普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

番外編

料理人達の苦労

｢どうだった？｣
｢…また夏羽様に食べさせてた…｣
｢…なんで野菜だけ食べないんだか｣
｢他に方法考えるか…｣
今日の案は具沢山のミネストローネ｡(ただし柚琉様が飲んだのはスープのみ)
オムライスの中にもみじん切りにした玉ねぎとピーマンを隠し(全部見つかって避けられた)｡
ジュースも野菜ジュースに(果物が入っていないと飲まないみたいだ)｡
｢…他に…ねぇ｣
｢…キャベツとかなら湯がけばまだ食べてくれるけど…ピーマンが｣
｢鉄分も補給しないとまた貧血なるだろ？…素直に食べてくれるの果物だけってやばくないか？｣
｢おやちゅー!!｣
また来た｡
柚琉様の突撃…｡
｢…おやつは10時と3時ですよ｡時計読めませんか？｣
｢わかんにゃい｣
その辺にあった紙に10時と3時の絵を描いて渡した｡
｢これと一緒じゃないとおやつは食べられません｣
｢うりゅ…｣
あ…これは…泣くやつ…
｢やぁ!!おやちゅ!!おやちゅたべりゅ!!｣
違った､駄々っ子になった｡
｢じゃあ柚琉様約束してくれます？｣
｢にゃに…｣
｢出したものは全て自分で食べてください｡夏羽様にあげちゃいけませんよ？残してもいいですから｣
｢…あい｣









その日の夜ご飯

玉ねぎを食感が無くなるまで炒め､ハンバーグの中に隠し､ハンバーグの中にはチーズ｡
ハンバーグが焼けたあと､上にも兎の形に切ったチーズを乗せ､顔の形の海苔を乗せ､少し焙る｡
付け合せはにんじんのグラッセとブロッコリー(ゴマだれで和えたもの)｡
ジュースは野菜ジュース(オレンジの輪切りを刺して中にはミカンの粒入り)｡
デザートはぶどうゼリー(中に寒天で作った星入り)｡

努力の結晶…どうだ？



｢食べてた…けど｣
｢けど？｣
｢うしゃしゃんかわいしょうって｣
｢…まさか｣
｢器用に兎チーズの所だけ切り取って避けられてた…｣
｢そんな落とし穴が…｣







毎日毎食､試行錯誤をしております｡