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忘れてた 2

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翔視点

母さんの誕生日の翌日の朝。
「翔様、こちらを」
「なんだ?」
俺付きの執事が銀のお盆に乗せた綺麗にラッピングされた箱を持ってきた。
「私も中は拝見しておりませんので」
「見てない?」
ということは邸内から届けられたものか。
邸外からの物は護衛の検分が入るからな。
「ピンクに赤…柚か」
この色合いを選ぶのは柚だけだろう。
母さんは藤色とか水色とかそっちのが多いし。
「…こんなに」
小さな箱の中には多分柚が折ったであろう折り紙が3種類とビーズ作品がひとつ入っていた。
「それとこちらも」
筒状に丸められた紙。
リボンはピンク。
こっちも柚からか。
「…あぁ…それでか」
紙には俺の顔と拙い文字で『おたんじょうびおめでとう』と書いてあった。
…俺と直人と夏は柚が来る前に終わってたからな。
3人とも誕生日が近いから…夏は本当は違うけど。
コンコン。
「入ってくれ」
ドアが少しだけ開けられ…黒色の髪に青色のおめめが…。
「柚、どうしたんだ?入ってきていいんだぞ?」
「それ…」
どうやら俺がプレゼントの中身を見ていたから入ってこないようだ。
目の前で見られるのは恥ずかしかったか?
一旦執事に全部預け、柚を抱き上げた。
「柚ありがとう。とっても嬉しいぞ」
「えへへ。にぃにのおたんじょーびしらないもん。つぎはおしえてね?」
「あぁ。これは柚の誕生日にお返しのプレゼントが必要になったな」
「おかえしー?」
「おめでとうってお祝いしてもらったらありがとうって返すんだ」
「ぼくも?」
「柚は皆に声をかけてやるだけでいい」
というよりそれが一番喜ばれることだからな。
「あのね、にぃにとね、ぱぱにもあげたの」
「父さんに?」
「うん!!ぱぱよろこんでくれたかな?」
「あぁ。喜ぶさ。こんな可愛い子からプレゼントだなんて」
「にゅ~」
















その頃の柊二…

「ぐすっ…」
「泣かないの。柚のプレゼント濡れちゃうわよ?」
「だって…」
感動のあまり泣いていた。
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