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縁日 1

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柚琉視点

「祭り行こうぜ」
「ふぇ?」
まつり…ってなぁに?
「あら、今日はお祭りなのね」
「ゆずちゃんママは回覧板なんて回ってこないものね…教えてあげればよかったわね」
「回覧板?」
「この辺に住んでる人に回す情報が書かれたものよ」
「この辺に…ねぇ。確かそこの向かいのところ売りに出されてたわよね?」
「え…えぇ」
「そこ買うわ」
「「え」」
「ふにゅ?あたらしいおーちー?」
新しいお家に住むの?
「買うだけよ。使用人か誰か置いておくわ。そうね…生活費保証と手当を付ければ誰かは住んでくれるでしょう。柚の転移先もそこにしておけば安全に転移出来るでしょう?」
「やったぁ!!」
おーち!!
新しいおーちだ!!
「お祭りなら浴衣が欲しいわね。帰りに買いに行きましょうか」
「かわいいのあるー?」
「えぇ、たくさんあるわよ」
「かわいいのー!!」
あ、惟くんとのゲーム途中だった。
隣に戻ってクッションにぽすんと座ったのに惟くんは固まったままだった。
「たもつくん?」
「あ……ゆずやっぱお前お嬢様なんだな」
「ふにゅ?」
おじょーさまってなぁに?
僕は柚だよ?
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