ようこそ、甘味屋へ。

言ノ葉

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始まりのお菓子

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 僕が初めて食べたお菓子は、幼い頃母が作ってくれた少し不格好なホットケーキだった。かけるものなんてなくてただそのまま食べるだけだった。けどそれは、ふわりとやわらかくて、優しく甘かった。僕は一欠片も残さず食べた。それを母は嬉しそうな、幸せそうな目で見つめていた。
 《 おかわりっ! 》
という僕に困ったように笑いながらも嬉しそうに
 《 晩ご飯が食べられなくなるでしょ?また明日ね。 》
と言う母の声はとても穏やかだった…。
 甘いものは人を幸せにすると知った幼い僕は一つの夢をみつけた。
 《 ぼく、お菓子屋さんになる! 》
男が甘味屋なんて、散々言われた。馬鹿にもされた。けれど諦めない僕に周りは段々何も言わなくなった。
 そして十数年後、僕は夢を叶えた。
 ドアの飾りが今日も鳴る。
 『ようこそ、甘味屋、雲の間へ。』
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