普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

中学生編

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柚琉視点

｢…んにゃ｣
もぞもぞと起き上がると…樹くんはいなかった｡
むぅ…やっぱり逃げた｡
逃げると思ったよ？
だけどちょっとだけでも誰かと寝られるのが嬉しくて…｡
夏のお部屋行こうとすると確実に迷っちゃうし｡
｢おはようござ……起きたんですね｣
｢うん｡樹くん､ちょっとだけでも一緒に寝てくれてありがと｣
｢いえ…｣
樹くんはいつも通り僕を着替えさせて抱き上げて階段を降りた｡
あれ？
僕何も反応できなかったぞ？
…あれ？
いつもはちゃんと嫌がってるんだよ？
｢おはよう､柚｡ちゃんと起きれた？｣
｢うん!!1人で起きたっ!!｣
｢偉いね｡…昨日の夜､勝手にベッドを抜け出して厨房に行っていたみたいだけど｣
ぎくっ｡
な…なんでバレてるの？
田口さん？
田口さんが話したの？
｢夜中にお腹空くくらい夜ご飯減らしちゃダメでしょ？これからはちゃんと食べること｣
｢はぁい｣
｢さ､朝ごはんにしようか｣
父さんは僕を椅子に乗せた｡
違うよ!!
1人でも座れるよっ!!
だけどこっちのが楽なんだもん｡