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第3章:魔導国家編 ②
第17話 魔王の娘
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輝かしい黄金の光が弱くなり、シエルは薄目をあけた。
視界に広がるのは秘匿区域の静まり返った風景と……。
「……レテナシス?」
「――!ようやく、目を覚ましたか……」
安堵の息をついたセラフィウスの顔だった。
「私、なんで横に……?」
記憶の狭間で過去の旅に出る前は椅子に座っていたはずだったのだが……。
過去から戻ってきた時にはセラフィウスの膝枕で休んでいた。
「お前、3日も目を覚まさなかったんだぞ」
セラフィウスの言葉にシエルは目を見開き、驚いた。
「えっ……3日も!?」
無言で頷くセラフィウスはシエルに問いかけた。
「で、目を覚ましたってことは……記憶の封印は解けたんだな?」
シエルは起き上がり、近くの椅子へと腰かけた。
「……うん。覚悟はしていたつもりだったんだけど……精神的ダメージが、ね……」
シエルは苦笑いを浮かべた。
記憶の狭間で見た過去の記憶のこと。
メモワール・コンセルヴァシオンでシャルティアナの魂と出会った事。
彼女の魂と融合し、1つになったことを伝えた。
「……大丈夫か?」
セラフィウスはシエルの前に座り、煌びやかな銀糸の髪をなでた。
「慣れているから平気よ。それより……」
髪をなでるセラフィウスの手を軽く払いのけ、シエルは言葉を濁した。
「それより、なんだ?」
躊躇いがちに視線を逸らし、セラフィウスへ問いかけた。
「……魔王の娘って、今どこにいるか――あなた、知っているの?」
心配そうな表情から一転し、セラフィウスの顔から表情がスッと消えた。
「……どこでそれを?」
氷のように冷たく低い声が静寂の空間に響いた。
(えっ、なに……?聞いちゃ、いけなかったの……?)
シャルティアナから魔王の娘の答えはセラフィウスに聞けと言われていたシエルは困惑した。
セラフィウスに動揺を悟られないよう強気に言い切った。
「質問を質問で、返さないでくれるかしら?」
セラフィウスの濃紫の瞳が探るようにスッと細められた。
「知っているさ。だが、俺としては……どうしてお前がそのことを知っているのか――という方が気になるな。」
深いため息をつき、シエルは静かに告げた。
「……シャルティアナが、言っていたのよ。魔王の娘についてはテシスに聞けって。」
驚いた表情を浮かべ、セラフィウスが目を見開いた。
「シャティが……?なぜ、知っているんだ……」
シエルは深いため息をつき、セラフィウスへ問いかけた。
「そんなの、私だって知りたいわよ。で?魔王の娘は誰で、今どこにいるの?」
セラフィウスは不思議そうな表情でシエルを見つめた。
「あれ、気付いていないのか?お前、既に会っているぞ」
「私が、魔王の娘に……?」
(魔王の娘に会ったのは記憶の狭間だけのはず……)
セラフィウスは無言で頷くだけで、それ以上のことは告げなかった。
まるで自力で答えに辿り着けと言わんばかりに、じっとシエルを見つめていた。
「でも確かに記憶の中で彼女と会ったとき、妙に見覚えがあったのよね……」
アヴァルディアの王城で惨殺された黒紫の髪と金色の瞳をした少女の事を思い出していた。
(黒紫の髪と……金の、瞳……?)
ぼんやりと脳裏に同じ容姿を持つ1人の少女が浮かび、シエルはハッとした表情を浮かべた。
「……あっ。オルディアナ――!」
髪の長さこそ違えど、髪と瞳の色や雰囲気などが完全に一致していた。
セラフィウスは”よく気付いたな”と言わんばかりに悪戯な笑みをシエルに向け、ゆっくりと口角を上げた。
「――正解だ」
魔導図書館の管理人とも言える司書長・オルディアナ。
彼女は500年前にアヴァルディアの王族に惨殺された魔王の娘だということが明らかになった――。
視界に広がるのは秘匿区域の静まり返った風景と……。
「……レテナシス?」
「――!ようやく、目を覚ましたか……」
安堵の息をついたセラフィウスの顔だった。
「私、なんで横に……?」
記憶の狭間で過去の旅に出る前は椅子に座っていたはずだったのだが……。
過去から戻ってきた時にはセラフィウスの膝枕で休んでいた。
「お前、3日も目を覚まさなかったんだぞ」
セラフィウスの言葉にシエルは目を見開き、驚いた。
「えっ……3日も!?」
無言で頷くセラフィウスはシエルに問いかけた。
「で、目を覚ましたってことは……記憶の封印は解けたんだな?」
シエルは起き上がり、近くの椅子へと腰かけた。
「……うん。覚悟はしていたつもりだったんだけど……精神的ダメージが、ね……」
シエルは苦笑いを浮かべた。
記憶の狭間で見た過去の記憶のこと。
メモワール・コンセルヴァシオンでシャルティアナの魂と出会った事。
彼女の魂と融合し、1つになったことを伝えた。
「……大丈夫か?」
セラフィウスはシエルの前に座り、煌びやかな銀糸の髪をなでた。
「慣れているから平気よ。それより……」
髪をなでるセラフィウスの手を軽く払いのけ、シエルは言葉を濁した。
「それより、なんだ?」
躊躇いがちに視線を逸らし、セラフィウスへ問いかけた。
「……魔王の娘って、今どこにいるか――あなた、知っているの?」
心配そうな表情から一転し、セラフィウスの顔から表情がスッと消えた。
「……どこでそれを?」
氷のように冷たく低い声が静寂の空間に響いた。
(えっ、なに……?聞いちゃ、いけなかったの……?)
シャルティアナから魔王の娘の答えはセラフィウスに聞けと言われていたシエルは困惑した。
セラフィウスに動揺を悟られないよう強気に言い切った。
「質問を質問で、返さないでくれるかしら?」
セラフィウスの濃紫の瞳が探るようにスッと細められた。
「知っているさ。だが、俺としては……どうしてお前がそのことを知っているのか――という方が気になるな。」
深いため息をつき、シエルは静かに告げた。
「……シャルティアナが、言っていたのよ。魔王の娘についてはテシスに聞けって。」
驚いた表情を浮かべ、セラフィウスが目を見開いた。
「シャティが……?なぜ、知っているんだ……」
シエルは深いため息をつき、セラフィウスへ問いかけた。
「そんなの、私だって知りたいわよ。で?魔王の娘は誰で、今どこにいるの?」
セラフィウスは不思議そうな表情でシエルを見つめた。
「あれ、気付いていないのか?お前、既に会っているぞ」
「私が、魔王の娘に……?」
(魔王の娘に会ったのは記憶の狭間だけのはず……)
セラフィウスは無言で頷くだけで、それ以上のことは告げなかった。
まるで自力で答えに辿り着けと言わんばかりに、じっとシエルを見つめていた。
「でも確かに記憶の中で彼女と会ったとき、妙に見覚えがあったのよね……」
アヴァルディアの王城で惨殺された黒紫の髪と金色の瞳をした少女の事を思い出していた。
(黒紫の髪と……金の、瞳……?)
ぼんやりと脳裏に同じ容姿を持つ1人の少女が浮かび、シエルはハッとした表情を浮かべた。
「……あっ。オルディアナ――!」
髪の長さこそ違えど、髪と瞳の色や雰囲気などが完全に一致していた。
セラフィウスは”よく気付いたな”と言わんばかりに悪戯な笑みをシエルに向け、ゆっくりと口角を上げた。
「――正解だ」
魔導図書館の管理人とも言える司書長・オルディアナ。
彼女は500年前にアヴァルディアの王族に惨殺された魔王の娘だということが明らかになった――。
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