258 / 839
幼児編
149
しおりを挟む
「…んっ!!」
「どうされました?」
「…せなかかゆいの…」
「…薬が効かなかったのでしょうか」
「ふいてくれるやくそく!!」
「かしこまりました」
僕が背中を向けると樹くんは濡らしたタオルで背中を拭いてくれた。
「ふにゅぅ…あったかい…」
「柚琉様、お腹側も見せていただけますか?」
「にゅ?」
樹くんは肩にブランケットをかけると、ソファーに背中をもたれさせた。
「…こちら側は少ないですね。背中が触れる部分に何かあったのでしょうか…」
「…ふく、きていい?」
「えぇ。お手伝い致します」
樹くんは僕の着替えを手伝ってくれた。
…なんでそんな簡単にボタンはめられるの?
パジャマだけど…やりにくいよ?
「あのね、いつきくん」
「はい?」
「…ぼく…ボタンはめれないの」
「はい」
「おてつだい…やめて…ぼくじぶんでやりたい」
「いいえ。私のた……仕事を奪うのですか?柚琉様」
『た』って何!?
「はい。では試しにお水を1人で飲んでみてください」
樹くんはコップを手渡してくれたが…明らかにいつもよりも量が多い。
「…いつきくん」
「はい?」
「りょうおおい。おもたい」
「柚琉様と同年代の方ではこれが普通なのですよ」
「…」
僕はコップを両手で持ち直そうとして…落としてしまった。
ガシャーン。
「あ…あの…ごめんなさい…」
「…いえ。悪ふざけが過ぎましたね。すみません」
樹くんはプラスチック製のコップに少量のお水を入れ、僕に持たせた。
そして自分は割れたコップの破片を片付け始めた。
「て、きれちゃうよ。そうじきつかおうよ。もってくる」
「ダメですよ。おりたらそれこそ柚琉様が怪我をしてしまいます。それに手袋をしていますから怪我もしません」
「…だいじょうぶ?」
「はい」
…僕…何もできない子だった…。
ボタン…頑張ろう。
コップは…また今度にする。
「どうされました?」
「…せなかかゆいの…」
「…薬が効かなかったのでしょうか」
「ふいてくれるやくそく!!」
「かしこまりました」
僕が背中を向けると樹くんは濡らしたタオルで背中を拭いてくれた。
「ふにゅぅ…あったかい…」
「柚琉様、お腹側も見せていただけますか?」
「にゅ?」
樹くんは肩にブランケットをかけると、ソファーに背中をもたれさせた。
「…こちら側は少ないですね。背中が触れる部分に何かあったのでしょうか…」
「…ふく、きていい?」
「えぇ。お手伝い致します」
樹くんは僕の着替えを手伝ってくれた。
…なんでそんな簡単にボタンはめられるの?
パジャマだけど…やりにくいよ?
「あのね、いつきくん」
「はい?」
「…ぼく…ボタンはめれないの」
「はい」
「おてつだい…やめて…ぼくじぶんでやりたい」
「いいえ。私のた……仕事を奪うのですか?柚琉様」
『た』って何!?
「はい。では試しにお水を1人で飲んでみてください」
樹くんはコップを手渡してくれたが…明らかにいつもよりも量が多い。
「…いつきくん」
「はい?」
「りょうおおい。おもたい」
「柚琉様と同年代の方ではこれが普通なのですよ」
「…」
僕はコップを両手で持ち直そうとして…落としてしまった。
ガシャーン。
「あ…あの…ごめんなさい…」
「…いえ。悪ふざけが過ぎましたね。すみません」
樹くんはプラスチック製のコップに少量のお水を入れ、僕に持たせた。
そして自分は割れたコップの破片を片付け始めた。
「て、きれちゃうよ。そうじきつかおうよ。もってくる」
「ダメですよ。おりたらそれこそ柚琉様が怪我をしてしまいます。それに手袋をしていますから怪我もしません」
「…だいじょうぶ?」
「はい」
…僕…何もできない子だった…。
ボタン…頑張ろう。
コップは…また今度にする。
35
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
Q.親友のブラコン兄弟から敵意を向けられています。どうすれば助かりますか?
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
平々凡々な高校生、茂部正人«もぶまさと»にはひとつの悩みがある。
それは、親友である八乙女楓真«やおとめふうま»の兄と弟から、尋常でない敵意を向けられることであった。ブラコンである彼らは、大切な彼と仲良くしている茂部を警戒しているのだ──そう考える茂部は悩みつつも、楓真と仲を深めていく。
友達関係を続けるため、たまに折れそうにもなるけど圧には負けない!!頑張れ、茂部!!
なお、兄弟は三人とも好意を茂部に向けているものとする。
7/28
一度完結しました。小ネタなど書けたら追加していきたいと思います。
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
ひみつのモデルくん
おにぎり
BL
有名モデルであることを隠して、平凡に目立たず学校生活を送りたい男の子のお話。
高校一年生、この春からお金持ち高校、白玖龍学園に奨学生として入学することになった雨貝 翠。そんな彼にはある秘密があった。彼の正体は、今をときめく有名モデルの『シェル』。なんとか秘密がバレないように、黒髪ウィッグとカラコン、マスクで奮闘するが、学園にはくせもの揃いで⁉︎
主人公総受け、総愛され予定です。
思いつきで始めた物語なので展開も一切決まっておりません。感想でお好きなキャラを書いてくれたらそことの絡みが増えるかも…?作者は執筆初心者です。
後から編集することがあるかと思います。ご承知おきください。
転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる