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呼び方 1

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柚琉視点

「まーま。ぱーぱ」
「…柚琉くん。一応君も藤沢家の息子なんだから…公の場所に行くこともあるだろうしそろそろ呼び方直そう?」
「んにゅ?」
よくわかんなぁい。
よびかたってなぁに?
「ママじゃなくてお母様、だよ?それかお母さんにしてね」
「にゅ?」
「ママじゃないよってこと」
「ふぇ!?」
ママちあうの…?
なんで?
「やぁや!!ふぇぇん!!」
「え?呼び方を変えるだけで?」
「おそらく柚琉様は勘違いをなされたのでは…」
「勘違い?…あ。そういうこと」
ママなのー!!
僕のママなの!!
ママちあうないのー!!
「柚琉くん。呼び方を変えるだけであって柚琉くんのママじゃなくなるわけじゃないよ?呼び方っていうのは先生が柚琉くんって呼ぶようなこと。柚琉くんのママは柚って呼んでるよね?でもどっちも柚琉くんの事でしょ?それと同じだよ」
「やーやぁ…」
「…まだ早かったかな…」
僕はメイドさんに抱っこされてぐすぐすしていた。
ママなの…ママちあうないの…。
「柚琉様。公の場だけでも変えることは可能でしょうか?」
「なぁに…?ぐすん…」
「お家のお外ではお母さん、と呼ぶようにしてはいかがでしょうか」
「私達使用人やご家族以外の前ではお母さんと呼ぶんですよ」
「うん…」
それなら頑張る…。
「…解決はしたけど涙は止まらないみたいだね。一旦休憩にしようか。柚琉くんはお昼寝かな?」
「うー…」
「おめめひえひえしましょうか」
「うん!!するー!!」
「…ついにメイドまで赤ちゃん言葉を…」
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