普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

中学生編

4 (271)

｢今日から君達の担任になります｡柊ひいらぎ煌こうと言います｣
僕は目を見開いた｡
病院でぶつかった人!!
｢｢……煌…兄さん｣｣
しかも樹くん達の知り合いだった!!
｢…まぁ何人か顔見知りはいるだろうけど自己紹介しようか｣
｢じゃあ最初､夏？藤沢夏羽です｡柚を傷つけでもしたら一族全員で潰しにかかるからね～｣
｢はい｡先生達の一族もね｡じゃあ次｣
なんか簡単に流したけど凄いこと言った!!
先生達の一族もって何！？
樹くん達なんで全力で頷いてるの！？
｢…え？僕なの…？…えっと…夏の弟の藤沢柚琉です…｣
｢柚､何か一言言わないと｣
｢ぴにゃ！？えと…えと……本読むのが好きです…？｣
なんか小学校の時と一緒になっちゃった｡
｢柚琉くんだね｡体弱いらしいけど大丈夫？｣
｢…大丈夫…です｣
｢何かあったらすぐ言ってね｡樹達も｣
｢｢はい｣｣
｢…はい｣
ぴにゅぅ…｡
大丈夫じゃない気がしてきた…｡
｢…柚？顔青いよ？大丈夫？｣
｢夏ぅ…｣
思わず夏に抱きついた｡
…僕の安心出来るところ…｡
もういいもん｡
いざとなったらΩクラスか保健室に逃げ込むもん｡
保健室なら誰かいるよね｡
｢吐く？気持ち悪い？｣
｢…大丈夫｣
へにゃりと机に頭をついた｡
…眠たい｡
いつもΩクラスでお昼寝してたからな…｡
｢…柚琉様？やはりどこか悪いのでは…｣
｢大丈夫…ふぁぁ…｣
｢眠たい…ですか？｣
うん…｡
ちょっと寝たいな…｡
｢…煌に…じゃなかった｡煌先生､少し抜けてもよろしいでしょうか｣
｢いいよ｡Ωの子は眠たい時間だよね｡ちょっとずつ学校の時間割に慣らしていけばいいから｡文句言うやつは先生が相手するよ｣
｢…え｡煌兄さんって里で1番強かったよな…？…骨折どころじゃ済まねえぞ｣
睦樹くんの怖い呟きが聞こえたぞ｡
聞こえないふりー｡