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愛と裏切りとお仕置きと
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「んっんんん……」
頬にひんやりとした氷の袋を当てられ、気がつくと、心配そうなリョウ兄さまの黒い瞳が僕を覗いていた。
「気がついたか?」
「僕……」
「レイに随分とされたな」
僕はパジャマで自分のベッドに寝かされていた。
体はまだズクズクと疼くような鈍痛に犯されてる……
「薬を塗ってやるから、尻をあげろ」
リョウ兄さまに言われて、僕は大人しくお尻を突き出すと、リョウ兄さまは僕のパジャマのズボンをずり下げて、軟膏を後孔に塗り込んでゆく。
「ひゃあん」
ヌルリと指が這う感触に、こんな状況でも、僕の後は物欲しそうにヒクヒクと蠢いてしまい、リョウ兄さまはゴクンと唾を飲み込む。
「リトを抱きたいけど、今日は我慢だな」
リョウ兄さまは、塗り終えると、僕の真っ白いお尻にそっとキスをしてからパジャマのズボンを元に戻し、ゴロンと隣に横になる。
「レイが落ち込んでたぞ。リトが人間の精液を食べる非行に走ってしまったのは、自分の責任だって」
「レイ兄さま……」
「リト、俺たちじゃ不満か?」
リョウ兄さまに問われて、僕は頭をブンブンと横に振る。
「ち、違うの! 兄さまたちの味は最高に美味しいの! でも、でも、人間のセーエキの味もジャンクで美味しくて…… ご、ごめんなさい……兄さま……」
小さな声でそう返事をすると、リョウ兄さまは思い出したようにクスリと笑う。
「人間の味……か……」
「リョウ兄さま?」
「実は俺も昔、人間の精液の味に虜になって、人間の恋人を作ったことがあってね。駆け落ちしようとまで計画を立ててたんだけど、直前でレイに見つかってしまった事があったんだ」
リョウ兄さまに、人間の恋人っ?!
初めて知る衝撃の事実に、僕は目を丸くして驚く。
「み、見つかって、ど、どうなったの?」
「あの時も、レイは散々怒り狂って、俺を鎖でベッドに繋いだあと、一週間犯し続けた」
今日の1日でも僕は死にそうなくらいキツかったのに、あの責め苦をリョウ兄さまは一週間も受けたのっ?!
あれを耐えたリョウ兄さま、凄い……
普段からリョウ兄さまをかっこいいと思ってるけど、今以上にリョウ兄さまの事を尊敬の眼差しで見てしまいそうだ……
「それで、恋人と別れさせられて、痛い目に合わされて、レイ兄さまの事、恨んでないの?」
「最初は恨んだよ。でも、あの時レイが言ったんだ。『人間の愛情なんてものは、ちっぽけでほんの一瞬だ。だけど、私は五百年でも千年でも生き続けて心からお前を愛し続ける。絶対に』ってね。そのレイの言葉にハッと気づいたんだ。人間と吸血鬼じゃ、流れる時間が違うんだって。決して、相容れない存在なんだって。それに、何よりもレイの揺るぎない大きな愛情が伝わってきて、目が覚めた」
「それで、別れた人間はどうなったの?」
「あぁ、あいつは俺と別れた後にあっさりと別の男を見つけたよ。あの涙の別れはなんだったんだろうな」
ハハハ、とリョウ兄さまは明るく笑った。
それから真剣な顔で僕の方を向く。
「なぁ、リト。レイの俺たちに対する愛情は本物だ」
「……うん」
「だからもう俺たちの側を離れるなよ」
「はい……」
大人しく頷いた僕の頭を、リョウ兄さまは優しく撫でてくれた。
こうして、僕の人間界での冒険は幕を閉じた。
「はぁ……退屈」
レイ兄さまに叱られて以来、僕は謹慎を命じられていて、屋敷から一歩も出ることは許されなかった。
勉強の課題も全て終わったし、屋敷の図書室にある児童書も全部読んでしまったし、もう他にする事も無かった。
ベッドにゴロンと横になって、ザファールでもいいから "二人で気持ちよくなる遊び" の相手をしてくれないかな?なんて思ったけど、こんな時に限って、ザファールの姿は見えなかった。
その時、ガランゴローン……と来客を告げるベルの音が屋敷に鳴り響き、僕はのっそりと起き上がる。
「一体誰だろう?」
退屈を紛らわせる好奇心もあって、玄関ホールへと向かってみる。
初代当主の大きな肖像画がかかり、巨大なシャンデリアがぶら下がった薄暗い玄関ホールに、レイ兄さまと同じくらいの年齢の、黒い燕尾服を着た一人の男が立っていた。
その姿を見た瞬間、僕の心臓は止まりそうになる。
高い身長に、がっしりとした体躯。オールバックにした黒髪。貴族の品の良さを感じさせる顎のラインと、傲慢さが漂う鋭い瞳。
紛れもない!
宿敵であるホッヘルベル家の当主、クラウディウ伯爵!!!
伯爵は僕の姿を見ると、
「やぁ、こんにちは」
と朗らかな笑顔で、僕に挨拶をしてきた。
頬にひんやりとした氷の袋を当てられ、気がつくと、心配そうなリョウ兄さまの黒い瞳が僕を覗いていた。
「気がついたか?」
「僕……」
「レイに随分とされたな」
僕はパジャマで自分のベッドに寝かされていた。
体はまだズクズクと疼くような鈍痛に犯されてる……
「薬を塗ってやるから、尻をあげろ」
リョウ兄さまに言われて、僕は大人しくお尻を突き出すと、リョウ兄さまは僕のパジャマのズボンをずり下げて、軟膏を後孔に塗り込んでゆく。
「ひゃあん」
ヌルリと指が這う感触に、こんな状況でも、僕の後は物欲しそうにヒクヒクと蠢いてしまい、リョウ兄さまはゴクンと唾を飲み込む。
「リトを抱きたいけど、今日は我慢だな」
リョウ兄さまは、塗り終えると、僕の真っ白いお尻にそっとキスをしてからパジャマのズボンを元に戻し、ゴロンと隣に横になる。
「レイが落ち込んでたぞ。リトが人間の精液を食べる非行に走ってしまったのは、自分の責任だって」
「レイ兄さま……」
「リト、俺たちじゃ不満か?」
リョウ兄さまに問われて、僕は頭をブンブンと横に振る。
「ち、違うの! 兄さまたちの味は最高に美味しいの! でも、でも、人間のセーエキの味もジャンクで美味しくて…… ご、ごめんなさい……兄さま……」
小さな声でそう返事をすると、リョウ兄さまは思い出したようにクスリと笑う。
「人間の味……か……」
「リョウ兄さま?」
「実は俺も昔、人間の精液の味に虜になって、人間の恋人を作ったことがあってね。駆け落ちしようとまで計画を立ててたんだけど、直前でレイに見つかってしまった事があったんだ」
リョウ兄さまに、人間の恋人っ?!
初めて知る衝撃の事実に、僕は目を丸くして驚く。
「み、見つかって、ど、どうなったの?」
「あの時も、レイは散々怒り狂って、俺を鎖でベッドに繋いだあと、一週間犯し続けた」
今日の1日でも僕は死にそうなくらいキツかったのに、あの責め苦をリョウ兄さまは一週間も受けたのっ?!
あれを耐えたリョウ兄さま、凄い……
普段からリョウ兄さまをかっこいいと思ってるけど、今以上にリョウ兄さまの事を尊敬の眼差しで見てしまいそうだ……
「それで、恋人と別れさせられて、痛い目に合わされて、レイ兄さまの事、恨んでないの?」
「最初は恨んだよ。でも、あの時レイが言ったんだ。『人間の愛情なんてものは、ちっぽけでほんの一瞬だ。だけど、私は五百年でも千年でも生き続けて心からお前を愛し続ける。絶対に』ってね。そのレイの言葉にハッと気づいたんだ。人間と吸血鬼じゃ、流れる時間が違うんだって。決して、相容れない存在なんだって。それに、何よりもレイの揺るぎない大きな愛情が伝わってきて、目が覚めた」
「それで、別れた人間はどうなったの?」
「あぁ、あいつは俺と別れた後にあっさりと別の男を見つけたよ。あの涙の別れはなんだったんだろうな」
ハハハ、とリョウ兄さまは明るく笑った。
それから真剣な顔で僕の方を向く。
「なぁ、リト。レイの俺たちに対する愛情は本物だ」
「……うん」
「だからもう俺たちの側を離れるなよ」
「はい……」
大人しく頷いた僕の頭を、リョウ兄さまは優しく撫でてくれた。
こうして、僕の人間界での冒険は幕を閉じた。
「はぁ……退屈」
レイ兄さまに叱られて以来、僕は謹慎を命じられていて、屋敷から一歩も出ることは許されなかった。
勉強の課題も全て終わったし、屋敷の図書室にある児童書も全部読んでしまったし、もう他にする事も無かった。
ベッドにゴロンと横になって、ザファールでもいいから "二人で気持ちよくなる遊び" の相手をしてくれないかな?なんて思ったけど、こんな時に限って、ザファールの姿は見えなかった。
その時、ガランゴローン……と来客を告げるベルの音が屋敷に鳴り響き、僕はのっそりと起き上がる。
「一体誰だろう?」
退屈を紛らわせる好奇心もあって、玄関ホールへと向かってみる。
初代当主の大きな肖像画がかかり、巨大なシャンデリアがぶら下がった薄暗い玄関ホールに、レイ兄さまと同じくらいの年齢の、黒い燕尾服を着た一人の男が立っていた。
その姿を見た瞬間、僕の心臓は止まりそうになる。
高い身長に、がっしりとした体躯。オールバックにした黒髪。貴族の品の良さを感じさせる顎のラインと、傲慢さが漂う鋭い瞳。
紛れもない!
宿敵であるホッヘルベル家の当主、クラウディウ伯爵!!!
伯爵は僕の姿を見ると、
「やぁ、こんにちは」
と朗らかな笑顔で、僕に挨拶をしてきた。
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