教室ごと転移したのに陽キャ様がやる気ないのですが。

かーにゅ

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すりー 春樹in治療院

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「ルチア!ルチアはいるか‼」

 うっるさ!てかめちゃくちゃお腹痛い。え?これお腹以外も痛くなってきてない?大丈夫?僕怪我とか擦り傷切り傷とかの軽いものしかしたことないからどうすればいいのか知らないんだけど。骨折してないよね?

「なんですか。団ちょ…」

 奥からやってきたやたら白い人は持っていた水入りのボウルを落とした。カラーンっていい音がした。

「団長が子供さらってきた!」
「違う!早くこの子を見てやってくれ。急に苦しみだしたんだ」
「っ!そこのベッドに‼」

 僕はたくさんあるベッドのうちの一つに寝かされ、制服を破られた。うん、破られた。何気に制服って高いんだぞ!脱がせ方がわからないなら聞いてよ…。

「これは酷い…」
「誰がこんなことを…」

 なに?僕そんな悪いの?日菜子ちゃんどんだけ強いのよ。

「骨がいくつか折れてますね…内臓まで…」
「治せるか?」
「この子の体力にもよりますがひと月は動けないでしょう」

 え…ちょっと待って!僕だけ散策ひと月もお預けなの!?

「や…だ…」
「起き上がっちゃだめだよ。折れた骨が内臓…身体の中にあるものを傷つけているんだ。動くともっと痛くなるよ」
「…や」
「そうだよね。痛いの嫌だよね。じゃあ僕の言うこと聞いておとなしくできる?」
「ん…」

 痛みと強烈な睡魔で朦朧としながらなんとか答えた…はず。そのあとは全く覚えてないけど。



















 次の日から僕は重病人のような扱いを受けるようになりました。ご飯はほぼ何も入っていないに等しいスープ。それに薬。これがものすごく苦い。最初苦すぎて吐いたらもう一回飲まされました。その後からはちみつみたいなのも一緒に出てくるようになったけど。あと、ベッドから降りるの禁止。トイレは誰かの助けを借りる。

 ひどくない?僕15歳の高校生よ?羞恥心とか普通にあるのよ。なのにルチアって人と団長って呼ばれてたお兄さんってば『転んだらどうするの』とか『迷惑だなんて思っていない。むしろもっと頼ってくれ』って。頼るってそういうことじゃない気がするのよ。僕はギルドに行きたかっただけなのに。

「ハルくん。お薬の時間だよ。今日はこれだけだから」
「…ほんとに?」
「本当に。お薬飲んだら眠たくなっちゃうと思うからお昼寝しててね」
「…うん」

 気づきました?僕何気にキャラ偽ってるんですよ。小さい子だと思われてるみたいだからわざと舌っ足らずで話したり、すぐにこてんって首倒してわからないふりしたり、お昼寝もするし遊びのお誘いもする。相手の都合なんて考えずにいろいろねだったりもしたよ。全部すぐにそろったけど。

 なので僕は薬を飲んだ後は文字の勉強をする予定なんだよ。お兄さんに頼んだら幼児向けだろう本を何冊か持ってきてくれたからねー。これがね…全然わかんないのよ。日本語であってくれと願ったのに開いてみたら変な記号の羅列よ。

「はい。ごっくん」
「にぎゃい…」

 これだけは本音。本当に苦いの!

「じゃあこれあげるね」

 蜂蜜の乗ったスプーン付きのホットミルク。僕はここに来てから水かこれしか飲んでません。たまには他のが飲みたいです。ほろ苦なら僕でも飲めるし。カフェオレ飲みたい…カフェモカでもいい。なんでもいいからあまあまじゃない飲み物飲みたい。

「ちゃんとお昼寝するんだよ?眠たい中歩き回ったり立ったりすると倒れちゃって危ないからね」
「ふぁい」

 この眠気というのが割とすぐ来るんだよ…ふぁぁ…ねむ。やばい…文字の勉強したいのに。寝たふりしてればルチアさんはいなくなるしそのあとに勉強できると思ったのに。

「…まだ眠れない?絵本でも読む?」

 あ、それはぜひお願いします。僕一人じゃ内容全くわかんないし。

「よんで!」
「どれがいいの?」
「わかんない」

 どれがって言われてもどれも立派な革表紙でできてて表紙に絵なんてないし中はちゃんと挿絵が入ってたけど…日本の絵本より絵が少ないんだよね。文字のが多かった。

「じゃあこれにしようか」

 ルチアさんはベッド横に椅子を置き僕を完全に寝かせた。クッション取られた!あれお気に入りだったのに‼

「『勇者と魔王』」

 あ…魔王がいるタイプの異世界でしたか。
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