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25 封じられていた記憶
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「ね、ギル……今、魅了魔法の効果がでているの?」
「ああ」
「えっ」
「だから必死に耐えてる。これ以上のことをしたくておかしくなりそうなのを、耐えてるんだ」
「!」
首筋に口づけられたことを思い出すと、いつか彼の唇が触れた首筋が熱を帯びた。
「んっ」
抱き寄せられると声が漏れ、彼の胸元にしなだれかかってしまう。
「あ、ご、ごめん……っ」
雨は降り続けるが、それはもうどうでも良くなっていた。
ギルフォードがじっと見つめてくる。吸いこまれてしまいそうなくらいじっと見つめられると何も考えられなくなる。
「ぎ、ギル……そんなに見ないで」
「どうして」
「ど、どうしてって……落ち着かなくなる、から」
「どうして落ち着かなくなるんだ。俺には何も感じないんだろ」
これまでこんな感情、誰にも覚えたことがないのに。
全身が張り詰め、ギルフォードの存在を強く感じてしまう。
「ジュリア……」
「ぎ、ギル」
ギルフォードが熱に浮かされた視線を逸らすことなく覆い被さるように顔を近づけてきた。それに吸い寄せられるようにジュリアは目を閉じかけ、辺りを真っ白に染め上げるような稲光の音に我に返って、ギルフォードの口を手で塞ぐ。
熱い彼の息遣いが掌をくすぐる。
「だ、駄目!」
我に返ったジュリアは言ったが、結局、ギルフォードの体にしなだれかかったままだから、ぜんぜん説得力がないだろう。
「……無理矢理手に入れても意味はないことは、分かってる」
ギルフォードは切なげに呟き、顔を上げた。
そんな顔をさせるつもりなんてなかった。
嫌っているはずもない。でもギルフォード一緒にいると、これまで感じたことがない気持ちが芽生え、出口を探して心の中で暴れ回ってしまい、とても冷静ではいられなくなる。
これまでどんな人に対しても抱いたことがない感情。
ギルフォールを前にすると、初めての感情ばかり経験して、戸惑うのだ。
――今のギルの目は……。
どこかで見たことがあると思ったが、それはまさに夢の中で向かい会った子どもの頃の彼と同じ。
年齢も体格も何もかも違う。それでもあの目の中には激しい感情があった。
ジュリアは、ギルにしなだれかかり、酔ってしまいそうなくらい甘い香りを感じる。
そうして彼の胸に顔を埋めた。
彼の腕は今もジュリアの背中に回されたままだった。
「……聞いて欲しい話があるの」
返事はない。それでもギルフォードがジュリアの言葉に耳を傾けてくれているのが伝わってくる。
ジュリアは今朝の夢のことを伝えた。
もし違ったらどうしようという不安がある一方で、もしかしたら、という縋るような感情もあった。
「この記憶って本当にあったもの? それとも私が作りだした、ただの妄想?」
ギルフォードの腕に力がこもった。
「ギル?」
彼の体が小刻みに震えている。
「……思い出したのか」
あぁ、と顔を上げたジュリアは、安堵の息を吐き出した。
「あの時、私たちは何をしたの?」
自分たちは子どもだった。それでも、ギルフォードが大切な何かをしようとしたことは、何となく分かる。
「儀式だ」
「儀式……」
「キャスリアの儀式……」
はっと息を呑んだ。儀式を行えば、二人の想いが運命であるかどうかが分かる。
運命であれば、相手を想う感情はそのまま、
しかし、運命でなかったらどれほど愛しあっていても関係なく気持ちはなくなってしまう。それはまるで賭けのようなもの。運命かどうか知りたいなら、気持ちを捧げる覚悟を持たなければならない。誰もが特別な関係を望みながら、尻込みをして避ける。
それを、ギルフォードはやったのだ。
子どものちょっとしたお試しじゃない。子どもとしての真剣さで、やることをきめたのだ。
ジュリアは目を閉じる。記憶が刺激され、幼い頃のギルフォードの声がよみがえる。
『目を閉じて。それから、キャスリア様のことを思い浮かべるんだ』
『う、うん。思い浮かべた』
ジュリアが思い浮かべたキャスリアの姿は絵本の挿絵に描かれていたものだ。
艶やかな金髪と、七色の翼で黄金色の雲の上をはばたく女神。
『俺はジュリアが大好きだ』
『私はギルが大好きっ』
体が温かなものに包まれる。
冷えていたはずのリビングが、陽向の草原みたいに感じられる。
その心地よさがゆっくりと薄れていく。
ジュリアとギルフォードは同時に目を開けた。
『……僕のこと、好き……?』
『うん! 大好き!』
『僕も、ジュリアのこと、大好きだ!』
ギルフォードが今まで聞いたことがないくらいはしゃいで、抱きしめてくる。
『僕たち、運命で繋がってたんだ!』
『運命? 本当に?』
運命という言葉は当時のジュリアにはよく分からなかったけど、とても素敵なことだと分かった。
『ジュリア、踊ろう!』
『だめ。ダンス苦手だし……』
『僕がリードするよ。ね?』
決してギルフォードもダンスはうまくなかった。でもリードしてもらって大人みたいなダンスの真似事をすることがとても幸せだった。足を踏んだり、ちょっとテンポが合わなくてぶつかったりしても、二人はくすくすと笑った。
ジュリアは幼心にも何かをうまくしたりすることより、大好きな人と何かをすることが大切なんだと思った。
二人してぴょんぴょん跳ねた。その物音を聞いて、ギルフォードの親が起きてしまって、「早く寝なさい」と怒られた。
ベッドの中でジュリアはぜんぜん眠れなかった。嬉しくて嬉しくて。
それから、どうしたんだろう。
――どうしてこんな大切な思い出を忘れてたんだろう。私とギルは子どもの頃から愛し合っていたのに。
「ジュリア」
「!」
はっと我に返り、思考が中断する。
「平気か?」
「……全部、じゃないけど、私、思い出せた。ギルへの想いも何もかも。良かった。良かったよ……」
こんなにも大切な気持ちを思い出せたことが嬉しい。自分の心が人を愛せない欠陥品でないと分かって嬉しい。
ギルフォードの手がおそるおそるという風に、ジュリアの右の頬に触れた。
そのくすぐったさに頬をが緩んだ。
この鼓動の高鳴りも、体を包み込む熱も、ギルフォードへの想いだった。
「ごめん、ギル。ずっと忘れていて」
「いや、いいんだ。もう……」
そう、ギルフォードは彼らしからぬ、今にも泣き出しそうにかすかに目を細めた。
「でもどうして私はそんな大切な気持ちを忘れちゃってたんだろ……」
「忘れても思い出せた。大切なのはそれだけだ」
まるで長年、時間が止まっていた感情が再び動き出したようだ。
こみあげるものがあり、涙が堰を切って頬を伝う。
涙はとめどもなく。流れるに任せた。
――今、私が感じているのは、ううん、ギルを前に感じ続けたものが……。
「愛、なのね。これが」
両親に感じるものとも、パメラに感じるものとも違うと、はっきり分かる。
唇を塞がれた。
「ん……」
ギルフォードの唇は温かかった。互いの息遣いを感じあいながら、優しく触れあわせ、しかし何度も求め合うように感じあう。
これまでどんな男性にもときめかなかったのは当然だったのだ。とうに運命の相手に出会っていたのだから。
「……雨が、やんだな」
ギルフォードの声に、空を仰いだ。
雲の隙間から日射しが差し込む。まるでビロードのように柔らかなきらめき。
空に、七色の虹が架かる。
「綺麗」
「本当だな」
穏やかに囁いたギルフォードと、いつまでも視線を交わし続けた。
「ああ」
「えっ」
「だから必死に耐えてる。これ以上のことをしたくておかしくなりそうなのを、耐えてるんだ」
「!」
首筋に口づけられたことを思い出すと、いつか彼の唇が触れた首筋が熱を帯びた。
「んっ」
抱き寄せられると声が漏れ、彼の胸元にしなだれかかってしまう。
「あ、ご、ごめん……っ」
雨は降り続けるが、それはもうどうでも良くなっていた。
ギルフォードがじっと見つめてくる。吸いこまれてしまいそうなくらいじっと見つめられると何も考えられなくなる。
「ぎ、ギル……そんなに見ないで」
「どうして」
「ど、どうしてって……落ち着かなくなる、から」
「どうして落ち着かなくなるんだ。俺には何も感じないんだろ」
これまでこんな感情、誰にも覚えたことがないのに。
全身が張り詰め、ギルフォードの存在を強く感じてしまう。
「ジュリア……」
「ぎ、ギル」
ギルフォードが熱に浮かされた視線を逸らすことなく覆い被さるように顔を近づけてきた。それに吸い寄せられるようにジュリアは目を閉じかけ、辺りを真っ白に染め上げるような稲光の音に我に返って、ギルフォードの口を手で塞ぐ。
熱い彼の息遣いが掌をくすぐる。
「だ、駄目!」
我に返ったジュリアは言ったが、結局、ギルフォードの体にしなだれかかったままだから、ぜんぜん説得力がないだろう。
「……無理矢理手に入れても意味はないことは、分かってる」
ギルフォードは切なげに呟き、顔を上げた。
そんな顔をさせるつもりなんてなかった。
嫌っているはずもない。でもギルフォード一緒にいると、これまで感じたことがない気持ちが芽生え、出口を探して心の中で暴れ回ってしまい、とても冷静ではいられなくなる。
これまでどんな人に対しても抱いたことがない感情。
ギルフォールを前にすると、初めての感情ばかり経験して、戸惑うのだ。
――今のギルの目は……。
どこかで見たことがあると思ったが、それはまさに夢の中で向かい会った子どもの頃の彼と同じ。
年齢も体格も何もかも違う。それでもあの目の中には激しい感情があった。
ジュリアは、ギルにしなだれかかり、酔ってしまいそうなくらい甘い香りを感じる。
そうして彼の胸に顔を埋めた。
彼の腕は今もジュリアの背中に回されたままだった。
「……聞いて欲しい話があるの」
返事はない。それでもギルフォードがジュリアの言葉に耳を傾けてくれているのが伝わってくる。
ジュリアは今朝の夢のことを伝えた。
もし違ったらどうしようという不安がある一方で、もしかしたら、という縋るような感情もあった。
「この記憶って本当にあったもの? それとも私が作りだした、ただの妄想?」
ギルフォードの腕に力がこもった。
「ギル?」
彼の体が小刻みに震えている。
「……思い出したのか」
あぁ、と顔を上げたジュリアは、安堵の息を吐き出した。
「あの時、私たちは何をしたの?」
自分たちは子どもだった。それでも、ギルフォードが大切な何かをしようとしたことは、何となく分かる。
「儀式だ」
「儀式……」
「キャスリアの儀式……」
はっと息を呑んだ。儀式を行えば、二人の想いが運命であるかどうかが分かる。
運命であれば、相手を想う感情はそのまま、
しかし、運命でなかったらどれほど愛しあっていても関係なく気持ちはなくなってしまう。それはまるで賭けのようなもの。運命かどうか知りたいなら、気持ちを捧げる覚悟を持たなければならない。誰もが特別な関係を望みながら、尻込みをして避ける。
それを、ギルフォードはやったのだ。
子どものちょっとしたお試しじゃない。子どもとしての真剣さで、やることをきめたのだ。
ジュリアは目を閉じる。記憶が刺激され、幼い頃のギルフォードの声がよみがえる。
『目を閉じて。それから、キャスリア様のことを思い浮かべるんだ』
『う、うん。思い浮かべた』
ジュリアが思い浮かべたキャスリアの姿は絵本の挿絵に描かれていたものだ。
艶やかな金髪と、七色の翼で黄金色の雲の上をはばたく女神。
『俺はジュリアが大好きだ』
『私はギルが大好きっ』
体が温かなものに包まれる。
冷えていたはずのリビングが、陽向の草原みたいに感じられる。
その心地よさがゆっくりと薄れていく。
ジュリアとギルフォードは同時に目を開けた。
『……僕のこと、好き……?』
『うん! 大好き!』
『僕も、ジュリアのこと、大好きだ!』
ギルフォードが今まで聞いたことがないくらいはしゃいで、抱きしめてくる。
『僕たち、運命で繋がってたんだ!』
『運命? 本当に?』
運命という言葉は当時のジュリアにはよく分からなかったけど、とても素敵なことだと分かった。
『ジュリア、踊ろう!』
『だめ。ダンス苦手だし……』
『僕がリードするよ。ね?』
決してギルフォードもダンスはうまくなかった。でもリードしてもらって大人みたいなダンスの真似事をすることがとても幸せだった。足を踏んだり、ちょっとテンポが合わなくてぶつかったりしても、二人はくすくすと笑った。
ジュリアは幼心にも何かをうまくしたりすることより、大好きな人と何かをすることが大切なんだと思った。
二人してぴょんぴょん跳ねた。その物音を聞いて、ギルフォードの親が起きてしまって、「早く寝なさい」と怒られた。
ベッドの中でジュリアはぜんぜん眠れなかった。嬉しくて嬉しくて。
それから、どうしたんだろう。
――どうしてこんな大切な思い出を忘れてたんだろう。私とギルは子どもの頃から愛し合っていたのに。
「ジュリア」
「!」
はっと我に返り、思考が中断する。
「平気か?」
「……全部、じゃないけど、私、思い出せた。ギルへの想いも何もかも。良かった。良かったよ……」
こんなにも大切な気持ちを思い出せたことが嬉しい。自分の心が人を愛せない欠陥品でないと分かって嬉しい。
ギルフォードの手がおそるおそるという風に、ジュリアの右の頬に触れた。
そのくすぐったさに頬をが緩んだ。
この鼓動の高鳴りも、体を包み込む熱も、ギルフォードへの想いだった。
「ごめん、ギル。ずっと忘れていて」
「いや、いいんだ。もう……」
そう、ギルフォードは彼らしからぬ、今にも泣き出しそうにかすかに目を細めた。
「でもどうして私はそんな大切な気持ちを忘れちゃってたんだろ……」
「忘れても思い出せた。大切なのはそれだけだ」
まるで長年、時間が止まっていた感情が再び動き出したようだ。
こみあげるものがあり、涙が堰を切って頬を伝う。
涙はとめどもなく。流れるに任せた。
――今、私が感じているのは、ううん、ギルを前に感じ続けたものが……。
「愛、なのね。これが」
両親に感じるものとも、パメラに感じるものとも違うと、はっきり分かる。
唇を塞がれた。
「ん……」
ギルフォードの唇は温かかった。互いの息遣いを感じあいながら、優しく触れあわせ、しかし何度も求め合うように感じあう。
これまでどんな男性にもときめかなかったのは当然だったのだ。とうに運命の相手に出会っていたのだから。
「……雨が、やんだな」
ギルフォードの声に、空を仰いだ。
雲の隙間から日射しが差し込む。まるでビロードのように柔らかなきらめき。
空に、七色の虹が架かる。
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