普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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中学生編

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樹視点

「ぷぴぃ…すぴぃ…」
さすが柚琉様。
ものの数秒で眠った。
しかも寝息も可愛い。
こんな可愛い子を突然現れた運命の番に渡すはずないでしょ。
使用人全員が柚琉様保護に賛成してるからね。
使用人は全員僕の味方…睦樹は柚琉様が幸せになれる方って言いそうだな。
「さて…僕も行くか」
僕は立ち上がって、ちょっとだけ柚琉様を眺めてからそっと部屋を出た。
向かうのは応接室。


コンコン。
「どうぞ」
「失礼します」
中に入ると柚琉様以外のご家族全員が集まっていた。
「…樹はどう思う?こいつのところに柚をやるべき?それともここでいい?」
「お屋敷でごさいますね」
「理由は?」
「まず…司様と仰いましたよね?あなたのお仕事はモデルと声優ですよね?安定しない職業ですし副業もあるとなると柚琉様が1人になる時間が増え、誘拐の危険性が高まります」
「…そうだね。それから?」
「柚琉様はまだ性について何も知りません。無垢な状態の柚琉様がいきなり発情状態の番の元へ放り込まれて無事でいられるとは思いません」
「…襲われてわけも分からず精神崩壊って感じになりそうだね。レイプ被害者と同じか」
「俺はそんなことはしません」
「運命の番って理性をなかなか保てないんでしょ?夏より持たないならダメでしょ?」
そうだ。
夏羽様の言う通り。
「最後に、使用人を代表してみんなからの伝言を言いましょう。"柚琉様を奪っていくのならば使用人全員を倒してから行けっ!!"だそうです」
「…無理だ」
でしょうね。
うちの使用人はβとΩしかいないといえど手練ぞろいですから。
というより…柚琉様を見て守るために術を学んでいく?
「では、出直してきてください」
「樹が笑ってる…。柚の前以外じゃ無表情なのに」
失礼ですね、夏羽様。
僕だって感情ぐらいあります。
顔に出さないだけで。
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