30 / 35
30 いくら偽装のためとはいえ、褒め言葉が過ぎます…!
しおりを挟む
「カリスト様、私がこのネックレスを身につけていて、本当に大丈夫なのでしょうか」
「ん? なにか問題が?」
「これは……あまりに貴重なものです」
「しかしそれに相応しいと、母上が判断されたんだ。母上だけじゃない。私もまた、君はそれに相応しいと確信している。もちろん、そのネックレスが美しいのは、それを身につける君がそれ以上に価値があるからだ」
フッ、とカリスト様は口元をほころばせ、私に笑いかけてくる。
こんな当たり前のように褒め言葉を。
私は何と返していいのか分からず、目を伏せた。
そんな私の顔を上げさせたのは、カリスト様の手だ。
「オリヴィエ。もっと自分の美しさに自信を持ってくれ。誰も彼もが今の君を見れば、目と心を奪われるに違いないんだから。……だが、それが心配でもあるが」
「え?」
「何でもない」
回帰前の出来事がなかったら、本当に心からカリスト様の言葉を信じてしそうな真実みがあった。
調子にのって、浮かれては駄目。
こうまでカリスト様が私に寄り添ってくださっているのは、王宮内だから。
たくさんの人の目があるからよ。
私たちの仲は問題ない、うまくいっているとアピールするため。
きっと会場へ到着すれば、ミリエルと一緒の時間を過ごそうとされるはず。
回帰前のことを思い出しなさい、オリヴィエ。
カリスト様が、どれだけミリエルと一緒の時間を過ごしていたか。
私との時間を煩わしく思われていたか。
学校のみんなも噂していたじゃない。
あの二人こそ、将来の王太子とその王妃のようだ、と。
回帰前の私にはとても受け入れることではなかったけれど、今なら何でもないことでしょう。
私は二人の新しい門出を祝福し、広い世界を旅する。
それがあるべき姿なんだから。
そのための準備もしっかり整えているんじゃない。
兵士たちに警備された馬車に乗り込み、学校へ向かう。
私は馬車の窓から街の灯を眺める。
他の雑念に惑わされないよう、意識を集中して。
がんばりなさい、オリヴィエ。がんばるのよ。がんば──
「あ、あの、カリスト様……」
気にしないふりなんて無理!
だってそんなに見つめられたら穴が空いてしまうわ!
「ん? どうかしたか?」
「……私の顔に、何かついていますでしょうか……? さっきから、すごく私のことをご覧になられていらっしゃるようで……」
馬車に乗るなり、ニコニコしながら熱い眼差しで私を見つめるカリスト様が気になり、指摘せずにはいられなかった。
「あぁ、すまない。つい」
「つい?」
「エスコートをしている時よりもこうして向かいあっているほうが、君の美しい顔をちゃんと見られる。それが嬉しくて」
「!?」
ここは馬車の中よ。
誰も私たちのことを見てはいないんだから、仲睦まじいふりをなされる必要なんてないのよ?
それなのに、どうしてそんな歯の浮くような台詞を。
「……は、恥ずかしいので、おやめてください……っ」
カリスト様に褒められ馴れていないせいで、どうしたらいいのか分からないわ……。
「分かってる。さっきから君は頬がリンゴのように赤くしているから。そんな風にされると、もっと照れる姿が見たいと、つい。学校に到着するまで、隣にいてもいいかい?」
「い、いけません……!」
そんなことをされたら、心臓がいよいよおかしくなってしまいそうな気がした。
「残念だ。そでは、ここで我慢するとしよう」
それからもカリスト様はずっと私を見続ける。
意識するまいと務めて平然を装って(本当に装えていたかどうかはともかく)、外の景色に意識を集中するつもりだったのだけど、結局カリスト様の視線のことで頭がいっぱいになるのは変わらなかった。
やがて学校の敷地内に到着すると、車止めで馬車を降りる。
他にも多くの馬車が停まり、婚約者たちを送り出していた。
誰も彼もがめかしこみ、今日という日をどれほど楽しみにしているのかが伝わってくる。
まだ学生の身ということで、誰もちゃんとした社交界の経験がないのだから余計にそうだろう。
回帰前は自分のことばかりだった私には本当に何も見えていなかった。
全校生徒が楽しみにしている晴れの日に、私はとんでもないことをしてかしてしまった。
それで、カリスト様の心が自分から離れるのを防げると本気で思っていたのだから、自分の行いながらどうかしている。
「オリヴィエ」
先に馬車を降りたカリスト様が腕を差し出してくださる。
周囲にいた生徒たちが足を止め、私たちへ視線を向けた。
あまりに露骨に見られるものだからさすがにばつが悪い。
やっぱりこのネックレスのせい?
それともドレス?
「どうかしたのか?」
「……周りの方々が見てくるので、あの、本当に私は変ではないですか?」
「見るのは当然だ。それだけ君が美しいということなんだから」
「……ドレスやネックレスに負けていると思われているかもしれません」
「そんなことはないと私が保障する。万が一、今の君を馬鹿にする者がいたとしたら、そいつは八つ裂きにするから安心してくれ」
ぜんぜん安心できませんが!?
「君を馬鹿にするということは、君の婚約者である私のことをも侮辱するということも同然なんだ」
回帰する前はそれが当たり前だったから、忘れかけていたけど、やっぱりとても端整な顔立ちをされているから、お怒りになられる表情もまた迫力があるわね。
会場に向かうと、私たちの周りにはあっという間に人だかりが出来、挨拶の行列が伸びた。
「オリヴィエ様、とても素晴らしいですわ!」
「ドレスもネックレスも、もちろんオリヴィエ様ご自身も……あぁ、羨ましいです!」
私は「ありがとう」とそれに応じた。
普段は口を聞いたこともない生徒たちがどんどんやってきては挨拶を受ける。
それにしても、やけに私にも話かけてくるのね。
メインは、カリスト様ではないのかしら。
私はあくまで添え物なんだから、適当な挨拶で十分なのに。
特に男子生徒たちがやたらと話しかけてくる。
……ところでミリエルはどこかしら。
少なくとも会場へ到着してからはまだ姿は見かけていない。
もしかして、カリスト様とどこかで落ち合う約束を?
ただ今日は特別に校舎が開放されている日とはいえ、どの部屋にも鍵が掛けられているはずだから、どこで逢い引きをされるのかしら。
……そんなことを私が考える必要はないわよね。
私は悪戦苦闘しつつ、どうにか挨拶をさばききった。
もうクタクタだわ。
「……やはり来るべきじゃなかった」
「!」
ぽつり、とこぼしたカリスト様の言葉に、全身が冷える。
周囲の喧噪に紛れるような小声だということもあり、誰も聞こえていなかったようだ。
私を除いて。
来るべきじゃなかった。
はっきり、カリスト様はそう仰った。
これまでずっと押し殺してきたカリスト様の本音ね。
やっぱりカリスト様は、私のことは……。
……何を動揺しているの。別におかしいことは何もないわ。
こうなることは分かっていたじゃない。
カリスト様が好きなのは、ミリエルだけ。
なるべくしてなっているだけじゃない。
「──殿下、オリヴィエさん。お二人とも、こんばんは」
ミリエル、ちょうど良かったわ!
カリスト様は、私と一緒にいることにうんざりして、あなたをずっと待っていらっしゃったのよ。
彼女は真っ赤なドレス姿。
胸元が大きく開き、谷間が少し覗いている。
パーティーとはいえ、仮にも学生の身で、そんな露出過多がドレスを着てくるなんて、いくらなんでもマナー違反ではないかしら……と私が思うのは、おかしいわね。
だって、今のミリエルの濃いめの化粧やドレスはまるで、回帰前の私のよう。
「お二人とも、とてもお似合いですわね。周りの方々もみなさん、殿下のお噂をしていらっしゃいますよ」
「……なるほど」
カリスト様は言葉少なに応じる。
さすがにたくさんの目がある中、露骨に喜ぶ訳にもいかないわよね。
わざわざそんなに顔を顰め、まるでミリエルを嫌っているような演技までなさるなんて。
さて、と。
そろそろ邪魔者は退散しましょう。
私が空気を読まずに居座って、殿下のご機嫌がますます悪くなってはいけないもの。
「カリスト様、飲み物をとってきます」
「そんなことを君がする必要はない。私が」
「いいえ。カリスト様はどうぞ、ミリエルとの時間を大切にして下さい。カリスト様は、炭酸水ですよね」
「あ、ああ……」
私はそそくさとカリスト様の元を離れる。
ちらっと振り返れば、ミリエルが満面の笑みでカリスト様に話しかけていた。
可愛らしいミリエルに、凛々しいカリスト様。
これ以上見ないようにしないと、なんだか心臓に悪いような気がする。
胸の奥が見えない手で捕まれて、なんとなくだけど、切なく……。
「ん? なにか問題が?」
「これは……あまりに貴重なものです」
「しかしそれに相応しいと、母上が判断されたんだ。母上だけじゃない。私もまた、君はそれに相応しいと確信している。もちろん、そのネックレスが美しいのは、それを身につける君がそれ以上に価値があるからだ」
フッ、とカリスト様は口元をほころばせ、私に笑いかけてくる。
こんな当たり前のように褒め言葉を。
私は何と返していいのか分からず、目を伏せた。
そんな私の顔を上げさせたのは、カリスト様の手だ。
「オリヴィエ。もっと自分の美しさに自信を持ってくれ。誰も彼もが今の君を見れば、目と心を奪われるに違いないんだから。……だが、それが心配でもあるが」
「え?」
「何でもない」
回帰前の出来事がなかったら、本当に心からカリスト様の言葉を信じてしそうな真実みがあった。
調子にのって、浮かれては駄目。
こうまでカリスト様が私に寄り添ってくださっているのは、王宮内だから。
たくさんの人の目があるからよ。
私たちの仲は問題ない、うまくいっているとアピールするため。
きっと会場へ到着すれば、ミリエルと一緒の時間を過ごそうとされるはず。
回帰前のことを思い出しなさい、オリヴィエ。
カリスト様が、どれだけミリエルと一緒の時間を過ごしていたか。
私との時間を煩わしく思われていたか。
学校のみんなも噂していたじゃない。
あの二人こそ、将来の王太子とその王妃のようだ、と。
回帰前の私にはとても受け入れることではなかったけれど、今なら何でもないことでしょう。
私は二人の新しい門出を祝福し、広い世界を旅する。
それがあるべき姿なんだから。
そのための準備もしっかり整えているんじゃない。
兵士たちに警備された馬車に乗り込み、学校へ向かう。
私は馬車の窓から街の灯を眺める。
他の雑念に惑わされないよう、意識を集中して。
がんばりなさい、オリヴィエ。がんばるのよ。がんば──
「あ、あの、カリスト様……」
気にしないふりなんて無理!
だってそんなに見つめられたら穴が空いてしまうわ!
「ん? どうかしたか?」
「……私の顔に、何かついていますでしょうか……? さっきから、すごく私のことをご覧になられていらっしゃるようで……」
馬車に乗るなり、ニコニコしながら熱い眼差しで私を見つめるカリスト様が気になり、指摘せずにはいられなかった。
「あぁ、すまない。つい」
「つい?」
「エスコートをしている時よりもこうして向かいあっているほうが、君の美しい顔をちゃんと見られる。それが嬉しくて」
「!?」
ここは馬車の中よ。
誰も私たちのことを見てはいないんだから、仲睦まじいふりをなされる必要なんてないのよ?
それなのに、どうしてそんな歯の浮くような台詞を。
「……は、恥ずかしいので、おやめてください……っ」
カリスト様に褒められ馴れていないせいで、どうしたらいいのか分からないわ……。
「分かってる。さっきから君は頬がリンゴのように赤くしているから。そんな風にされると、もっと照れる姿が見たいと、つい。学校に到着するまで、隣にいてもいいかい?」
「い、いけません……!」
そんなことをされたら、心臓がいよいよおかしくなってしまいそうな気がした。
「残念だ。そでは、ここで我慢するとしよう」
それからもカリスト様はずっと私を見続ける。
意識するまいと務めて平然を装って(本当に装えていたかどうかはともかく)、外の景色に意識を集中するつもりだったのだけど、結局カリスト様の視線のことで頭がいっぱいになるのは変わらなかった。
やがて学校の敷地内に到着すると、車止めで馬車を降りる。
他にも多くの馬車が停まり、婚約者たちを送り出していた。
誰も彼もがめかしこみ、今日という日をどれほど楽しみにしているのかが伝わってくる。
まだ学生の身ということで、誰もちゃんとした社交界の経験がないのだから余計にそうだろう。
回帰前は自分のことばかりだった私には本当に何も見えていなかった。
全校生徒が楽しみにしている晴れの日に、私はとんでもないことをしてかしてしまった。
それで、カリスト様の心が自分から離れるのを防げると本気で思っていたのだから、自分の行いながらどうかしている。
「オリヴィエ」
先に馬車を降りたカリスト様が腕を差し出してくださる。
周囲にいた生徒たちが足を止め、私たちへ視線を向けた。
あまりに露骨に見られるものだからさすがにばつが悪い。
やっぱりこのネックレスのせい?
それともドレス?
「どうかしたのか?」
「……周りの方々が見てくるので、あの、本当に私は変ではないですか?」
「見るのは当然だ。それだけ君が美しいということなんだから」
「……ドレスやネックレスに負けていると思われているかもしれません」
「そんなことはないと私が保障する。万が一、今の君を馬鹿にする者がいたとしたら、そいつは八つ裂きにするから安心してくれ」
ぜんぜん安心できませんが!?
「君を馬鹿にするということは、君の婚約者である私のことをも侮辱するということも同然なんだ」
回帰する前はそれが当たり前だったから、忘れかけていたけど、やっぱりとても端整な顔立ちをされているから、お怒りになられる表情もまた迫力があるわね。
会場に向かうと、私たちの周りにはあっという間に人だかりが出来、挨拶の行列が伸びた。
「オリヴィエ様、とても素晴らしいですわ!」
「ドレスもネックレスも、もちろんオリヴィエ様ご自身も……あぁ、羨ましいです!」
私は「ありがとう」とそれに応じた。
普段は口を聞いたこともない生徒たちがどんどんやってきては挨拶を受ける。
それにしても、やけに私にも話かけてくるのね。
メインは、カリスト様ではないのかしら。
私はあくまで添え物なんだから、適当な挨拶で十分なのに。
特に男子生徒たちがやたらと話しかけてくる。
……ところでミリエルはどこかしら。
少なくとも会場へ到着してからはまだ姿は見かけていない。
もしかして、カリスト様とどこかで落ち合う約束を?
ただ今日は特別に校舎が開放されている日とはいえ、どの部屋にも鍵が掛けられているはずだから、どこで逢い引きをされるのかしら。
……そんなことを私が考える必要はないわよね。
私は悪戦苦闘しつつ、どうにか挨拶をさばききった。
もうクタクタだわ。
「……やはり来るべきじゃなかった」
「!」
ぽつり、とこぼしたカリスト様の言葉に、全身が冷える。
周囲の喧噪に紛れるような小声だということもあり、誰も聞こえていなかったようだ。
私を除いて。
来るべきじゃなかった。
はっきり、カリスト様はそう仰った。
これまでずっと押し殺してきたカリスト様の本音ね。
やっぱりカリスト様は、私のことは……。
……何を動揺しているの。別におかしいことは何もないわ。
こうなることは分かっていたじゃない。
カリスト様が好きなのは、ミリエルだけ。
なるべくしてなっているだけじゃない。
「──殿下、オリヴィエさん。お二人とも、こんばんは」
ミリエル、ちょうど良かったわ!
カリスト様は、私と一緒にいることにうんざりして、あなたをずっと待っていらっしゃったのよ。
彼女は真っ赤なドレス姿。
胸元が大きく開き、谷間が少し覗いている。
パーティーとはいえ、仮にも学生の身で、そんな露出過多がドレスを着てくるなんて、いくらなんでもマナー違反ではないかしら……と私が思うのは、おかしいわね。
だって、今のミリエルの濃いめの化粧やドレスはまるで、回帰前の私のよう。
「お二人とも、とてもお似合いですわね。周りの方々もみなさん、殿下のお噂をしていらっしゃいますよ」
「……なるほど」
カリスト様は言葉少なに応じる。
さすがにたくさんの目がある中、露骨に喜ぶ訳にもいかないわよね。
わざわざそんなに顔を顰め、まるでミリエルを嫌っているような演技までなさるなんて。
さて、と。
そろそろ邪魔者は退散しましょう。
私が空気を読まずに居座って、殿下のご機嫌がますます悪くなってはいけないもの。
「カリスト様、飲み物をとってきます」
「そんなことを君がする必要はない。私が」
「いいえ。カリスト様はどうぞ、ミリエルとの時間を大切にして下さい。カリスト様は、炭酸水ですよね」
「あ、ああ……」
私はそそくさとカリスト様の元を離れる。
ちらっと振り返れば、ミリエルが満面の笑みでカリスト様に話しかけていた。
可愛らしいミリエルに、凛々しいカリスト様。
これ以上見ないようにしないと、なんだか心臓に悪いような気がする。
胸の奥が見えない手で捕まれて、なんとなくだけど、切なく……。
1,893
あなたにおすすめの小説
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
殿下に寵愛されてませんが別にかまいません!!!!!
さくら
恋愛
王太子アルベルト殿下の婚約者であった令嬢リリアナ。けれど、ある日突然「裏切り者」の汚名を着せられ、殿下の寵愛を失い、婚約を破棄されてしまう。
――でも、リリアナは泣き崩れなかった。
「殿下に愛されなくても、私には花と薬草がある。健気? 別に演じてないですけど?」
庶民の村で暮らし始めた彼女は、花畑を育て、子どもたちに薬草茶を振る舞い、村人から慕われていく。だが、そんな彼女を放っておけないのが、執着心に囚われた殿下。噂を流し、畑を焼き払い、ついには刺客を放ち……。
「どこまで私を追い詰めたいのですか、殿下」
絶望の淵に立たされたリリアナを守ろうとするのは、騎士団長セドリック。冷徹で寡黙な男は、彼女の誠実さに心を動かされ、やがて命を懸けて庇う。
「俺は、君を守るために剣を振るう」
寵愛などなくても構わない。けれど、守ってくれる人がいる――。
灰の大地に芽吹く新しい絆が、彼女を強く、美しく咲かせていく。
じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが
カレイ
恋愛
天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。
両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。
でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。
「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」
そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。
氷の騎士と契約結婚したのですが、愛することはないと言われたので契約通り離縁します!
柚屋志宇
恋愛
「お前を愛することはない」
『氷の騎士』侯爵令息ライナスは、伯爵令嬢セルマに白い結婚を宣言した。
セルマは家同士の政略による契約結婚と割り切ってライナスの妻となり、二年後の離縁の日を待つ。
しかし結婚すると、最初は冷たかったライナスだが次第にセルマに好意的になる。
だがセルマは離縁の日が待ち遠しい。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
婚約者に値踏みされ続けた文官、堪忍袋の緒が切れたのでお別れしました。私は、私を尊重してくれる人を大切にします!
ささい
恋愛
王城で文官として働くリディア・フィアモントは、冷たい婚約者に評価されず疲弊していた。三度目の「婚約解消してもいい」の言葉に、ついに決断する。自由を得た彼女は、日々の書類仕事に誇りを取り戻し、誰かに頼られることの喜びを実感する。王城の仕事を支えつつ、自分らしい生活と自立を歩み始める物語。
ざまあは後悔する系( ^^) _旦~~
小説家になろうにも投稿しております。
なりゆきで妻になった割に大事にされている……と思ったら溺愛されてた
たぬきち25番
恋愛
男爵家の三女イリスに転生した七海は、貴族の夜会で相手を見つけることができずに女官になった。
女官として認められ、夜会を仕切る部署に配属された。
そして今回、既婚者しか入れない夜会の責任者を任せられた。
夜会当日、伯爵家のリカルドがどうしても公爵に会う必要があるので夜会会場に入れてほしいと懇願された。
だが、会場に入るためには結婚をしている必要があり……?
※本当に申し訳ないです、感想の返信できないかもしれません……
※他サイト様にも掲載始めました!
婚約者を追いかけるのはやめました
カレイ
恋愛
公爵令嬢クレアは婚約者に振り向いて欲しかった。だから頑張って可愛くなれるように努力した。
しかし、きつい縦巻きロール、ゴリゴリに巻いた髪、匂いの強い香水、婚約者に愛されたいがためにやったことは、全て侍女たちが嘘をついてクロアにやらせていることだった。
でも前世の記憶を取り戻した今は違う。髪もメイクもそのままで十分。今さら手のひら返しをしてきた婚約者にももう興味ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる