上 下
263 / 839
幼児編

154

しおりを挟む
柚視点

「く…ふぁぁ…」
よく寝た…ってあれ?
また…直人兄さんのお部屋?
「柚琉様。おはようございます」
「いつきくん、おはよう。ぼくのおへやのおそうじおわった?」
「はい。空調の管理もも終わりましたよ」
うん。
だからなんで僕と樹くんだと言葉の意味が違って聞こえるの?
「引き出しも開けてしまったのですが…」
「あけたの!?」
僕ね、日記つけてるの。
どんどん前世のことも思い出せなくなってくるのかなって思ったから色々書いて残しておこうと思って…。
「中身は見ていません」
「…よかった。ぼくのにっき。みないでね」
「かしこまりました」
僕はベッドから降りた。
服はまだパジャマのままだった。
「いつきくん、きがえるのてつだって」
「はい」
樹くんはすぐに僕の服のボタンに手を伸ばそうとしたがそれを止めた。
「ぼくがやる」
「柚琉様がですか?」
「うん。ぼくなにもできないのいやだから」
「…成人してもついていますのに…」
「なにかいった?」
「いいえ」
樹くんは僕が5分かけてボタンを外すのを見守っていてくれた。
「とれた!!」
「はい。取れましたね。では次のボタンですよ」
「う…きょうはここまで!!いつきくんやって」
「はい」
樹くんがやるとものの数秒で全てのボタンが外れた。
「柚琉様、ではこちらに着替えましょうか」
「…ブラウス?おでかけするの?」
「本家へ行くのですよ。今日はお祖母様もいるそうです」
「おばあ…さま?」
僕のおばあちゃん?
「柚琉様は赤ん坊の頃に1度お会いしているだけですからね。覚えていなくとも仕方ありません」
…僕の…おばあちゃん。
「おばあちゃん…あいたい」
「えぇ。でしたら早くお着替えなさりませんとね」
「いつきくんにおねがいするの」
僕がやるとすごく遅くなりそうだもん。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

婚約破棄させてください!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:5,388pt お気に入り:3,015

俺を裏切り大切な人を奪った勇者達に復讐するため、俺は魔王の力を取り戻す

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:4,587pt お気に入り:96

ローションガーゼのプリンセス

BL / 完結 24h.ポイント:63pt お気に入り:107

7回も人生やってたら無双になるって

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,151pt お気に入り:55

腹黒上司が実は激甘だった件について。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,051pt お気に入り:140

処理中です...