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メイク…? 1

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直人視点

「兄さん助けて!」
「え?」
扉がバンと大きな音を立てて開いたと思ったら夏が飛び込んできた。
「柚と遊んでたんじゃないの?」
「それが問題なの!!」
ぴっぴっと柚の靴に仕込んだ笛の音が聞こえると夏は机の下に隠れた。
「なおにぃにーなつにぃにしらない?」
「柚なんか唇赤いね?噛んじゃったの?」
「ままの!!」
…ママの?
「お子様向けの色つきのリップですよ」
「屋台の射的で手に入れたメイクセットの内の1つです」
「それで?なんでお化粧してるのかな?」
「ちゅーするの!!」
柚は突然僕にぎゅっと抱きついてきた。
「ふへ…じょーずにできた!!」
「ん?」
上手に出来た?
なんかやったの?
そっと…魔法の目を出して自分を正面から見てみると…襟元の白いシャツに可愛らしいピンクの…キスマークがついていた。
「柚!!」
「えへへ~」
ポケットのリップを何故か上手に唇に塗ると僕の上から離れてどこかへ行こうとした。
「柚どこ行くの?」
「なつにぃにとぱぱとしょーにぃににもするの!!」
「え…」
柚が去っていったあと専属のメイドのうちの1人がまだ部屋に残っていた。
「何かほかにもあった?」
「…」
ちらりと見せたメイド服の襟元には僕と同じキスマークが…。
「…使用人も全て狙われておりますので」
「…早急にあのブーム止めなきゃまずいな…」
執事勢にもやってたり…する?
そっとメイドの方を見るとこくんと頷かれた。
「柚!!そのリップ貸しなさい!!」
「やだぁ!!」
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