普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

選択編

柚の死亡ルート 8

柚視点

｢おっしゃんぽおっしゃんぽ～♪｣
｢柚琉様はしゃぎすぎてはいけませんよ｣
…んぐ｡
なんか詰まった｡
｢柚琉様？｣
あ､さっき食べたお餅か｡
ズルッ｡
｢あ…｣
｢柚琉様!!｣
僕は階段から足を滑らせて…落ちた｡
ドンッ｡
｢かはっ…｣
｢…っ…柚琉様…大丈夫ですか？｣
樹くんが庇ってくれたからちょっとは大丈夫…｡
｢…庇いましたが少し頭を打っているようですね｡先生に連絡して診察していただきましょう｣
｢らいじょ…うぷっ｣
あ…やばい｡
さーっと樹くんの顔色が青くなった｡
｢…失礼します!!｣
｢ふぇ！？｣
急に抱き上げられた｡
いや抱っこはみんなしてくるから慣れてるけど…ふぇ！？









｢…うん｡柚琉くん馬鹿なの？｣
｢あにゃぁ…｣
｢…心臓の様子見るためにこの機械付けたのに壊すって何？｣
｢ごめんにゃしゃい…｣
｢…こうなると思ったからもう1つ用意してたけどさ…｣
先生はまた僕の手首に機械を取り付けた｡
｢頭の怪我の方は大したことは無いけど大人しくしてる事｡いいね？｣
｢あいっ｣
…むぅ｡








柊二視点

それは突然だった｡
夜中の電話｡
プルルルル｡
｢…はい…？｣
『柊二今すぐ来い!!』
｢椎名？柚に何か…｣
『さっき1回心臓が止まった｡…次があったら今度は蘇生出来るかどうか』
｢今すぐ行く!!｣
上着を羽織り､携帯を持って家を飛び出した｡


｢…椎名!!｣
｢柊二悪い｡呼び出したけど…今は眠ってる｡今のところ安定してるから安心しろ｣
｢…なんで止まったり…｣
｢…弱ってたんだろうな｡手術したとはいえ元々がかなり弱い柚琉くんのことだから｣
｢…はぁ｣
…焦った｡
｢泊まっていくか？｣
｢…そうする｡柚の隣に簡易ベッドって置ける？｣
｢準備はしてある｡…十分な広さあるし大丈夫だ｣
｢…モニターつけておいて｣
｢あぁ｣
病室に入った僕は柚の隣に置かれた簡易ベッドに腰掛けた｡
…本当に…いつ死んでもおかしくない｡
｢嫌だ…柚…｣
｢にゃ…に？｣
｢柚起きてたの！？｣
｢いま…おきちゃ｡とうしゃ…おひゃよー｣
｢おはよう｡今は夜だけどね｣
｢んにゅ…？いっぱ､ねんねしちゃ…？｣
｢まだねんねしてていいよ｣
柚を寝かしつける。
…こうして寝ている間にも…｡
｢…とうしゃもねんね!!｣
｢はいはい…｣
｢やっ!!いっちょ!!｣
｢柚､一緒には寝られないよ｣
｢うにゅぅ…｣
プチッ｡
…は？
柚はモニターと繋がっていたコードを全て剥がしてしまった｡
｢とれちゃ!!ねんね!!｣
｢…あのねぇ｣
｢ねんねいっちょいや…？｣
｢嫌じゃないよ｣
仕方ない…今日は一緒に寝るか｡