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第二章 悪女への道
泰風の思い
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泰風は、そそくさと歩き去ろうとする玄白の前を遮《さえぎ》った。
「待て」
玄白は小さく溜息をつく。
「お前が言っていた、慕う人があんな無学の女だったとは……。百年の恋も醒めたんじゃないか?」
泰風はじっと玄白を見つめる。
「関係ない」
玄白は鼻で笑った。
「あんな女のどこが良い?」
「旬果様は国の為に、これまでの安らかな暮らしをお捨てになられたんだぞ」
「で、お前への想いは? あの様子じゃ、お前のことなんて覚えていないだろ。だから無駄に期待などするなって言ったんだ。ああいう連中はその場限りの感情で、周りの人生を巻き込む。あの女も例外じゃ――」
「旬果様は記憶を無くしておられる」
玄白は形の良い眉をしかめた。
「何だと? 確かか」
「八歳までの記憶がない、と」
玄白は、泰風への愛おしさで思わず抱きしめてしまう。泰風は剣の腕前は見事だが、人を疑うことを知らない純真さを持っている。
「可愛い奴め。そんな嘘を信じたのか」
泰風は眉間に皺を刻んだ。
「嘘だと言うのか?」
「面倒事を回避したかったんだろ。あいつらは軽薄で――」
泰風は声を低くする。
「それ以上、旬果様を侮辱すれば、お前といえども許さないぞっ」
泰風の怒りを燃やした眼差しが、脅しで言っているのではないと教えていた。
玄白は表情を曇らせた。
「どうして、そこまであの女に尽くそうとするんだ」
「俺はあの時、旬果様に助けられていられなければ、今頃どうなっていたか……。今の俺があるのは全て、旬果様のお陰だ。理由はそれで十分だろう。」
「だからそれまでの地位を捨ててまで、あの女の元へ走ったのか?」
「そうだ」
玄白は目の前の、愚直で後先を考えない親友への怒りを覚えた。
「……馬鹿め。魁夷でお前ほど恵まれた奴などいないんだぞっ」
しかし泰風も負けてはいない。
「将来がありながら、それを捨ててふらふらしてる不良貴族に言われる筋合いはない。いいか。旬果様に無礼な真似はするな。旬果様が許しても、俺が許さない。話はそれだけだ」
遠ざかる泰風の背を見ながら、全く、と玄白は独りごちた。
※※※※※
夜が更けても、旬果の私室の蝋燭の火は消えない。
泰風が蝋燭を替えに顔を出すと、旬果は熱心に本を繰っていた。
玄白からふっかけられた課題に、ずっと取り組んでいる。
分からない文字や言葉は菜鈴や泰風に聞きつつ、眩暈を覚えるほど夥しい文字の海に潜り続けていた。
泰風は蝋燭を替え、お茶を出す。
「少し休まれてはいかがですか? 根を詰めすぎるとお体に障ります」
旬果は本を捲る手を休め、微笑んだ。
「ありがと。これ、お茶よね。すごい! これだけでも嬉しい。いっつも白湯だったし」
泰風は旬果の無垢な笑顔に、口元を緩めた。
「そうでしたか」
旬果は器に口を付け、「良い香りね」と呟く。
「あ、菜鈴は? さっきまではあれこれと教えてくれてたんだけど……」
さすがは才女と言うべきか。難しい漢字やものの言い回しや故事成語、さらに有職故実によく精通した。
気付かぬ内に静かになったと思えば、その姿がどこにもない。
泰風が言う。
「眠っておりましたので、隣の部屋へ移しました」
「そっか。ありがと」
「――旬果様。玄白は無理難題を押しつけて、楽しんでいるのです」
「良いのよ。玄白の言う通り、私はこの国のことを何も知らないんだから。ちゃんと知らなくちゃ、瑛景を助けられないじゃない」
「しかし」
「ふふ。実はね、裏技を見つけちゃったんだ」
「裏技、ですか?」
「見てみて」
旬果は冊子を差し出してくる。受け取った泰風はそれを色々な方向から眺め、開いて見たりするが、旬果が何を言いたいのかは分からなかった。
「これが……どうされたのですか?」
「分からない? その本、何カ所かよれてない?」
確かに言われてみれば、その通りだが。
「それが何か?」
「この本、たくさんの人が手に取ってるのよ。で、その人たちがよく開く部分はよれてたり、皺があったり、手垢で汚れてるのよ。そこをとりあえず拾い読みすれば、何度も読み返してる大切な場所が分かるでしょ。これをすれば、ひとまず重要な所は逃さないし、時間の短縮にもなるわ」
「なるほど。確かに仰る通りですね」
でしょ、と旬果は屈託なく笑う。
その笑みに、どうしようもなく泰風の心は、揺さぶられた。
そんな考えを振り払い、泰風は言う。
「玄白は優秀な奴ですが、底意地が悪く……。しかし決して悪人ではありません」
「分かってる。泰風の親友なんでしょう。玄白も魁夷なの?」
「いいえ。あいつの出身の簫《しょう》家は甲門《こうもん》で……」
「甲門……それ、さっき読んだ。待って。えっと……」旬果は本を繰り、「見つけた」と声を上げた。
「いわゆる権門って言われる高級貴族よね。門下省なんかに入るはずよね。何たって、国子監の首席だもん」
「色々あったようで、今は特に職には就いていないようです」
「なるほど。偉い人には偉い人の悩みがあるのね……」
「かもしれません」
旬果は、本をぺらぺらめくる。
「瑛景によると、私って古今の書物に興味を示し、幼いながら感情豊かな詩を詠み上げたて父上が言ってたらしいわ。さすがに眉唾よね。あはは……」
泰風の胸はかすかに痛んだ。
「いえ……。旬果様の英明さは、宮廷でも有名でございました。陛下は何度となく旬果様が男児であれば、瑛国の将来は安泰だと仰せあそばされたと聞いております」
「……照れくさいなぁ。褒めても何もしてあげられないわよ?」
泰風は真摯な眼差しで言う。
「お側に置かせて頂くだけで、十分でございます」
「そう。じゃ、こき使うわよ? 私、悪女らしいから」
泰風は大きく頷いた。
「もちろんでございます。軍のことであれば、私も多少はお助けできるかと存じます」
「うちの父……えっと、義理の父は禁軍の将軍だったらしいんだけど……知ってる?」
「存じております。王義史様は禁軍の将軍の中でも、人徳のあるお方でしたから」
「そうなんだ。私はあまり軍の話は、教えてもらえなかったから。そっかそっか。そんなにすごい人だったのかぁ」
義父の話を聞けて、旬果は嬉しそうだった。
「待て」
玄白は小さく溜息をつく。
「お前が言っていた、慕う人があんな無学の女だったとは……。百年の恋も醒めたんじゃないか?」
泰風はじっと玄白を見つめる。
「関係ない」
玄白は鼻で笑った。
「あんな女のどこが良い?」
「旬果様は国の為に、これまでの安らかな暮らしをお捨てになられたんだぞ」
「で、お前への想いは? あの様子じゃ、お前のことなんて覚えていないだろ。だから無駄に期待などするなって言ったんだ。ああいう連中はその場限りの感情で、周りの人生を巻き込む。あの女も例外じゃ――」
「旬果様は記憶を無くしておられる」
玄白は形の良い眉をしかめた。
「何だと? 確かか」
「八歳までの記憶がない、と」
玄白は、泰風への愛おしさで思わず抱きしめてしまう。泰風は剣の腕前は見事だが、人を疑うことを知らない純真さを持っている。
「可愛い奴め。そんな嘘を信じたのか」
泰風は眉間に皺を刻んだ。
「嘘だと言うのか?」
「面倒事を回避したかったんだろ。あいつらは軽薄で――」
泰風は声を低くする。
「それ以上、旬果様を侮辱すれば、お前といえども許さないぞっ」
泰風の怒りを燃やした眼差しが、脅しで言っているのではないと教えていた。
玄白は表情を曇らせた。
「どうして、そこまであの女に尽くそうとするんだ」
「俺はあの時、旬果様に助けられていられなければ、今頃どうなっていたか……。今の俺があるのは全て、旬果様のお陰だ。理由はそれで十分だろう。」
「だからそれまでの地位を捨ててまで、あの女の元へ走ったのか?」
「そうだ」
玄白は目の前の、愚直で後先を考えない親友への怒りを覚えた。
「……馬鹿め。魁夷でお前ほど恵まれた奴などいないんだぞっ」
しかし泰風も負けてはいない。
「将来がありながら、それを捨ててふらふらしてる不良貴族に言われる筋合いはない。いいか。旬果様に無礼な真似はするな。旬果様が許しても、俺が許さない。話はそれだけだ」
遠ざかる泰風の背を見ながら、全く、と玄白は独りごちた。
※※※※※
夜が更けても、旬果の私室の蝋燭の火は消えない。
泰風が蝋燭を替えに顔を出すと、旬果は熱心に本を繰っていた。
玄白からふっかけられた課題に、ずっと取り組んでいる。
分からない文字や言葉は菜鈴や泰風に聞きつつ、眩暈を覚えるほど夥しい文字の海に潜り続けていた。
泰風は蝋燭を替え、お茶を出す。
「少し休まれてはいかがですか? 根を詰めすぎるとお体に障ります」
旬果は本を捲る手を休め、微笑んだ。
「ありがと。これ、お茶よね。すごい! これだけでも嬉しい。いっつも白湯だったし」
泰風は旬果の無垢な笑顔に、口元を緩めた。
「そうでしたか」
旬果は器に口を付け、「良い香りね」と呟く。
「あ、菜鈴は? さっきまではあれこれと教えてくれてたんだけど……」
さすがは才女と言うべきか。難しい漢字やものの言い回しや故事成語、さらに有職故実によく精通した。
気付かぬ内に静かになったと思えば、その姿がどこにもない。
泰風が言う。
「眠っておりましたので、隣の部屋へ移しました」
「そっか。ありがと」
「――旬果様。玄白は無理難題を押しつけて、楽しんでいるのです」
「良いのよ。玄白の言う通り、私はこの国のことを何も知らないんだから。ちゃんと知らなくちゃ、瑛景を助けられないじゃない」
「しかし」
「ふふ。実はね、裏技を見つけちゃったんだ」
「裏技、ですか?」
「見てみて」
旬果は冊子を差し出してくる。受け取った泰風はそれを色々な方向から眺め、開いて見たりするが、旬果が何を言いたいのかは分からなかった。
「これが……どうされたのですか?」
「分からない? その本、何カ所かよれてない?」
確かに言われてみれば、その通りだが。
「それが何か?」
「この本、たくさんの人が手に取ってるのよ。で、その人たちがよく開く部分はよれてたり、皺があったり、手垢で汚れてるのよ。そこをとりあえず拾い読みすれば、何度も読み返してる大切な場所が分かるでしょ。これをすれば、ひとまず重要な所は逃さないし、時間の短縮にもなるわ」
「なるほど。確かに仰る通りですね」
でしょ、と旬果は屈託なく笑う。
その笑みに、どうしようもなく泰風の心は、揺さぶられた。
そんな考えを振り払い、泰風は言う。
「玄白は優秀な奴ですが、底意地が悪く……。しかし決して悪人ではありません」
「分かってる。泰風の親友なんでしょう。玄白も魁夷なの?」
「いいえ。あいつの出身の簫《しょう》家は甲門《こうもん》で……」
「甲門……それ、さっき読んだ。待って。えっと……」旬果は本を繰り、「見つけた」と声を上げた。
「いわゆる権門って言われる高級貴族よね。門下省なんかに入るはずよね。何たって、国子監の首席だもん」
「色々あったようで、今は特に職には就いていないようです」
「なるほど。偉い人には偉い人の悩みがあるのね……」
「かもしれません」
旬果は、本をぺらぺらめくる。
「瑛景によると、私って古今の書物に興味を示し、幼いながら感情豊かな詩を詠み上げたて父上が言ってたらしいわ。さすがに眉唾よね。あはは……」
泰風の胸はかすかに痛んだ。
「いえ……。旬果様の英明さは、宮廷でも有名でございました。陛下は何度となく旬果様が男児であれば、瑛国の将来は安泰だと仰せあそばされたと聞いております」
「……照れくさいなぁ。褒めても何もしてあげられないわよ?」
泰風は真摯な眼差しで言う。
「お側に置かせて頂くだけで、十分でございます」
「そう。じゃ、こき使うわよ? 私、悪女らしいから」
泰風は大きく頷いた。
「もちろんでございます。軍のことであれば、私も多少はお助けできるかと存じます」
「うちの父……えっと、義理の父は禁軍の将軍だったらしいんだけど……知ってる?」
「存じております。王義史様は禁軍の将軍の中でも、人徳のあるお方でしたから」
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