普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

番外編

柊先生の奥さん

僕は柊椎名しいな｡
柚琉くんの主治医だ｡
｢りーん!!ただいまっ｣
｢ひっつくな!!そして尻を触るな変態っ!!｣
家に帰ってすぐに奥さんに抱きついたら殴られた…痛い｡
｢…せっかく帰ってこられたのに｣
｢永遠に病院にいろアホ｣
｢嫌だね｡病院にいると柊二にこき使われるし｣
｢こき使われろ!!そして毎夜お前に付き合わされる俺をいたわれっ!!｣
｢おっと｣
回し蹴りをあと数センチというところで避けた｡
セーフ｡
｢せっかく番になってくれたのに…酷くない？｣
｢お前が勝手に噛んだんだろ!!｣
｢へぇ～？｣
項を噛む番は互いが了承しなければ成立しない｡
望まぬ番と呼ばれるのは書類を出した場合だ｡
書類で出来た番は簡単には消せない｡
項を噛む番は1ヶ月､触らない､にゃんにゃんもしなければ勝手に消える｡
つまり､凛りんも了承してくれたから噛めたのだ｡
うちのツンデレ奥さん本当に可愛い｡
｢…飯食って寝ろ｣
｢お風呂は？｣
｢飯食って洗濯物出して風呂入って寝ろ!!このバカ!!｣
ぐぅぅと凛のお腹が鳴った｡
｢はいはい｡ご飯も食べずに待っていてくれてありがとうね｣
｢ちが､これはただ…｣
｢続きはベッドで聞くね～｣
｢は！？おい待てっ!!おろせっ!!｣
｢そろそろリードが必要かな～小型犬だからって放し飼いにしてると危ないよね｣
｢小型犬じゃねぇ!!小さくないし犬でもない!!｣
｢確か柊二の友人で大人のおもちゃ作ってる人いたよな…買おうかな｣
｢おい!!話を聞け!!このピンク脳っ!!｣
｢脳はもともとピンク色だよ｣
｢なんで家帰ると真面目な医者モードから外れるんだよ!!おかしいだろ!!｣
ふふふ｡
こんな可愛い奥さんがいるのに猫かぶっていろと？
ドサッとベッドの上に下ろすと小さく縮こまりながら後ろに下がる凛｡
｢残念､そっちは行き止まりだね｣
両手を片手で掴み､もう片方の手で引き出しから手錠を取り出し､ベッドの柵を通して凛の手を上に上げたまま固定させた｡
｢な､なぁ俺腹減った｣
｢うん｡だから今からお腹いっぱい食べさせてあげるよ？僕のをね｣
｢違う!!飯っ!!飯食わせろ!!｣
｢もうどれだけ僕を誘えば気が済むのかな｡いいよ､お望み通り早く食べさせてあげようか｣
｢ちっがぁぁう!!｣
朝までにゃんにゃんするかな～♪
明日は仕事ないし｡