34 / 50
ロミオの純情
17
しおりを挟む
コウと別れて自室に戻った鷹司は、汗を流すために、ガラス張りのシャワールームへと直行する。
バスルームはシャワールームと分けられたバスタブに、トイレット、それから、金の装飾に縁取られた大きな鏡があり、金色の蛇口がついた洗面ボールは二人用にと2つ並んでいた。
学生が使うには、随分と豪華な設備で、OBの寄付金に感謝しつつも、男同士の共同生活では、あまりそれは意味を成さないと思っていたが、最近になって、ルームメイトの九条が鍵をかけてバスルームに籠る事が多くなり、一体、風呂場で九条は何をしているんだろうかと、常日頃から鷹司は不思議に思っていた。
一度それとなく聞いてみたが、「まぁ、色々とね……」と、九条は答えをはぐらかすだけで、明瞭な答えは返って来なかった。
ああ、また九条の香水が増えてる……
鷹司は少しうんざりとしながら、服を脱ぐ。
美雨ちゃんと付き合うようになってから、高級化粧水だの、薔薇の香りのするボディーローションだの、九条のケア用品でバスルームが埋め尽くされていき、自分の私物はどんどんと、すみに追いやられてるなと、鷹司は苦笑する。
ザッとシャワーを浴びながら、石鹸を体に塗りたくっていた鷹司は、ふと、コウから漂う香りを思い出していた。
そう言えば、あいつの体からはいつもスズランのような瑞々しい香りがしていた。
あれは、何かつけているのか?それともコウ自身の体臭なのか?
そんな事を考えながら体を洗っていると、ふと、鷹司の筒がやんわりと上を向いて来ているのに気がついた。
『鷹司先輩』
コウの凛とした声が耳にまだ残っている。
今日のコウの真剣な眼差しに、正直、心が吸い込まれそうになった。
そっと自身を握りしめて、目を閉じると、瞼の裏に浮かび上がるのは、裸でベッドに横たわるコウの姿で、鷹司は慌てて別のものを想像しようとしたが、頭を振っても、コウの姿はよりくっきり浮かび上がって、鷹司の脳内を支配した。
コウは膝を立てて、ゆっくりと足を開く。美しい筋肉質の足の付け根にある、コウのペニスは立派に立ち上がり、その先端はヌラヌラと雫を零している。
鷹司は目を閉じたまま、ギュッギュッ と自身の雄芯を扱きあげると、想像の中のコウも「あっ…あぁ……」と喘ぐ。
淫らに腰を揺らすコウの引き締まった体には玉のような汗が浮かび、こちらを誘うような視線をコウは送ってきた。
「コウ… コウ……!」
気がつけば、コウの名を呼び、その右手は、力強く往き来する。
コウの真っ赤な舌が、チロリ……と下唇を嘗めるのを想像した瞬間、
「ウッ!」
と右手の中の砲身が爆ぜて、勢いよく白い飛沫が飛び散った。
ハアッハアッ…… バスルームには鷹司の吐息が響く。
強い快感の後に襲う、気まずい現実。
(後輩のコウで抜いてしまった……)
トロリとした白い液体が排水溝に消えてゆくのを、呆然としながら、鷹司は眺めて、ガクリと肩を落とした。
バスルームはシャワールームと分けられたバスタブに、トイレット、それから、金の装飾に縁取られた大きな鏡があり、金色の蛇口がついた洗面ボールは二人用にと2つ並んでいた。
学生が使うには、随分と豪華な設備で、OBの寄付金に感謝しつつも、男同士の共同生活では、あまりそれは意味を成さないと思っていたが、最近になって、ルームメイトの九条が鍵をかけてバスルームに籠る事が多くなり、一体、風呂場で九条は何をしているんだろうかと、常日頃から鷹司は不思議に思っていた。
一度それとなく聞いてみたが、「まぁ、色々とね……」と、九条は答えをはぐらかすだけで、明瞭な答えは返って来なかった。
ああ、また九条の香水が増えてる……
鷹司は少しうんざりとしながら、服を脱ぐ。
美雨ちゃんと付き合うようになってから、高級化粧水だの、薔薇の香りのするボディーローションだの、九条のケア用品でバスルームが埋め尽くされていき、自分の私物はどんどんと、すみに追いやられてるなと、鷹司は苦笑する。
ザッとシャワーを浴びながら、石鹸を体に塗りたくっていた鷹司は、ふと、コウから漂う香りを思い出していた。
そう言えば、あいつの体からはいつもスズランのような瑞々しい香りがしていた。
あれは、何かつけているのか?それともコウ自身の体臭なのか?
そんな事を考えながら体を洗っていると、ふと、鷹司の筒がやんわりと上を向いて来ているのに気がついた。
『鷹司先輩』
コウの凛とした声が耳にまだ残っている。
今日のコウの真剣な眼差しに、正直、心が吸い込まれそうになった。
そっと自身を握りしめて、目を閉じると、瞼の裏に浮かび上がるのは、裸でベッドに横たわるコウの姿で、鷹司は慌てて別のものを想像しようとしたが、頭を振っても、コウの姿はよりくっきり浮かび上がって、鷹司の脳内を支配した。
コウは膝を立てて、ゆっくりと足を開く。美しい筋肉質の足の付け根にある、コウのペニスは立派に立ち上がり、その先端はヌラヌラと雫を零している。
鷹司は目を閉じたまま、ギュッギュッ と自身の雄芯を扱きあげると、想像の中のコウも「あっ…あぁ……」と喘ぐ。
淫らに腰を揺らすコウの引き締まった体には玉のような汗が浮かび、こちらを誘うような視線をコウは送ってきた。
「コウ… コウ……!」
気がつけば、コウの名を呼び、その右手は、力強く往き来する。
コウの真っ赤な舌が、チロリ……と下唇を嘗めるのを想像した瞬間、
「ウッ!」
と右手の中の砲身が爆ぜて、勢いよく白い飛沫が飛び散った。
ハアッハアッ…… バスルームには鷹司の吐息が響く。
強い快感の後に襲う、気まずい現実。
(後輩のコウで抜いてしまった……)
トロリとした白い液体が排水溝に消えてゆくのを、呆然としながら、鷹司は眺めて、ガクリと肩を落とした。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
周りが幼馴染をヤンデレという(どこが?)
ヨミ
BL
幼馴染 隙杉 天利 (すきすぎ あまり)はヤンデレだが主人公 花畑 水華(はなばた すいか)は全く気づかない所か溺愛されていることにも気付かずに
ただ友達だとしか思われていないと思い込んで悩んでいる超天然鈍感男子
天利に恋愛として好きになって欲しいと頑張るが全然効いていないと思っている。
可愛い(綺麗?)系男子でモテるが天利が男女問わず牽制してるためモテない所か自分が普通以下の顔だと思っている
天利は時折アピールする水華に対して好きすぎて理性の糸が切れそうになるが、なんとか保ち普段から好きすぎで悶え苦しんでいる。
水華はアピールしてるつもりでも普段の天然の部分でそれ以上のことをしているので何しても天然故の行動だと思われてる。
イケメンで物凄くモテるが水華に初めては全て捧げると内心勝手に誓っているが水華としかやりたいと思わないので、どんなに迫られようと見向きもしない、少し女嫌いで女子や興味、どうでもいい人物に対してはすごく冷たい、水華命の水華LOVEで水華のお願いなら何でも叶えようとする
好きになって貰えるよう努力すると同時に好き好きアピールしているが気づかれず何年も続けている内に気づくとヤンデレとかしていた
自分でもヤンデレだと気づいているが治すつもりは微塵も無い
そんな2人の両片思い、もう付き合ってんじゃないのと思うような、じれ焦れイチャラブな恋物語
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる