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姫様、罠にかかる
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「競争ですか?」
サーシャは馬の手綱を握り、馬上からアシュレィを見下ろす。
「そうです。姫、もし、私が勝ったら姫様にキスをしたいのです」
少しだけこちらを眩しそうに見上げてから、サーシャへの絶体的忠義を示すかのように、アシュレィは右手を胸にあてて、お辞儀をすると、弛くウエイブした金髪が朝日に輝いてキラキラと光の筋を作った。
名門貴族の家の三男として、自由と悦楽を思うがままに享受出来る立場に有りながら、敢えて庶民出身の者達と寝食を共にする騎士の道を選んだ、豪放さと貴族の雅さを兼ね備えた美しいこの男は、プレイボーイと名高く、宮廷では常に女達の噂の的だった。
サーシャのお茶会に招かれた貴族の少女達も、「今日はアシュレィ様と、すれ違いましたの」と目をキラキラと輝かせながら話し、ファンレターめいたものを書いていた気がする。
馬でアシュレィに負ける気がしなかったサーシャは快く快諾する。それにキスくらいならお安いご用だわ。
「良いですよ。その代わり、私が勝ったら街でファマーションのお茶を買ってきて下さい」
サーシャが余裕の笑みで、お気に入りのお茶の銘柄をあげると、
「では、契約成立ですね」
アシュレィは貴族の育ちの良さを感じさせる、品の良い笑みを浮かべて頷くと、手綱を握っていたサーシャの手を取り、乗馬用の皮の手袋をはめた手の甲の上に、契約の印を押すかのようにキスを落とす。
こうして、サーシャとアシュレィは、 “ ささやかなゲーム ” をする事になった。
サーシャは馬の手綱を握り、馬上からアシュレィを見下ろす。
「そうです。姫、もし、私が勝ったら姫様にキスをしたいのです」
少しだけこちらを眩しそうに見上げてから、サーシャへの絶体的忠義を示すかのように、アシュレィは右手を胸にあてて、お辞儀をすると、弛くウエイブした金髪が朝日に輝いてキラキラと光の筋を作った。
名門貴族の家の三男として、自由と悦楽を思うがままに享受出来る立場に有りながら、敢えて庶民出身の者達と寝食を共にする騎士の道を選んだ、豪放さと貴族の雅さを兼ね備えた美しいこの男は、プレイボーイと名高く、宮廷では常に女達の噂の的だった。
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馬でアシュレィに負ける気がしなかったサーシャは快く快諾する。それにキスくらいならお安いご用だわ。
「良いですよ。その代わり、私が勝ったら街でファマーションのお茶を買ってきて下さい」
サーシャが余裕の笑みで、お気に入りのお茶の銘柄をあげると、
「では、契約成立ですね」
アシュレィは貴族の育ちの良さを感じさせる、品の良い笑みを浮かべて頷くと、手綱を握っていたサーシャの手を取り、乗馬用の皮の手袋をはめた手の甲の上に、契約の印を押すかのようにキスを落とす。
こうして、サーシャとアシュレィは、 “ ささやかなゲーム ” をする事になった。
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