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ロミオの純情
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美雨は、そんな魅力的な設備には目もくれずに、人目を避けるようにして、すみっこで体を隠しながら座って、こそこそと体を洗っていると、
「おい!美雨」
と後ろから声をかけられた。
「な、何?」
振り向くと、白鳥 航が立っていた。
彼は美雨と同じ小柄な体型だったが、美雨と違って、抜群の運動神経の持ち主で、スポーツをやっているその身体は筋肉でキリリと引き締まり、少し生意気そうなその顔は、誰もが振り返るほどの美少年だった。
「ボディソープ貸せよ」
「あ、」
美雨は気がつかないうちに、足の下に挟むようにして、薔薇の絵が描かれたボディソープのボトルを置いてしまっていた。
「ご、ごめん」
ギクシャクと体を動かしながら、美雨はボトルをコウに渡す。
受け取ったコウは、美雨の隣にストンと腰を下ろすと、ワシャワシャと体を洗い始めた。辺りにふんわりと薔薇の良い香りが漂う。
(他にも空いてるシャワーあるのに、何でボクの隣に来るんだよ!)
美雨は心の中で叫ぶ。
とにかく、コウに体を見られないように、必死で体を隠しながら洗っていると、不審そうな目をコウは、こちらに向ける。
それはそうだった。
コウは、小等部からの幼なじみで、今更肌を隠すような間柄でも無かったからだ。
コウだけでなく、悠斗も美雨が小さい頃から知っていたし、それだけでなく、クラスの大半は皆、小等部からエスカレーターで進学して来ているので、気心知れた仲だった。
「美雨、あのさ」
「な、何っ?!」
美雨の体はビクンと震える。
「美雨がこの間、一緒に歩いていた人、誰だよ」
唐突なコウの質問に美雨は戸惑う。
「えーと、多分、九条先輩だと思うけど…… 」
美雨の答えに、コウはちょっと不満そうな顔をする。
「そうじゃなくて、黒髪の背が高い人」
「ああ、眞木鷹司先輩? 九条先輩のルームメイトだよ」
「ふーん、眞木って言うんだ」
コウは、ザバッと体に湯をかける。
「うん。合気道部の主将なんだって」
「合気道か」
そう言うと、コウは立ち上がって湯の中に浸かりに行ってしまった。
美雨は、ほっと安心すると、そそくさとシャワーで体を流し、逃げるようにして、お風呂からあがった。
「おい!美雨」
と後ろから声をかけられた。
「な、何?」
振り向くと、白鳥 航が立っていた。
彼は美雨と同じ小柄な体型だったが、美雨と違って、抜群の運動神経の持ち主で、スポーツをやっているその身体は筋肉でキリリと引き締まり、少し生意気そうなその顔は、誰もが振り返るほどの美少年だった。
「ボディソープ貸せよ」
「あ、」
美雨は気がつかないうちに、足の下に挟むようにして、薔薇の絵が描かれたボディソープのボトルを置いてしまっていた。
「ご、ごめん」
ギクシャクと体を動かしながら、美雨はボトルをコウに渡す。
受け取ったコウは、美雨の隣にストンと腰を下ろすと、ワシャワシャと体を洗い始めた。辺りにふんわりと薔薇の良い香りが漂う。
(他にも空いてるシャワーあるのに、何でボクの隣に来るんだよ!)
美雨は心の中で叫ぶ。
とにかく、コウに体を見られないように、必死で体を隠しながら洗っていると、不審そうな目をコウは、こちらに向ける。
それはそうだった。
コウは、小等部からの幼なじみで、今更肌を隠すような間柄でも無かったからだ。
コウだけでなく、悠斗も美雨が小さい頃から知っていたし、それだけでなく、クラスの大半は皆、小等部からエスカレーターで進学して来ているので、気心知れた仲だった。
「美雨、あのさ」
「な、何っ?!」
美雨の体はビクンと震える。
「美雨がこの間、一緒に歩いていた人、誰だよ」
唐突なコウの質問に美雨は戸惑う。
「えーと、多分、九条先輩だと思うけど…… 」
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「そうじゃなくて、黒髪の背が高い人」
「ああ、眞木鷹司先輩? 九条先輩のルームメイトだよ」
「ふーん、眞木って言うんだ」
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「うん。合気道部の主将なんだって」
「合気道か」
そう言うと、コウは立ち上がって湯の中に浸かりに行ってしまった。
美雨は、ほっと安心すると、そそくさとシャワーで体を流し、逃げるようにして、お風呂からあがった。
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