普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

選択編

巣作り総集編 夏羽ver.

夏視点

｢ゆずー？｣
…またいなくなっちゃった｡
最近はいなくなること多いなぁ…｡
モゾ｡
部屋の隅の布の塊が動いた｡
｢…まさか？｣
1枚捲ってみると柚が中で丸まっていた｡
冬眠中のリス…？
｢うぅ…寒い…かえしてっ!!｣
｢え？あ…｣
服を取られて柚はまた布の中に隠れた｡
…何これ｡
｢柚？寒いなら暖炉つける？｣
｢いいっ!!…こっちのが暖かいもん｣
｢出てきてよ…｣
｢やだっ!!｣
ほのかに…香る柚の匂い｡
発情期だ｡
｢柚､発情期なんだよね？夏が一緒にいるから怖くないよ｣
｢…僕ここにいる!!｣
｢そんな布ばっかりのとこやめようよ｡ね？｣
｢やぁ!!｣
…柚を引っ張り出すと柚の着ているものも夏の服だった｡
｢…ごめんね…なんか落ち着かなくて…｣
｢…柚｡相手の服を集める意味は知ってる？｣
｢ううん…散らかしちゃったごめんなさい｣
｢相手の服を集めるのはね…｣
柚を抱えて移動しながら説明する｡
｢巣作りって言ってほかの意味では子供欲しいですってのもあるんだよ？｣
｢赤ちゃんっ!!｣
あ､これ理解してない｡
｢…いいや｡実践で教えよう｣
｢んにゅ？赤ちゃん可愛いよね｣
｢ん｡そうだね｡夏は柚との赤ちゃん欲しいな｣
｢僕もっ!!｣
うん｡
合意したしいいよね｡