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幼児編
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「…ねぇ柚」
「…」
「柚」
「…」
「…どうしよう。雫…僕軽く死ねる」
「しっかりなさい。ね、柚。何について怒ってるの?」
「…」
僕は頬を膨らませたまま一人用のソファの上で体育座りをしていた。
…母さんも知ってた。
僕がこうされることを。
チップを寝ている間に埋め込まれることを。
兄さんも。
夏は………多分聞いたけど理解してない。
「…どうしましょう。私も死ねるわ」
「…僕なんて触れることさえ許してくれないんだけど」
「今日はまだ柚に1度も触れてない…直人……人間はどうやったら死ねる?」
「包丁で喉でも切り割けば…?」
「…よし。やるか」
「まってぇぇぇ!!」
なんで!?
なんで僕が無視してるだけで自殺しようと!?
命は大切にしようよ!!
1回死んだ僕が言うんだよ!?
僕は慌ててキッチンへと向かう翔兄さんの腰に抱きついた。
「いのちだいじー!!」
「…柚に相手してもらえない人生なんて」
「ごめんなしゃい!!むししてごめんなしゃい!!」
「…柚、抱き上げてもいいのか?」
「うん」
「ご飯食べさせても?」
「…う…うん」
「柚の世話を全てやるのは?」
「それはむり!!」
毎日あのあまあまが続くのは無理!!
僕が壊れる!!
「…ゆず。おこってるの?ポップコーンたべる?」
「…おこってない。あとポップコーンちょうだい」
「はい。バターしょーゆあじとコンソメあじとキャラメルがあるよ?」
「ばたーしょーゆ」
…もぐもぐ。
美味しい。
「…」
「柚」
「…」
「…どうしよう。雫…僕軽く死ねる」
「しっかりなさい。ね、柚。何について怒ってるの?」
「…」
僕は頬を膨らませたまま一人用のソファの上で体育座りをしていた。
…母さんも知ってた。
僕がこうされることを。
チップを寝ている間に埋め込まれることを。
兄さんも。
夏は………多分聞いたけど理解してない。
「…どうしましょう。私も死ねるわ」
「…僕なんて触れることさえ許してくれないんだけど」
「今日はまだ柚に1度も触れてない…直人……人間はどうやったら死ねる?」
「包丁で喉でも切り割けば…?」
「…よし。やるか」
「まってぇぇぇ!!」
なんで!?
なんで僕が無視してるだけで自殺しようと!?
命は大切にしようよ!!
1回死んだ僕が言うんだよ!?
僕は慌ててキッチンへと向かう翔兄さんの腰に抱きついた。
「いのちだいじー!!」
「…柚に相手してもらえない人生なんて」
「ごめんなしゃい!!むししてごめんなしゃい!!」
「…柚、抱き上げてもいいのか?」
「うん」
「ご飯食べさせても?」
「…う…うん」
「柚の世話を全てやるのは?」
「それはむり!!」
毎日あのあまあまが続くのは無理!!
僕が壊れる!!
「…ゆず。おこってるの?ポップコーンたべる?」
「…おこってない。あとポップコーンちょうだい」
「はい。バターしょーゆあじとコンソメあじとキャラメルがあるよ?」
「ばたーしょーゆ」
…もぐもぐ。
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