーが目を引く。
生活感全開のその空間は、ミーナの無防備な一面を強く物語っていた。
一郎「……おい、ミーナ。ちょっと片付けろよ」
ミーナ「ちょっ……へんなとこ見ないで!」
そう言いながら、ミーナはちらりと視線を動かし、慌てて衣類をまとめてクローゼットに押し込んだ。
ミーナ「まぁまぁ、とりあえずここで暮らしていいから!」
一郎「……マジか」
俺の寝床はこの部屋のどこかになるらしい。
女の子の部屋に入るのは人生初だった。
すべての家具や私物が、自分にとっては“巨大なオブジェ”のように感じられる。
ほんのり甘い香りも相まって、俺はなんとも落ち着かない気分になっていた。
ソワソワしている俺に、ミーナが不思議そうな顔を向ける。
ミーナ「……? なんか一郎くん、挙動不審じゃない?」
一郎「えっ!? いや、そんなことは——」
ミーナ「まぁいいや。禁止事項、ちゃんと守ってね!」
一郎「禁止事項?」
ミーナ「うん。まずジロジロ見ないこと! 勝手に物を触らないこと! 特に大事なものはね!」
一郎「そもそも机の上にすら届かねぇっての……」
ミーナ「でも禁止!」
次々と細かいルールが設定されていく。
俺は部屋の隅の棚の上に仮設置され、全体を見渡す。
スケール差を痛感しながらも、どこか新鮮な非日常に心がざわついた。
ミーナはベッドにドスンと座った。ベッドが沈み込み、床がわずかに震える。
一郎「お、おい……なんか圧がすげぇぞ」
ミーナは腕を組み、にこにこしながら無邪気な顔で俺を見下ろす。
ミーナ「……えっとね。一郎くん、ここでしばらく暮らしていいから」
一郎「いや、いいって言われても……本当に大丈夫か?」
ミーナ「う、うん! ちゃんと面倒見るから!」
一郎(心の中)「その“ちゃんと”が一番信用できないんだよな……」
そう思いつつも、他に行き場もない俺は、ミーナの申し出を受け入れるしかなかった。
こうして、俺とミーナの奇妙な同居生活が幕を開けたのだった。
一郎「ちょっ!? まだ心の準備が——」
ミーナ「えいっ!」
気づけば俺は、ミーナの持つ大きなバッグの中に放り込まれていた。
一郎「おい! もっと丁寧に扱えっての!」
ミーナ「大丈夫大丈夫! クッションとかちゃんと入れてるから!」
そう言うが、実際には布地の底に投げ込まれただけ。歩くたびにバッグがゆさゆさ揺れて、俺の体は中で転がり続けていた。
「うわっ」「いてて……」と声が漏れるたびに、ミーナは「今のなんの音?」と呑気に言う始末。
一郎(心の中)「こいつ、絶対ペット飼っちゃいけないタイプだろ……」
そんな俺の苦しみも知らず、ミーナは軽快な足取りで街を進んでいく。
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しばらくして、ようやくミーナの家に着いた。
目の前に立っていたのは、古びた木造アパートのような建物。外壁は色あせ、手すりや柱には細かな傷や剥がれが見える。でも、どこか懐かしさと温かみのある雰囲気をまとっていた。
ミーナが軽くジャンプして玄関ポーチに上がりながら、俺に声をかける。
ミーナ「はい、一郎くんも靴ぬいでー」
そう言って自分の足元を指さす。
俺の目の前に現れたのは、ミーナの履いていた編み上げのロングブーツだった。
革の表面は使い込まれて柔らかな艶を放ち、つま先から膝上までしっかりと覆うロング丈。足首から上まで編み込まれた長い靴ひもと、控えめに光る金属の飾りが目を引いた。
その巨大さに、俺は思わず後ずさる。
そして、ブーツからは革と汗の混じった、ほんのり蒸れたような匂いが立ち上っていた。
一郎「……うわ、ちょっと汗くさい。でもこのサイズじゃ、そりゃ気にもなるよな……」
シエラ『ふふ、鼻がいいのも小さな身体の特権だね♪』
一郎『特権って言うか、これ拷問寄りだろ……』
まるで壁のようなそのブーツを横目に、俺は家の中へとすり抜けるようにして入っていった。
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玄関を抜けると、ミーナの生活空間が広がっていた。
まず目に入ったのは、大きなベッドと広い机。部屋全体はワンルーム構造で、俺の世界に置き換えると4.5畳ほど。
壁際の本棚の前には読みかけの本が床に積まれ、近くには保存食の袋や果物が無造作に置かれていた。衣類もあちこちに脱ぎ散らかされており、特に椅子にかかったままのニーハイソックスと淡い色のインナーが目を引く。
生活感全開のその空間は、ミーナの無防備な一面を強く物語っていた。
一郎「……おい、ミーナ。ちょっと片付けろよ」
ミーナ「ちょっ……へんなとこ見ないで!」
そう言いながら、ミーナはちらりと視線を動かし、慌てて衣類をまとめてクローゼットに押し込んだ。
ミーナ「まぁまぁ、とりあえずここで暮らしていいから!」
一郎「……マジか」
俺の寝床はこの部屋のどこかになるらしい。
女の子の部屋に入るのは人生初だった。
すべての家具や私物が、自分にとっては“巨大なオブジェ”のように感じられる。
ほんのり甘い香りも相まって、俺はなんとも落ち着かない気分になっていた。
ソワソワしている俺に、ミーナが不思議そうな顔を向ける。
ミーナ「……? なんか一郎くん、挙動不審じゃない?」
一郎「えっ!? いや、そんなことは——」
ミーナ「まぁいいや。禁止事項、ちゃんと守ってね!」
一郎「禁止事項?」
ミーナ「うん。まずジロジロ見ないこと! 勝手に物を触らないこと! 特に大事なものはね!」
一郎「そもそも机の上にすら届かねぇっての……」
ミーナ「でも禁止!」
次々と細かいルールが設定されていく。
俺は部屋の隅の棚の上に仮設置され、全体を見渡す。
スケール差を痛感しながらも、どこか新鮮な非日常に心がざわついた。
ミーナはベッドにドスンと座った。ベッドが沈み込み、床がわずかに震える。
一郎「お、おい……なんか圧がすげぇぞ」
ミーナは腕を組み、にこにこしながら無邪気な顔で俺を見下ろす。
ミーナ「……えっとね。一郎くん、ここでしばらく暮らしていいから」
一郎「いや、いいって言われても……本当に大丈夫か?」
ミーナ「う、うん! ちゃんと面倒見るから!」
一郎(心の中)「その“ちゃんと”が一番信用できないんだよな……」
そう思いつつも、他に行き場もない俺は、ミーナの申し出を受け入れるしかなかった。
こうして、俺とミーナの奇妙な同居生活が幕を開けたのだった。
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